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本当に傷ついた時に気づいたこと・その2

前回、30年近く好きだったアーティストの突然の訃報に接し、悲しかった時に、「悪意なき凶器」を突き付けられたように感じてしまったできごとがあったというところまでを書かせていただいた。

今回は、そのできごとの内容を書いてみる。


ココロが傷ついたできごと

始めに言っておくけれど、これはあくまで私自身の心が弱くて勝手にそう感じてしまっただけで、相手には悪気はなかったはずだし、むしろ私のために「軌道修正」してくれるつもりだったに違いないので、そこだけはご理解いただきたい。

ただ、私に沸き上がった感情があったことは事実なので、ここは「事実は事実として」淡々と書かせていただく。

前向きになるため取り組んでいたこと

今回、大好きなアーティストが亡くなったことが思いのほかつらかったので、尊敬する占い師の先生、かげした真由子さんの「命日占い」を読み直してみた。

細かいことは省くが、私が牡牛座で、彼の命日が天秤座の時期だったので、命日占いでいう「関係性」は「パズル」だった。

「パズル」は一見何の関係もないかのような二人が、実は深いところでつながっていて、そこにある共通の願いや目的の「ピース」を探すパズルのような関係性とのことだった。

それがわかった段階で、彼のCDに入っていたブックレットに寄せられた本人のコメントをみつけたので、読んでみた。

そこには、「過去でも未来でもなく、今この瞬間こそが生きていることそのものであり、今伝えるべきことを先延ばしにしないで正直に伝えることが大切」というようなことが書かれていた。

そして、彼は「音楽を通してマゴコロを伝えたい」、と綴っていた。

私は彼の「今伝えるべきことを先延ばしにしないで正直に伝える」というところに大いに共感した。

そして、「セラピストとして私にできることを精一杯して、ご相談者さん一人一人のペースに合わせて、適切な時期に適切な言葉を投げかけて差し上げる」という使命に気づいた・・・

それで、今後の仕事のあり方について見直してみようと思った。

どんなに優秀な心理ツールも・・・

さて、先日、私が現在提供中のメニューの中で使っている心理ツールに関して事務的な連絡をしたくて、担当者とSNSでやり取りをした。

その中で、上のできごとについて(全部ではないが)書いて送信した。

その時の返信には、
「もしかして、変な罠にかかったりしていない?〇〇さん(アーティストの名前)のことは、きっと好きだったし応援もしていたと思うけど、少し違和感を感じたので、お伝えすべきことかと」
と書かれていた。

さらに、
「例えば、『〇〇さんの死に必要以上に心がざわつかされる、自覚のない囚われを解除して手放す』こんなタイトルで一枚、アートを描いてみるのはどうですか?」
と続けられていた。

争いごとが嫌いで、波風を立てたくなかった私は、その場では「そうですね。〇〇さんのことは、それはそれ、ということで、変に結び付けないようにします」と返信するのがやっとだった。

・・・正直、「誰にも入ってほしくない聖域に、土足で踏み込まれたような」感覚を覚えた。
よくあるドラマだったら、「あなたに何がわかるんですか!?」と聞く、あの感じかもしれない。

どんな優秀な心理セラピーツールも、本当に傷ついた時には無力だ。

だって、本当に傷ついた時には、セラピーを受ける気にもなれない、アートセラピーを描く気にもなれないのだ。
そしてその傷は、誰でもない、自分自身で癒していくしかない。

ただ、一つだけ言えることは、誰でも必ず、その人それぞれのタイミングで、自分自身で傷を癒やしていく「きっかけ」みたいなものをつかめるということ。
そうしてきっかけをつかみ始めることができた時、その時に初めて心理セラピーが役に立つのだ。

だから、焦ってはいけない。
焦らせてもいけない。

今回のことで得た、私なりの「気づき」

先ほどの担当者に悪気はないことはわかっている。

その心理ツールを心から信頼しているのも解る。
そんな彼女だからこそ、きっとこの心理ツールがあれば立ち直れると信じてアドバイスをくれたのだと思う。

ただ、私はそんな器用じゃない。
自分の気持ちに嘘をついて、元気なふりなどできない。

だけど、一つぐらい、そういう不器用なところがあってもいいのではないかと開き直ってみる。

そして、むしろそういう不器用で人間臭い(かどうかはわからないが)ところがあるセラピストの方が、意外に寄り添えることもあるんじゃないかと気づいた。

いいじゃないか。悲しいものは悲しい。
今48歳の私は、人生の半分以上、彼の歌を愛し続けて生きて来たのだ。

この思いは、誰にも汚されたくない。
今は・・・今だけは、それでいいんだ。

偶然のミラクル

実は、夫婦で運動のために歩いていた日、少し雨に降られた。

短い時間の雨のあと、田んぼが見渡せる広い場所に出た時のこと。
夫の「虹!!」という声に、振り返って空を見上げた。

見事な虹のアーチ。よく見ると上にもう1本ある。

虹というのは、実は意外に見る機会に恵まれない。
しかも、こんな見事な、それも、二重のアーチ。

人生で初めてかもしれない。こんな美しい虹。
全くのこじつけだが、彼からのメッセージだと思うことにした。
いや、もう、そうとしか思えない。

「大丈夫。これからは、いつでも見守っているよ。だからもう笑顔を見せて。」

これが私の、「傷を癒やしていくきっかけ」になりそうだ。

そう。
ゆっくりでいい。

こんな感じで、私は「一緒に前を向いて歩くためのきっかけ探しをすること」しかできないかもしれない不器用なセラピストだけど・・・

その分、気軽に声をかけていただけたらありがたい。


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