マガジンのカバー画像

にいがた経済新聞 編集後記・記者コラム

60
にいがた経済新聞に掲載した編集後記やコラム記事です。
運営しているクリエイター

2025年2月の記事一覧

【記者コラム】フジテレビ問題が対岸の火事ではない理由

この冬一番の強い寒気で新潟が記録的な大雪、石破茂首相と米国トランプ大統領が初会談、そのトランプは米国がパレスチナ自治区ガザを所有する構想をぶち上げ・・・ ここ数日、注目度の高いニュースが続いたのだが、やはり2025年上半期で「フジテレビ問題」を超えるトピックは、現段階でないと言えるだろう。 フジテレビの幹部社員がタレントに、自社の女性社員を「上納」したのでは、という疑惑について、異例の10時間を超える記者会見。その後にこの事件をスクープした週刊文春が訂正記事。「トラブル発

【記者コラム】インバウンドとアウトバウンド

新潟県妙高エリアで目下の話題は、なんといってもシンガポールの不動産投資ファンド「ペイシャンス・キャピタル・グループ」の大規模開発だ。このグループはこれまでに、斑尾高原スキー場や妙高杉ノ原スキー場、斑尾高原のホテル、野尻湖畔のホテル跡地も取得しているという。これまで取得した土地は約350haになり、投資額は最大700億円規模の見込みだという。 上記の大規模開発はもちろんのこと、目下のウインターシーズンには妙高市のロッテアライリゾートや妙高市の赤倉温泉にも多くのインバウンドが訪

【記者コラム】もう1年前の話

年頭のコラムに何を書こうかと迷った。思いついたのが、2024年の年頭にネットに取り上げられていた「知っておきたい2024年ビジネストレンドワード」的なものを振り返ろうという内容だ。 さて、ちょうど1年前はどんな言葉がトレンドワードに挙げられていたのか。「2024年問題」「オーバーツーリズム」「インクルーシブ」「生成AI」「サステナビリティ変革」「リスキリング」「データドリブン」・・・ 2024年問題については、物流業界の人手不足はもう何年も前から恒常的になっており、企業側

【記者コラム】「架け橋」

上越教育大学(新潟県上越市)に2022年から外国人研究者として在籍していた重慶外国語学院教授の高鵬飛(ガオ・ポンフェ)さんが今月12月7日に中国に帰国した。 新潟県柏崎市の文芸同人誌「北方文学(ほっぽうぶんがく)」の旧知の柴野毅実編集長から私に紹介メールが届いたことがきっかけで、弊社にいがた経済新聞サイトに高さんの日本語による小川未明の文芸評論を今年5月に計6回に渡り掲載した。 高さんは中国の大学で日本語を専攻、卒業後は中国で日本の近代文学を教えるハルビン理工大学の教授を

【記者コラム】新潟フードテックタウン構想に胸躍る

久々に、新潟の経済界に胸躍るニュースだと思う。 食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社(東京都品川区)と、新潟を中心に教育事業と医療・福祉・介護事業を中核に幅広い事業を展開するNSGグループ(新潟県新潟市)が、食文化や食産業が豊かな都市”新潟”が、世界有数のフードテックタウンとなり、フード領域のスタートアップが次々に創出する環境の実現を目指し、2025年以降にコンソーシアムやVC(ベンチャーキャピタル)を設立することになった。 オイシック

【記者コラム】3カ月前のSNSを見てみた

何を話題にしようかと思ったが、やはり斎藤元彦氏が再選を果たした兵庫県の出直し知事選に触れずにはおけまい。 詳細については割愛するが、流れは多くの読者がご存じだろう。ふたを開けたらほぼゼロ打ち(開票率0%で当確)の10万票差をつけて斎藤氏が圧勝。新潟にいて、この間に兵庫県で何が起こっていたのかは肌感覚ではわからないが、県議会全会一致で不信任とされ失職した知事が圧勝で再選を果たす状況というのは、やはり既存の選挙に対する考え方では割り出せなかった。 ワイドショーの司会者は結果を