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にいがた経済新聞 編集後記・記者コラム

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にいがた経済新聞に掲載した編集後記やコラム記事です。
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2024年6月の記事一覧

【記者コラム】新潟の「サマーストック」は?

「今年の夏は暑くなりそうですね・・・」、取材先でこのような会話が増えている。 気象庁が発表した6月から8月までの3か月予報によると、高温傾向が続き、全国的に気温が高くなる見込みだ。地球温暖化やエルニーニョ現象の影響で、地球全体の気温も引き続き高いと見られている。 「暑い夏」は良いのか、悪いのか。経済、災害、社会活動などさまざまな側面があるため、一概には言えない。しかし、「暑い夏」によって消費活動が増えることは間違いない。その点を考えると、「暑い夏」が好影響をもたらす企業は

【記者コラム】ないものはない

「ないものはない」。新潟市東区の某店舗看板にも掲げられている文句だが、いくつかの意味にとれる素敵な言葉だと思う。それは「ある」でもあるし「ない」でもある。 「ないものはない」をキャッチフレーズにしている自治体がある。島根県隠岐郡海士(あま)町。日本海の島根半島沖合60kmに浮かぶ隠岐諸島のひとつ、中ノ島にある一島一町の小さな島だ。 この海士町が5月25日放送のNHK「新プロジェクトX」に取り上げられていた。 同町は、1953年に制定された離島振興法のおかげで地方交付税漬

【記者コラム】恩返し

東京での学生時代に、幸運にも何人かの著名なジャーナリストにお会いする機会に恵まれた。今から考えても非常に貴重な経験だったと思う。 まずは、故筑紫哲也さんだ。お会いしたのは今から25年前の品川区のあるパーティーで、当時はTBS系の「ニュース23」のキャスターを現役でされていた時だった。長身でダンディーな男性だった。少しだけ会話を交わしたが、私は緊張していたので、今となってはその内容はほとんど覚えていない。 実は私はその時、無謀にも筑紫さんに自分の書いたルポルタージュの原稿を

【記者コラム】大人たちが力を合わせて育てる「未来の希望」

5月8日、2020年4月に開学して今年1期生が卒業した開志専門職大学(新潟市中央区)の事業創造学部にて、弊社上越支局長の梅川が講演を行いました。 同学部の1年生に実施している「基礎ゼミ」の連続講座の中の1つ。弊社には、「メモの取り方」というテーマで講演依頼いただき今回実施。約50人の生徒が参加しました。 私はこの講演の場にはいなかったのですが、複数人の生徒から質問の手が上がるほど熱心に講義に耳を傾けてくれていた様子があったと聞き、梅川の同僚として、そして、にいがた経済新聞

【記者コラム】インバウンドの街

先月後半、ニセコ蒸溜所が新潟県の花角英世知事を訪問する様子を取材した。同社は新潟を代表する清酒「八海山」をつくる八海醸造のグループ企業。ニセコ蒸溜所では日本酒ではなくジンを製造しており、その「ohoro GIN」シリーズが国際的賞を獲得したことの報告だった。 ニセコ蒸溜所はその名の通り北海道ニセコ町に拠点を置く。八海醸造の南雲二郎代表によると、同地域は寒冷でありながら北海道の他地域よりも冬場の気温が低くなく、ジンの製造に適しているという。 商品の「ohoro GIN」はも

【記者コラム】半導体投資が地方を変える、新潟は?

先週、プライベートで北海道を訪ねた。今年に入り1月に続き2度目の来訪。 北海道は昨年来、2030年の札幌五輪招致を断念したり、北海道新幹線の札幌延伸計画が延期になったりと、さぞ意気消沈ムードかと思いきや、そんなことは全くない。 2023年2月に最先端半導体ファウンドリー「ラピダス」の千歳市進出が決まり、9月には第一工場の起工式を行った。25年には工事が完了し、27年に本格生産をスタートさせるという。 ラピダスはトヨタ自動車、NTT、ソニーグループなど日本の超大手8社が中

【記者コラム】雁木通りでのある動き

先月、3月4日午前中に新潟県上越市本町1丁目で火災が発生した。発生場所は雁木通りの町家が並ぶ通りにある理容室で、周囲7棟に延焼したが、不幸中の幸いで負傷者はいなかった。筆者も現場に駆けつけたが、かなりの勢いで火が上がり、恐怖を覚えた。火災原因は上越警察署が現在も捜査中だ。 その本町1丁目で最近ある動きがあるという。町内の住人によると、雁木通りの町家から退去する人が出始めているというのだ。 ある情報では、理容室の老人が認知症の疑いがあるという。このように、自分がしっかりして

【記者コラム】花の季節

私は花が好きだ。鑑賞するのはもちろん、育ててもいる。土が動き出すこの季節になると、気分が高揚してくる。……などと言うと、温厚な人柄だと印象を持たれることが多い。のんびりとして、蝶よ花よと自然を愛する人物だと。 実際はそうでもない。むしろ草花に接していると過激になる。花は愛でても、食害があるので蝶は愛でない。草木すら、この時期になるとふつふつと土から頭を出す雑草類には愛情などない。冷酷に農薬という毒を降らせ、機械的に大地へ鎌を入れる。そも農業は自然を切り拓いてきた歴史。なのに