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#82 ろう者が障害福祉サービスを利用するまでの経緯

当法人は、障害福祉サービスのうち、「就労継続支援B型」と「共同生活援助」を運営しています。
ろう者から多く寄せられる相談の一つに「手話で話せる施設に通いたいけど、どうやって利用できるのか?」というものがあります。

利用までの流れはこちらの資料がわかりやすいです。
障害者総合支援法のサービス利用説明パンフレット(2021年4月版)https://www.shakyo.or.jp/download/shougai_pamph/date.pdf

就労継続支援B型を利用されている方々はさまざまな事情がありますが、次のような理由で当施設に通っています。
・手話が通じる場所で働きたい
・求職活動の合間に安心して作業したい
・外部機関から送られてくる、日本語で書かれている資料の読み方がわからないので手話で相談したい

法律上、施設を見学してそのまま利用ということは認められないので、①市町村の障害福祉課に相談、②相談支援事業所の専門相談に相談、この二つの段階を踏む必要があります。
いずれの段階でもコミュニケーションの課題がありますので、手話通訳派遣制度の活用をおすすめしています。

当施設を利用した方が、他のろう者に「わからないことを恥ずかしいと思わずに、手話で気軽に相談できるよ」と話し、それを聞いたろう者が「私も通ってみたい」と希望されたことがあります。このように、手話がわからない聴者とのコミュニケーションにおける心理的ハードルが取り除かれることで、社会資源を活用する選択肢が生まれます。
そのため、心理的に安全な環境を保障する方法として、手話通訳派遣制度をおすすめしています(通訳の技量はともかく)。

①と②を含めて、冒頭で紹介した資料の12ページと13ページの流れを経て、施設の職員(管理者・サービス管理責任者)と顔を合わせて契約を行い、利用開始となります。

自立した生活を送るために、自分のことは自分一人でやる人もいますが、身体的・精神的に難しい方もいます。
そういう方々にとって、「できること」と「できないこと」を言語化し、周りにあるものを上手に頼りながら社会生活を送れるようにすることが、障害福祉サービス事業を行う私たちの役割です。

もしご関心のある方がいましたらぜひお問合せください。



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文:臼井千恵
Twitter:@chie_fukurou

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