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【記者コラム】もう1年前の話
年頭のコラムに何を書こうかと迷った。思いついたのが、2024年の年頭にネットに取り上げられていた「知っておきたい2024年ビジネストレンドワード」的なものを振り返ろうという内容だ。
さて、ちょうど1年前はどんな言葉がトレンドワードに挙げられていたのか。「2024年問題」「オーバーツーリズム」「インクルーシブ」「生成AI」「サステナビリティ変革」「リスキリング」「データドリブン」・・・
2024年問題については、物流業界の人手不足はもう何年も前から恒常的になっており、企業側もそうした危機感は相当なもので、ドライバーの給与水準についてはかなり向上した印象がある。ただそれを差し引いても、圧倒的にこの業界への志望者は乏しく、すでに「2024年」問題ではないのが現状だ。
インクルーシブなど、確かに普通に使われていた気もするが、あまりに普通過ぎてトレンドワードという印象がない。リスキリングやデータドリブンなどは「日本でわざわざその言い方にしなくても」という感じで、今使っている人がいたら、裏でクスクス笑われてそうだ。サステナビリティ変革なども、今更な感じが強い。この中で実際にトレンドワードっぽかったのはオーバーツーリズムくらいのものだろうか。
総じて感じるのは、世間の動きは早いなというところ。これらが本当に2024年の年頭に挙がってた言葉かなと疑ったほど、鮮度を失っているからだ。
では2025年はどんなトレンドワードが注目されるか。ひとつ浮上しそうだなと思うのは「かかわりしろ」という言葉。何年か前に流行りかけた今更な言葉だが、まだそこまで定着していない気がする。一方で、この「かかわりしろ」を大いに活用して関係人口を伸ばしている地域がここ2~3年でかなり増えたように感じる。適度にクローズなコミュニティというのが居心地良いのも多くの人が感じていると思う。2025年はこのワードが再び浮上するのではないかと記者は勝手に期待している。
伊藤直樹
にいがた経済新聞 2025年1月5日 掲載
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