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#71 4つの言語が飛び交う結婚式に参加して気付いたこと(前編)
今回は、スタッフの小野塚さんへのインタビュー記事です。
小野塚さんは、お隣の韓国で貴重な経験をしてきたそうです。
その経験について、お話を伺いましたので、皆さんにも共有します。
前編と後編の2本立てとなります。今回は前編です。
ーどのような経緯で韓国へ行き、何をしたかを大まかに伺いたいです。
今回は釜山(プサン)に3泊4日で行ってきました。目的は、韓国人のろうの友達、シヒョンの結婚式に出席するためです。私より15歳年下のシヒョンから「언니(オンニ)、結婚式に来てほしい」と連絡をもらいました。
シヒョンとは10年以上の付き合いです。日本が大好きな彼女は、コロナ禍前までは、毎年来日して必ず我が家に数日間滞在していました。子供たちも含め「日本の家族」と呼んでくれるほどの仲なので、今回は娘と息子と一緒に出席しました(夫は都合が合わず不参加)。
私は、ブライダルの仕事を25年以上続けていることもあって、海外の結婚式には興味があったので、出席できることがとても楽しみでした。
ー 韓国に行くことは以前からありましたか。
はい。最初は韓国ドラマにはまり、韓国語を習い始め韓国の文化に触れることで韓国という国が大好きになっていきました。今回で韓国旅行は6回目でした。友人と一緒に、または娘と一緒、一人でも行ったこともありますが、韓国に行った時には必ずシヒョンと会っています。彼女の家にも2回ほど泊めてもらったことがあります。
ー シヒョンさんと知り合ったきっかけはなんですか。
ややこしいですけど、知り合いの知り合いの知り合いがシヒョンでした。
手話と韓国語を勉強し始めたばかりの頃に臼井さんと知り合いました。韓国旅行に行った話を臼井さんにしたところ、韓国に留学経験のあるろう者(日本人)を紹介してくださいました。その方と会った時に一緒にいたのがシヒョンでした。
ちょっとおしゃべりをしたらシヒョンが私に興味を持ってくれて、その後、メールのやり取りが始まり親しくなっていきました。メールはすべて韓国語で。当時は翻訳アプリなどが無かったので辞書を引きながら時間をかけて苦心してメール文を作っていました。
ー シヒョンさんと話す時はどのような方法をとっていますか。また、交流を始めたばかりの頃は苦労しなかったですか?
シヒョンは日本語が少しわかるし、日本手話もわかるほうです。私も韓国語を習っていたので、お互いに日本語・韓国語・日本手話・韓国手話の4つを混ぜこぜに使って話しています。
でも、知り合ったばかりの頃は、私は韓国語を習い始めたばかりで韓国語レベルはずっと低かったですね。彼女の日本語や日本の手話のレベルも同様に高くなかったです。そのため筆談もしていました。書かれた韓国語は全部理解できるわけではないので、当時の私は電子辞書を使って理解していました。
付き合いが長くなるとお互いの言語理解のレベルも上がっていったので、お互いに成長できたのかな?と思います。
ー日本語・日本手話・韓国語・韓国手話の 4つのうち、どれが最も使用頻度が高かったですか。
シヒョンはろう者なので、基本的には手話で。私は日本手話を多く使い、口型はできる限り韓国語で。彼女は韓国手話と韓国語を使って、私が読み取れない時は日本手話や日本語を混ぜて表現してくれました。日本手話と韓国手話はよく似ているというのもあって、コミュニケーションの困難はあまりありません。
ー 複数の言語が混ざったコミュニケーションは難しそうです。
以前からこの方法をとっているので、言語の違いはあまり意識していないです。
シヒョンも4つを上手に使い分けているので、日本手話と韓国手話を切り替えながら話していても違和感なくわかります。それに彼女は声が出るから、韓国語か日本語かもわかります。
私も、手話がわからない時は韓国語で、韓国語がわからない時は手話で表します。複数の言語が混ざることで、便利な面もあります(笑)
4つの言語をうまく組み合わせることで、「通じる」に繋がっています。
→後編へ続く
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インタビュアー:米本 江里
編集:横田 大輔(X:@dyokota_)