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第12章、第二都市(中庭)ー1「ルナって、今晩あたり来ると思う?」
太字の()は、私(主人公)の気持ちや考えていることです。
()の中の文字は、作者による注釈です。
太字の「」は、大きな声や音です。
【】の中の文字は、亡くなった人 たちが発する声や音です。
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ルナの考え
校舎や寮では、ガヤガヤと片付けや掃除を再開している。
校長先生と市長さん、B地区の区長をしている赤い髪のおじさんは、大事な話があるようだと、一緒に話を聞いてくれている。
ルナの第1の部下、アーサーが立ち上がった。
アーサーは会議でよく見る金属の鎧を脱ぎ、黒のTシャツとズボンを着ている。その隣の3人の部下たちも、同じ様な服装でアーサーを見上げている。
私と女神たち、その部下たち、キングとクリスは、テーブルの前のキングが出してくれた豪華な食事に手を伸ばし、食べたり飲んだりしながらアーサーの方を見ている。
気分が悪くなったオフィーリア(前回参照)とナナ、ミミ、ヒマワリは、3階の奥の部屋で寝ている。
「えーと、まだ、はっきりしたことは私にもわかりませんが、私がルナ様からお聞きしたのは、今後のこと、もしくは、もし王宮や第三都市が機能しなかった場合のことを考えて、第二都市の様子を見てくるようにと、おっしゃられまして、いわゆる偵察みたいなものです。王宮を移すかどうかは王の判断に
よる、とのことでしたが・・・以上です。」
その間、キングは「うん、うん」とうなずき
「まあ、飲め飲め。」と勧め
アーサーは一礼し、椅子に座り食事に手を伸ばす。その部下たち3人も同じ様に食べ始めた。
「という訳じゃ、王宮を移すかどうかは、わしの判断による。よってわしが指示を出さねば、王宮がここに移ってくることは、まずなかろう。」と、キングは私たちに目を向ける。
マーズちゃんが
「へりくつこいてんじゃねえよ! 要は不穏な空気の原因がまだ、わかんねえからだろうが! ライガの蛹が、どの辺で見つかるかによって決まってくるんじゃねえのか?」
「パチパチパチ。」
赤い髪のおじさんが拍手をする。
全員が赤い髪のおじさんを方に目をやり、一方のおじさんは 「すみません。」と小さくなっている。
「お父さん! 何やってんの!」
渡り廊下の方から、上は赤、下は紺の袴姿の、ショートの黒髪の女生徒が慌てた感じで声をかけ、連れて行った。
「なんだ、あれ!」とアオバがつぶやく。
私は気にせず
「すみません、ルナの部下は今、第三都市に何人、残っているんですか?」
「3人です。ここにいる部下と同じ様に実力のある部下たちですから、能力の差については心配ありません。」
3人の部下たちも、うなずいている。
「他は・・あなたたちの様に、他の女神の部下で、こちらに来ている部下たちはいますか?」
藍白が手を上げ
「すみません、虹池で、トリトン様にお会いしたのですが・・・。」
「いない所を見ると、もう帰ったのであろう。」とキング
マーズちゃんが私に
「6人も女神が(第三都市に)残っているから、大丈夫じゃないのか?」
「それは、そうだけど・・・。」
「私たち以外に、来るというのは聞いていません。」とアーサー
「それで、これからどうするんですか? 私たちと一緒に学校に入学するとは考えられないんですけど・・・。」と私
「都市の人たちと一緒に、街の再建を手伝います。」とアーサー
「それは、ありがたい。」と市長さん
「キングも、しばらく居るの?」と私
「だから、最初っから、そう言っておるであろう。」
「聞いてねえよ!」とマーズちゃん
(私も聞いてない。・・・でも、これ以上、聞くのは無理だな。)
遺体の2人
私は、頭を切り替え
「アルテミス、写真、もういい?」
「いいわよ。」
アルテミスは、写真を差し出す。
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メガネの人がマリーさん、右の2人が、遺体で発見された2人です。
この"写真"について、もっと知りたい方は”写真”をクリック
(クリックすると、私のサイトに移動します。)
私は、そこに写っている遺体の2人を指差し、アルテミスに
