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【記者コラム】怒りのアントレプレナー
今週、新潟大学のとある授業を取材した。アントレプレナーシップ関連の授業で、その日は県内ベンチャーの社長を招いての講義だった。ゲストは、マイクロブルワリー・沼垂ビールの高野善松社長。現在、レトロなまちとして人気が再燃した沼垂の、立役者の一人でもある。
高野社長は講義の中で「起業を決めたときの想いや動機、その時の不条理や悔しさ、問題意識がベンチャーを立ち上げるエネルギーとなる。実は、それが一番大事」だと熱弁した。こうした話を改めて聞き、思ったことがある。
起業を志す学生に話を聞く機会が取材や仕事の時以外にも、これまで何度かあった。その時「具体的にやることは決まっていないが、起業したい」「なんでも良いから起業してみたい」というワードが出てくることがよくある。私は、それは目的と手段が逆転しているのでは? と心の片隅で引っかかっていたが、もしかしたら違ったのかもしれない。
彼らには、具体的でなくとも漠然と社会への不信や問題意識があって、それが上手く言語化できなかった、あるいはそうした反骨的な印象を抱かれたくなかったのかもしれない。もしそうであるのなら、もう少し別の方法で話を深堀りしていれば、と後悔した。
なお、話題に挙げた授業の記事は来週にいがた経済新聞に掲載する予定である。乞うご期待。
(編集部・鈴木琢真)
にいがた経済新聞 2024年7月7日 掲載
【にいがた経済新聞】