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にいがた経済新聞 編集後記・記者コラム

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にいがた経済新聞に掲載した編集後記やコラム記事です。
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2024年4月の記事一覧

【記者コラム】加茂市の「美人の湯」で雪見風呂

3年前から新潟県加茂市の管理から民間への指定管理に移行した日帰り温泉施設の「美人の湯」。筆者も初めて訪れたが、吹き抜けが開放的な大きな建物で、平日でも食事処は混んでいたし、休憩所も広々していて好感を持った。今年の1月末だったが、露天風呂では雪が舞い、湯船に浸かりながら、雪見風呂を堪能することができた。 ここの指定管理者は合同会社加茂人。現在は三野(さんの)敏弘代表のほか、3人の代表で「美人の湯」の運営を行なっている。 三野さんは、「現在は加茂市内のお客さんが多いですし、市

【記者コラム】県北胎内市に企業再生の歩みを見た

先日、胎内市の越後ふとん株式会社へ、工場見学の取材にお邪魔した。レポートの記事は近日公開の予定。 同社の前身は、創業1868年(明治元年)という150年以上続く老舗ふとんメーカー・株式会社イトウ。もともとは新発田市に本社を構え、昭和54年に現在の胎内市である旧黒川村の廃校舎を使用した生産工場を稼働させた。老舗に培われた確かな技術と高品質の羽毛布団で全国の生協という堅い販路を獲得し、ピーク時には60億円以上の年商があったが、その後に「成長の壁」は訪れた。2017年に事業再生型

【記者コラム】「誤報」連発の火災通報はなぜ?

新潟県上越市の我が家には、地元地域の有線放送があり、火事発生時には消防からの通報が入ることになっている。加えて、記者はこの3月末まで上越市消防団の団員でもある。 それはさておき、「建物火災です」という一報がまず入り、少し経過した後に「先ほどの火災は誤報でした」というAI(?)による音声放送が入ることが最近かなり多い。 以前、老人ホームの給食の仕事をしている知人に、「火災報知器の性能が良すぎて、過敏に反応するためでは」と聞いたことがあるが、違う知り合いのフェイスブックでは、

【記者コラム】人口減少を恐れない時代にこそ地域間LCC

先日、ある若手経営者との出会いがあった。彼は首都圏にオフィスを持ち、そこでのビジネスを主な生業にしながら、北海道上川町で地方創生プロジェクトにも加担している。いわゆるデュアルライフ(二拠点生活)の実践者であり、まさにリモートワークの普及定着がもたらした新しい働き方、暮らし方である。 上川郡上川町は、北海道のほぼ中央に位置する人口約3,700人の町。町内に層雲峡温泉があり、かつては団体旅行で賑わったが、それは昔の話。今は団体旅行自体が減少している。人口規模からみれば「過疎の進