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あることをしていたら、父に「レズビアンだと思ってた」と言われた話
彼氏の存在がバレた
オランダの大学に所属している時の夏休み、一時帰国をした時の話。車の中で、父に「彼氏いるでしょ?」と言われた。ついにバレたんだな、知られたくなかったのに。でもどうやってバレたんだろう...?質問が次から次に頭の中に浮かんできた。
わざと物を雑に扱う
どうやら、密かに私のことをずっとレズビアンやバイセクシャルなど、セクシャルマイノリティーに属すると思っていたらしい。なぜそう思っていたかというと、「典型的な日本女子のかわいい雰囲気を醸し出さないから」「男の話をしないから」とのこと。今振り返ってみると、確かにそうだなと感じる。家族の前では女らしさを出さないように意識していた。例えば、家族の前では、大好きなミニのタイトスカートを履かない。体の線が見えるぴったりとした服を着ない。男性の話をしない。脚を広げて椅子に座る。物を雑に扱う。本当はミニスカートやピンク色も好きなのに、全部隠していた。髪型は変えるのが難しいので、ロングヘアーにしているが、それ以外は自分の女らしさを家族から隠して生きていたと思う。友人、学校や職場の仲間は私がフェミニンな物が好きだということを知っていると思うし、私の素のファッションセンスも知っていると思う。赤いパンプスや、紫のバルーンスカート、くちびる柄の小物を見ると、私らしいねと言ってくれる友人も多い。しかし、家族の前では隠しきっていた。
なぜ女らしさを隠してしまうのか
「女らしさとは何か」という議論をここで始めてしまうと、収集がつかなくなってしまうので、それはまた別の機会に。私がここで言う「女らしさ」とは社会で一般的に言われているスカートやピンク色、長い髪、異性愛性などのことを指す。勿論私は、本当に「スカートを履かないなら女じゃない」とか「髪が短いなんて女性性にかける」、「男性と恋愛しないなんて女としてどうかしてる」なんて全く思っていない。むしろ反対である。大反対。ここからは、社会で女性が求められている「女性性」を批判し、同時に私の経験や思いを明らかにしていこうと思う。
家族に女だと思われたくない
「家族に女だと思われたくない」。ここでいう「女」とは、「世間でいう女性らしさ」のこと。つまり典型的な「女」だと思われたくないし、「女」として意識されたくない。スカートが好きだと思われたくない。男性と恋愛するとも思われたくない。買い物が好きだと思われたくない。子どものころの将来の夢がケーキ屋さんだったと思われたくない。
なぜ思われたくないのか?よく考えてみると、社会の影響が原因なのではないかと感じている。
女は社会からじわじわと馬鹿にされている
「とりあえずタピオカ飲めたらそれでいい」「政治?知らない」「機能よりかわいさ重視でしょ」「また服買っちゃった」「難しい話ワカンナイ」「将来は専業主婦になって、旦那さんに稼いできてもらいたい」「大事な話なんですけど、旦那さんは今どちらに?」「女はちょっとバカなくらいが可愛い」「女なのに東大?!」「リケジョ」...
日本で育ったなら、聞き覚えがある言葉ばかりでしょう。女性は昔から、社会から馬鹿にされているなあと感じる。私が女性性を隠していたのは、「私はバカじゃないから」「私は典型的な女じゃないから」という無意識の反発だったのかもしれない。
女らしい私も、ピンクが好きな私も、私は私。
ファッションデザイナーになりたいくらいファッションが大好きなので、よくファッションについて考える。ファッションや美的センスに関しては、私は他の一般的な女性よりもフェミニンな要素が多いと感じる(日本でも他国でも)。よく身に着ける色はピンク、紫、黒だし、ズボンはほとんど履かない。黒のタイトスカートが、最も自信が持てるファッションアイテムであるし、きらきら輝くアクセサリーも好き。何時間していても苦にならないくらいショッピングも大好き。勿論、私が持つフェミニンな要素も社会から影響を受けていると思う。みんながメディアを消費し、他人と接し、社会の中で生きているわけであるので、社会からの影響を避け、独自の思想だけで自分のセンスを固めるのは不可能だと思う。しかし、そんな中で「どんなものが好きでも、私は私」と全員が言える世の中が理想だと思う。「女らしさ」や「女性性」がネガティブなものと繋げられ、それを隠して生きていく私のような人が少しでも減るといいなと願っている。
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Don't let society judge you.
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