「この2人、誰かわかった?」
「異星人じゃないわよ。マドンナに聞いて、って言ったら、わかるかしら?」
「あー了解。」
「孤児かよ?」とバッカス
母性の女神マドンナは、孤児院を設け、親のいない子供のお世話をしている。
いつもマドンナの周りにいる子供たちは孤児だ。
正直、私はマドンナが1番心配だ。私やマーズちゃんのように戦闘に特化した部下はいない。彼女の部下たち全員、子供たちの世話に従事し、逃げる時も小さい子供たちがたくさんいると不利だろう。今のところ、亡者たちが来ていないようなので、モモタ1人でなんとか成っているようだが・・・。
私は、1番端に座っているソウイチロウに
「この写真なんだけどね・・・」
その写真が副隊長、アオバ、ヨシツネの順に渡っていく。
「遺体の2人を、探して欲しいんだけど・・・」
隣のヨシツネが
「これな。」と言って2人の顔を指し示し
「これが、この寮の寮母で、これが居酒屋のケイトさん、でしたっけ、隊長。」
「うん、村の居酒屋の、たぶん居酒屋って1軒しかなかったと思うんだけど・・料理を作っていた人で」
横からフローラが
「オムライスが、とてもおいしいのよ。」
「酒もうまかったぜ。」とバッカス
「で、その2人と、その写真を撮った人をケイトさんにきいて欲しい。どんな会話をしていた、とか、わかること全部、でマドンナにもきいて、孤児みたいだから・・で、A地区の亡者たちが崖から落ちていたのがいたから、村の方に行ってるのがいたりしたら、地獄に送って。」
ソウイチロウは、しばらく考え込み
「わかりました。急ぎますか?」
「急がない、で、できたら第三都市や王宮の様子を報告してもらえたら・・・。」
「わかりました。」
ドアの金具(蝶番)について
私はアルテミスに
「ルナって、今晩あたり来ると思う?」
「そうね・・・・月が出たらね。」
部下であるアーサーと3人の部下たちが、うれしそうな表情になる。
「ホルスも来てるぜ、姿は見えないけど。」とマーズちゃん
「そうだね。・・・校長先生」
「はい。」
「後で、部屋の中を見て欲しいんだけど」
「わ、私でわかりますかね?」
「あードアの金具だろ、ドアがなくて、金具だけがついてんだよ。」とマーズちゃん
「あー蝶番ですか・・わかりました。あなたたちの部屋も、ベッドがないんですか?」
私と女神たちはうなずき
「白いペンキを塗った家具は、無事ですの。」とフローラ
「見た目で判断するんですか? そのライガというのは。」
私とアルテミスがうなずく。
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日記と遺体の回収
アルテミスが肘をつき、校長先生の目をじっと見て
「校長先生。」
「は、はい。」
「ゆうべ、寮母室にお泊まりになって、何かおわかりになりまして?」
ニコッと笑みを浮かべる。
「恐ろしい女たちじゃ。」と、キングがつぶやいている。
「は、はあ・・日記を見つけまして。」
「まあ、ぜひ読ませていただきたいわ。」
そう言って、もう一度、ニコッと微笑む。
渡り廊下には、いつのまにか銀河連合の人(昨日と同じ人)が立っていて
「わっ!」
校長先生と市長さんは、びっくりしている。
「校長! また、昨日と同じ銀河連合の船が!」
校舎から都市の人が走ってくる。
銀河連合の人が、校長先生の近くに来て
「ライガに殺された遺体は?」
「は、入って左手の3階の、突き当たって4番目の二人部屋です。」
銀河連合の人が後ろの銀色の服の人たち(30人ぐらい、昨日より多い)にうなずき、銀色の服の人たちは、駆け足で寮の中に入って行く。
「寮母の日記も提出してください。」
「あ、アルテミス様が」
「私はかまいませんわ。後で教えてもらいます。」
アルテミスが、にっこりと微笑む。
私はキングに
「ごちそうさま。」
と言って立ち上がり、ソウイチロウに
「面白い物って、どれ?」
ニヤリと笑みを浮かべてソウイチロウは立ち上がり、それを合図の様に、その場にいる全員が立ち上がった。
校長先生と市長さんは銀河連合の人たちと寮の方へ行き、私たちは校舎の方へと歩きだした。
次回
第13章ー第二都市(学校)
1、(うわーシンクロしちゃった・・・・。)
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