#22 新潟大学手話サークルLESMAINS インタビュー
NPO法人にいまーるは、
• 聴こえる⼈と聴こえない⼈がお互いに⾼め合える場を作る
• 社会的少数派(マイノリティ)の⽣きづらさを解消する
• 聴覚障害者の社会資源を拡充する(ゆりかごから墓場まで)
を理念に、聴覚障害を持つ人の就労支援や生活支援,社会参加の支援,居場所づくりなどを行う団体であり、ろう者と聴者が一緒に働く職場です。
そして、にいまーるの立ち上げから現在の運営に至るまで、切っても切れない関係なのが、新潟大学手話サークルLESMAINS。現在ボランティアとして通ってくださる学生さんや、アルバイトとして働いている学生さんが数多く在籍しています。
今回は現在サークル運営を担当されているお二人にお話を聞いてみました。
ー 自己紹介をお願いします。
阿部:新潟大学経済科学部2年の阿部千夏です。(写真左,会計担当)
片貝:新潟大学人文学部の片貝陽花です。(写真右,サークル長)
ー お二人は現在手話サークルの運営の立場ということで、色々とお話を伺っていきたいと思います。
阿部・片貝:よろしくお願いします。
ー 新潟大学手話サークルLESMAINSは日頃どのような活動をされているんですか?
片貝:活動は基本的に週2回、月曜日と水曜日に行なっていて、月曜日は学生だけで集まって、手話の単語を学んだり、手話がわからなくてもどうにか意思疎通するためのジェスチャーや表情で伝えるゲームなどをしています。最近はインディアンポーカーのような創作ゲームを遊んでいますが、部員からは「仲良くなれた」と好評です。
阿部:水曜日はオンラインでにいまーるさんにご指導いただいています。
— コロナ禍ですが、活動はできているんですか?
阿部:月曜日は対面で毎週やっています。
片貝:マスクをしたり、大声を出さないなど気をつけてなんとか活動はできています。
— 何を考えて運営していますか?(目標とか)
阿部:初めにサークルの運営メンバーになった時は、「1年生に楽しんでもらう」というのが1つの目標でした。
片貝:私たちの代でサークルが13年目で、大学公認サークルっていう立場なんですけど、それは今までの先輩方がずっと続けてきてくれたものなので、私たちもサークルを続けていくということを考えています。
そうすると、やっぱり下の学年に楽しんでもらえないと先には続かないので、私たちの代では1年生に楽しんでもらおう、ということになりました。
— お二人はどうして手話サークルに入ったんですか?
阿部:漫画の中に手話が出てきて興味を持ちました。たまたま新潟大学に手話サークルがあるのを知って入りました。
片貝:私は中学の時、部活の中に両親がろう者という子がいました。
部活の大会の送り迎えやご飯行ったりしている時に会うことがあって、その親子が手話で会話しているのを見たり、話している内容を教えてくれたりする中で手話を学びたいと思ったのがきっかけです。大学に入ってサークルを見つけて、やってみようと思いました。
— じゃあお二人は大学の手話サークルに入る前から、手話を見たことがあったり予備知識はあったんですね。学び始めてからギャップとかはありましたか?
阿部:漫画の中だとものすごいスピードで手話を覚えていくんですけど、実際は手話をそんなにすぐには使えるようにならなかったです(笑)
片貝:最近はろうの方と交流させていただく中で、手話っていうのがもっと日本語と対応しているものだと思ってたというか、文字とか文章が伝わらない場合が多くあって、難しさを感じています。
— 今のに付随して、阿部さんはにいまーるに来て、実際にろう・難聴者と交流してみてコミュニケーションの問題や想像してたものと違ったとか、何か感じたことはありますか?
阿部:そうですね、サークルの活動だけだと聴こえる人ばかりの中で、日本語から手話の単語を当てはめるような感じになってしまうので、実際にろうの方と会話ってなっちゃうと伝わらないこともあったり、どういう順番で組み立てていけばいいのかわからないことが出てきます。
あとは、サークルだと自分が手を動かして手話を表現する方の練習が多かったので、読み取る練習ができていないなあと感じました。
— 手話の勉強を始めて、またろう者と関わるようになって、「自分が変わった」って感じることはありますか?
阿部:LINEで絵文字をすごく使うようになりました(笑)
普通に話してる時も声の質とか表情とか、話してる内容以外の部分で伝えようとしてたんだなってところに気づきました。
片貝:色々な立場の方がいるんだなって感じています。
中学の時の経験もあって、耳が聴こえない人との関わりはありましたけど、それ以外の立場も世の中にはたくさんいるんだなって意識するようになりました。
— ちょうど新入生の募集の時期だと思うので、最後に読んでくれている方に一言お願いします。
片貝:せっかく大学生の間時間があるし、新しいことを始めたいって人もいると思いますけど、「相手の言っていることがわかった」とか「自分の伝えたいことが伝えられた」とか、その感覚がすごく楽しいので、一緒に楽しく学びましょう。
阿部:手話っていう言語をただ学ぶだけじゃなくて、そこから広がるコミュニティがあって楽しいです。
聴こえる人でも手話を学ぶことで、感情をうまく表現できるようになったり、色んな考え方が手に入ります。
堅くない雰囲気のサークルなのでぜひ来てください(笑)
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新潟大学手話サークルLESMAINS
Twitter:@lesmains_n
取材・編集:吉井大基
Twitter:@dyoshy_
Facebook:@daikiyoshii4321
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