梅雨のマシュマロ作文「レインコート」
今日もいつも通り門の前に立ち、同じ番の門番殿と話をしていると遠目に少女が見えた。正装でなく薄く透明な羽衣を身に纏う彼女の名は【根暗いあ】。我々門番の主である。
いあ様はぴょんぴょんと跳ねながら透明な羽衣を踊らせ、気づけば我々のそばまで来ていた。
「もんばんさんおは薔薇!今日も見張りありがとうね!」
お礼を言われ、いや~へへへとばかりに頭を兜越し(かぶとごし)に掻いていると、見て~と一回転してみせる。
「これね、レインコートっていうの!知ってる?雨とかはじいてくれるんだって!…まぁ暗黒に雨降らないけどね…」
いあ様はかわいらしい笑顔を見せたかと思うといきなりスンっと自虐するような暗い顔になり、フフフ…と嗤っている。
我々は「めっちゃ可愛いですよ!」「天使かと思いました!」「雨降らないと来ちゃいけないわけじゃないですし!」と励まし「見せてくれてありがとうございます!」と元気づける。
「そう…えへへ、ありがと、門番さんたち」
「いつか、みんなで見たいね!じゃ、お仕事の邪魔しちゃ悪いしもう行くね!」
手を振りながらパタパタと走り去る彼女が見えなくなるまで手を振り返しながら見送り、門番同志向かい合う。
「「かわいすぎだろぉぉぉ…」」
同時に溜息を吐くようにその言葉を漏らし、握手し、緩んだ頬を引き締めて我々は門番としての業務に戻る。
外界の季節はもう…梅雨なのである。
~夏編に続く
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出演:根暗いあ(https://x.com/nekuraia?s=21&t=UIIvmZHVb_nABEITMiV47g)
脚本:丹伊都ひより
紹介された配信:【NGなし!?】月に一度のマシュマロ読み【#暗黒LIVE 】1:00:40〜
こちらより根暗いあちゃんの読み上げ(シチュエーションボイス風)が聴けます。良かったら作業しながらでも配信をフルで見てくれると嬉しいです。
シチュボ、直球な愛、ネタ、おじさん構文などさまざまなマシュマロが味わえますよ!
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