第4章、砂漠2ー「そいつらは私や部下達を自分達と同じようにしたいと狙ってて…その方が私や部下達をコントロールできるから」
さっそく私が
「じゃあね…マーズちゃんの部下って何人いるの?」
マーズちゃんは体を後ろに倒すと、両手を後ろの地面につけて体をそらし
「俺か? 俺は、1、2、3…4人だな、1番目が長い黒髪のトカレフ、それから二丁拳銃使いのリボルバーに、体の大きいランチャー、爆弾使いのニッカ、全部女だ。」
「みんな銃だけ? 刀は使わないの?」と私
「うん…第二都市のやつら、学校に全員集まってるな…追い詰められてんのかな?」とマーズちゃんがつぶやく。
「んー”追い詰められてる”ともいえるし、”1ヶ所に集まった方が効率が良い”ってのもあるし…」と私
マーズちゃんは体を起こし、隣のオフィーリアに
「さっきのパンフレット、見せてくれ。」
オフィーリアは私に向けてパンフレットを広げ、
「私の部下が守っているのはこの辺かしら?… 渡り廊下の辺り?」
パンフレットには学校と寮が書かれており、その間を渡り廊下が繋いでいる。彼女はそう言ってその学校寄りの辺りを指し示した後、マーズちゃんに渡した。
「俺んところは…」と言いながら胡座に組んで座ったままパンフレットを眺め、その後ろからバッカスとフローラが立ち上がって覗き込んでいる。
オフィーリアが、どこか宙を見ながら
「私の部下はね、さっき言った藍白に…藍白は両手に刀を持って、あなたの副隊長さんのような感じかしら?」
私はうなずく。オフィーリアは続けて
「で体の大きいのがタガメ、ハンマーを持ってるの、力が強いし。で後は双子のナナとミミ、前髪で目が隠れているんだけど黄色い髪が姉のナナ、緑色の髪が妹のミミ。4人とも藍白を中心に動いているわ、あーでも押され気味ね、私がいないから、自分を奮い立たせるために私を何度も呼んでいるわ。」
私は「うんうん」と2回うなづき、
「藍白くんって、さっきも言ってたけど強くなりたいの?」
「みたいよ、あなたの副隊長さんがとっても強いから自分も、て思うんでしょうね。」
私はうなづく。(うちの副隊長によく声をかけているのは自分も強くなりたいからか…部下が主人の女神を守るのは、ある意味生まれ持っての『使命』みたいなものだし…)
バッカスがパンフレットを持って立ち上がり
「俺んところは体育館だな、っていうか体育館に都市のやつらが全員集まってるみたいで、で、その中を俺の部下とフローラの部下で守ってる、で、俺の部下はピアノの得意なサイケ、いつも会議に来てるやつな、で金髪のメロディー、って男だけどで、ハピラキこいつは女だ、以上。」
フローラがパンフレットを受け取り
「私の方は会議にいつも私と来ているヒアキッソス、で他は女の子のローズ、で、もう1人子供のように小さいのがヒマワリ、とても明るくて…今も気が滅入っている都市の人たちを元気づけているわ。」
私はうなずき
「私の方は、えーと三方に散っている、坊主頭のアオバと、ちょっと背の低いヨシツネと、副隊長は知ってるよね、で副隊長が中心になって動いているかな、やっぱり。」
と言うと4人ともうなずく。続けて他の4人の部下がどこにいるのか説明するとバッカスが
「いいのかよ、リリスのやつがメガネを狙ってるぜ。」
「えっ!? そうなんだ、リリスの部下って…」
「いつも来てるララだけだ。他はイヌとクマとネコがいるが3匹ともリリスのぬいぐるみだぜ。」
「へぇーなんで?」と私
「嫉妬が嫌なんだってよ、芸能も容姿も嫉妬がすごいからって…。」
「ふーん…なんかよくわかんないけど大変なんだね、でも、まあ確かにメガネ、リリスと一緒にステージやってるし、ギャラリー巡ったりしてるからなあ…半分、部下って感じだしな…」
オフィーリアが真剣な表情で
「バッカス、お酒を注いでいただけます?」と言ってコップを差し出す。
「おう、どうした?」とバッカスは言われた通り酒を注ぎ入れ
「ちょっと今から、あまり周りに言いたくない話をいたしますの、よろしくって?」
「よろしくって言われても…なぁ。」とマーズちゃんが困った表情で私を見る。
「何?」と私
「もう1杯!」とオフィーリアは再び注いでもらったお酒を飲み干し
「ふー、みなさん、部下と寝たことありますの?」
「うん。」と私とマーズちゃん
「マジかよ!」とバッカス
「私も…ありませんわよ。」とフローラが身を乗り出す。
私はオフィーリアに
「藍白くん? っていうかそれっぽいの藍白くんしかいないし、私の部下の真似をしてまで強くなりたいって思うぐらいだからと思って。」
オフィーリアがホッとした表情で
「バッカスとフローラは、まだまだですわね。」
「あー確かにサイケのやつ、恋愛感情あるからなぁ」とバッカスは、両手を頭の上で組み、ゴロンと後ろに倒れて仰向けになる。
「私もいつかヒアキッソスと…ありえるかも…」とフローラもカバンを枕に、仰向けになってため息をつき空を見上げる。
「マーズちゃんは? 女の子ばかりなのに…」と私
「んーいろいろな…あるんだよ、男よりってのが…で、今みたいにこうやって女同士で話してたり一緒にゴロゴロしてたりするとつい変な気持ちになる、というか…お前は? 地獄の奴らに示しがつかないだろう?」
「うん、だから仲良くするのはいいけど、あまりイチャイチャするのはいけないし、落ちていくのは簡単で、だからそういうブレーキの効かないのが亡者達なんだけど、しかも、そういうやつに限って自分と同じような奴かどうかすぐ見抜くわけ、で、そいつらに見抜かれないようにしないといけないんだけど…そいつらは私や部下達を自分達と同じようにしたいと狙ってて…そのほうが私や部下達をコントロールできるから…で引きずり込まれたのがいる、で、そのままだと仕事にならないから、私が処理してあげたってところかな?」
「誰?」とオフィーリアが目をキラキラしてきいてくる。
「内緒、本人の名誉のために言わない。」
「えー!?」とオフィーリアは不満を口にし
「ソウイチロウさん?」とフローラ
「フローラ、ソウイチロウが好きなの?」
「話、そらさないでよ。」とフローラも不満を口にする。
バッカスが「メガネだろ、あいつひ弱なところあるから」
「言っとくけど、メガネは武器マニアだから。」
「例えば?」とマーズちゃん
「んーピストルからバズーカ砲やロケットランチャーまで、いろんな物が出せるよ。」
「へーうちの部下達に教えて欲しいなぁ。」とマーズちゃん
「そうだね、また機会があれば…。」
「あふぅ! 眠い…」
とオフィーリアが目をこすり横になると、またたくまに心地よい寝息をかき始めた。やがて、バッカスとフローラも寝たようだ。マーズちゃんも横になってウトウトし始めた。
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