ダイソーのマルセイユソープはマルセイユソープだと思う話
Twitterなどで少し話題になったDAISOのマルセイユソープですが、「マルセイユソープがある!」に対し「それはマルセイユソープではない」というのを見てモヤモヤしたことを書き綴ります。
DAISOのマルセイユソープって何?
まずは、そもそものDAISOのマルセイユソープの説明から。
DAISOにおける「マルセイユソープ」は商品名です。現在はオリーブ、ジャスミン、ハニー、ローズに、第2弾のグレープフルーツ、スウィートアーモンド、ハニーサックル、ラベンダーが加わり、8種類あります。
私は第2弾のグレープフルーツを買いました。洗うのには使わずに自室の机の上に置いて、ルームフレグランスならぬデスクフレグランスにしています。シュリンク包装も剥かないままだからか、石鹸に顔を近づけるとふわっと香る程度なので、周囲への影響(香害)は少ないと思います。
第2弾の色は白、ピンク、ベージュ、紫なので、白がグレープフルーツかと思ったのですが、ピンクでした。つまりピンクグレープフルーツ、ピングレです。
白はハニーサックルでした。といわれてもハニーサックルが何かわからなかったので調べたら、スイカズラだそうです。
スイカズラはこういうやつです。
マルセイユソープって何?
説明は各所まちまちなのですが、ざっくりいえばフランスのマルセイユ地方で作られた石鹸という認識でいいと思います。その中でも厳しい基準をクリアしたものは、日本においては「マルセイユ石鹸」と呼ばれます。(このnote内ではそういう体で進行します)
詳細はこのあたり↑を見ていただくことにして、マルセイユソープとマルセイユ石鹸、ここに問題があると思います。
「基準をクリアしているマルセイユ石鹸」という意味でマルセイユソープと呼んだり、英語の方がなんかかっこいいからマルセイユソープと呼んだり、商品名としてマルセイユソープと呼んだり、発言した人それぞれで何を指しているのかの齟齬があるのだと思います。
つまり、
……となり、いつまで経っても話は噛み合いませんし、Aにはいらぬ疑惑や不安を持たせてしまいます。
一般の方のレビューでも、マルセイユソープ(商品名)をマルセイユソープ(基準をクリアしているもの=マルセイユ石鹸)と判断して、鬼の首を取ったように「添加物が入っているからこれはマルセイユ石鹸ではない!」と断じているのを見ることがあるのですが、「この人、よく知らないで指摘してるんだなあ」と思ってしまいます。
マルセイユという響きがブランド力を感じさせるのも原因かもしれません。実際、マルセイユ石鹸は「石鹸の王様」という通称があります。虎の威を借る狐のごとく手作り石鹸をマルセイユ石鹸と呼んでいる場合もあります。オリーブオイル(植物油)72%以上でも素人がご家庭=日本で作ったら、それはただの手作り石鹸なんよ。
「マルセイユソープ」「マルセイユ石鹸」という語を見たら、まずは「それはどういう意味で?」と考えて調べた方がよさそうです。
DAISOのマルセイユソープはマルセイユソープなのか
DAISOのマルセイユソープ(商品名)はマルセイユソープ(基準をクリアしているもの=マルセイユ石鹸)なのか調べてみると、このような記事が見つかりました。
販売元へのインタビューです。どこの誰かもわからない人の話より、これほど信頼度の高い情報源はないでしょう。
記事(第2弾発売前の4種の場合)によると、「マルセイユソープ=基準をクリアしている(マルセイユ石鹸)」のはオリーブのみです。裏面の販売名「サボンドマルセイユ」が目印です。
ですが、「マルセイユソープ=マルセイユで作られた石鹸」なら、いずれもフランス政府による認証を受けているサボネリー・デュ・ミディ社が製造しているので、全てがマルセイユソープです。
単純に「マルセイユソープが欲しい」ならどれでもOK、「マルセイユ石鹸と名乗れる基準をクリアしているものが欲しい」なら裏を見て販売名がサボンドマルセイユのものを選べばOKということです。
どうしても信用できないなら、DAISOで買うのはやめてガチのやつを買いましょう。
(↑ガチのやつの一例)
手近なところならドラッグストアで置いてあるところはあります。実際に目にした時は立方体っぷりにびっくりしました。
ところで第2弾ではラベンダーだけが「サボンドマルセイユ(マルセイユ石鹸)」を名乗っています。販売元へのインタビュー記事によると「ジャスミン、ハニー、ローズは着色料と香料が入っているから『マルセイユ石鹸』と名乗れない」とありますが、ラベンダーには香料こそ入っていないものの、着色料は使われています。これはいったい……?
別のモヤモヤが生まれたところで終了です。