二次元妄想設定「歴史」と「神」

日本は「現存する世界最古の王朝」を有する、
世界で一番古い国の一つ(諸説あるからね)であるわけだが、
どう少なく見積もっても1000年以上続いている国であるわけだ。

じゃあ架空の国の歴史の長さはどれくらいあっていいのだろうか?

現在の地球を基準にすると、
100年も続いていれば十分すぎるほど「長寿国家」相当だといえる。
200年前は存在しなかった国なんて山ほどある。

およそ1000年ぶんの日本史でさえ満点を取れる人は殆どいない、
そう考えると歴史が長くなるほどに嫌でも生じる、
全貌を把握できている奴が誰もいなくなる、という問題がある。

2000年も続いた国が現代と同じ水準で記録を残せば、
もはや総集編レベルまでざっくりと割愛したところで、
記憶しきれる人間なんか誰もいないだろう。

すなわち架空の歴史を長く設定するということは、
長さに応じた面倒が加速的に増えるということを意味する。

数百年前のシェイクスピアの用いていた頃と今とでは、
もちろん英文法が別物になっているが、
しかしシェイクスピアの用いていた英語の大半は今でも通じる。

言葉だって生きているのだから、
2000年続いた国の歴史の言葉がどう変貌したのか、
あるいはなぜ変貌しなかったのか、という設定も必要になってくる。

言葉が変われば記録を読み解く能力が問われるようになるから、
古代文字がどうたらこうたらと言い張るのも容易になる。
ではなぜその人が古代文字を読めるのか、となるが・・・


そこで便利な存在が神、いわゆるgodである。

とはいえキリスト教的なgodではなく、
どちらかといえば八百万な神のほうが都合がいいだろう。

神が定めたる文字だから、
文字そのものに力が宿っているからと言い張れば、
そんな理由でもって言語の変貌を頑として否定することができる。

ルーン文字なんて正味のところ江戸幕府と同じくらいの時間を経たら、
事実上消滅してしまったわけだが、
数百年で消えたものを1000年経った今見たものが、アレだ。

変貌しない言語はない。だから言い訳をする。

だからできるだけシンプルにしたほうがいい。
いいんだけど、ここで選択肢が生じる。

「神が与えたものだから多少複雑でも厳正に継承されてきた」

「ひとつの文字に多種多様な意味が込められていた」

「文字と声の両方が常に必要だった」

アイヌ語もそうだが、文字を持たない言語は存在する。
そもそも文字を作る労力、共有する労力を思えば、
エスペラントという欠陥品はお察しである。

そこで、ひとつの文字にたくさんの意味を持たせる。

「海」という文字に対してseaだけではなく、
largeだのwideだのsaltyだのdeepだのcoldだのblueだの、
海に関連しそうな意味を全部ブチ込むわけだ。

で、助詞や助動詞のようなものはない。
てにをはも接続詞もない。
それだと、文字を見ただけでは何のことだかわからない。

だから必ず口伝が存在し、
文字が意味するものを正確に語り継ぐことを責務とした一族が、
王族と同じかそれ以上に大切に保護されてきた

・・・という設定にしてみてもいいだろう。

んで、口伝の正確さを示すための記録用文字が別途存在し、
そちらのほうが一般的な言語として普及しているから、
記録用文字を読める人間どころか触れる人間自体が少ない、と。

そしたら今度は、
神が定めたる「記録用ではないほうの文字」にだけ、
不思議な力が宿っていると言い張ることもできる。

王族はその不思議な力を持つ文字を継承・保護し、
その権能でもって国を導いてきた、としてもいい。
その場合は読める一族と使う一族を別にするのがキモだな。

読める奴を蔑ろにすれば使えなくなるし、
使う奴を別途用意しないと読める奴が真っ先に恨まれるしで、
王族と伝承族(仮称)は相互監視・共依存状態にあった、と。



で、そのような、
神の文字と人間の言葉が分離した国の歴史が、
神の文字では7000年、人間の言葉では2500年ある、と仮定する。

人間の言葉には原型なんて殆どなくなってるほうがリアルだね。
でも一つか二つだけは正確に継承されていて、
その神秘の効果だけは現存している、としてもいい。

一番わかりやすいのは水と火だろうね。
どちらも生活に欠かせないから。

んでエルフ相当の少数民族には植物の文字が、
ドワーフ相当の少数民族には金属の文字が、
それぞれ現存しているとすれば話が楽になる。

神の7000年を知り語り継ぐ一族は、
もはや1人で覚えきれるものではないから、
必ず20人以上の子をなす責務を負っている、としてもいいね。

10人で700年を分担して覚えて、もう1人がスペア。
3世代がいるから合計6人で700年ずつ覚え合う。
そうするとキーマンにできそうな枠が60人ぶんできる。

人間の言葉の2500年は、
およそ20人ぶん、一番若い世代が記録するものでしかないから



・・・・・文字で書くのってやっぱ面倒臭いねw

まあついでにいうと、
神そのものが現存しているって設定にしたほうが、
もっとシンプルでいいかもしらんけど。

神は思ってるほど万能でも超越的でもないが、
不老不死であり、人格に異常をきたすこともないが、
人間と似た感情を持っていないわけでもない、と。

その神は歴史の記録者として存在するから、
人間たちが政治家や王でも決断できない問題が生じたときは、
必ず判断を仰ぐようにしている、でもいい。

定期的に神の言うことを信用しない輩が好き勝手やるけど、
必ず忠告を無視したツケとして失敗するから、
そのたびに神の存在と有難味が誰にでも再確認できる。

だから自然と神を敬うし、互いに争う必要もなくなる。
王や政治家の暴走は神が食い止められるし、
神を無視する指導者は民意によって殺される。

あとはその神が、
どれだけ政治と歴史に口出しするか、になる。

Q:それって火の鳥と何が違うの?
A:あいつ結構俗物だしよく死んでる雑魚じゃん。

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