BCP(事業継続計画)を策定し、ジギョケイ(事業継続力強化計画)認定後に利用できる金融支援等
不足の事態を想定し、それに対応するために対策を講じるBCP(事業継続計画。以下略)は、企業経営を行う上では不可欠なものであることを以前のnoteで触れました。
BCPの策定は事業の継続や早期復旧を目指すもので、会社や従業員を不測の事態から守ることにも利用しますが、計画を経済産業省から認定(事業継続力強化計画)を受けることで特例的な金融支援等を受けることができます。
実被害からの回復や未然に防ぐことを目指す運用面での利点ではなく、副次的に得られる金融支援等について解説していきます。
▼ 金融支援
1. 日本政策金融公庫から低利融資
BCPを策定し事業継続力強化計画の認定を受けた企業は日本政策金融公庫からの低利で融資を受けることができるようになります。
日本政策金融公庫は、災害や事故などの不測の事態によって事業が受ける被害を軽減するために、BCPを策定し運用する企業に対して、低利融資を提供する制度を設けており、事業継続力強化計画の認定を受けた企業が設備投資に必要な資金への融資を行う制度を設けています。
事業継続力強化計画の認定を受けたからといって必ず融資を利用することを担保するわけではありません。利用をする場合には日本政策金融公庫の審査がひるようです。しかし、事業継続力強化計画の中に記載されている設備以外の設備資金についても対象となる場合があるようです。
詳細は日本政策金融公庫のWebサイトにてご確認ください。
2. 中小企業信用保険法の特例
また、中小企業が事業継続力強化計画の認定を受けることによって、中小企業信用保険法の特例を設けていることから、普通保険等(通常枠)とは異なる別枠での追加保証や保証枠の拡大が受けられる可能性があります。
BCPを策定し、運用する中小企業は、事業継続のための負担を軽減することにつながるたことから、積極的な事業活動を行うことが可能になります。
また、信用保険法の特例を受ける際に留意しておきたい点があります。
特例の対象が事業継続力強化計画に記載されている内容に限定されてしまうものの、設備投資に限らず事業資金も特例の対象になる可能性があることです。
そのため本来であれば守りの印象が強いBCPの策定も事業を推進させるためのキッカケとすることも可能だと言えます。
3. 中小企業投資育成株式会社法の特例
事業継続力強化計画の認定を受けた企業は、中小企業投資育成株式会社からの特例を受けることが可能になります。
中小企業投資育成株式会社とは、中小企業の投資育成を促進するために政府が運営する投資機関であり、中小企業の投資育成に対して資金援助を行う会社です。
中小企業が事業継続や事業推進にまつわる資金を確保するためにBCPを策定し、運用することを重視していると見ることができます。その理由は事業継続力強化計画の認定企業は中小企業投資育成株式会社法による資本金の縛りをなくすだけでなく、返済義務のない資金調達といった側面も非常に魅力的な特例制度だと言えます。
ただし、援助を受けるためにはBCPの策定と運用の証明が必要になるため、BCPの策定と運用に力を入れることが求められます。
そのうえ、中小企業投資育成株式会社は資金援助だけでなく、ビジネスマッチングや経営者のマネジメン力強化の支援も行うことができるため、BCPの策定を行うことによって企業全体の成長に貢献することが期待できます。
4. 日本政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジット
日本政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジット(信用状)とは、日本に親会社がある海外現地法人等が提携金融機関から現地流通通貨建て融資を受ける際の債務弁済を保証する制度です。
▼ 税制措置(防災・減災設備)
事業継続力強化計画の認定を受けると、税制における優遇措置を受けることも可能です。
中小企業防災・減災投資促進税制(特定事業継続力強化設備等の特別償却)では、事業継続力強化計画に記載された対象設備を取得し、事業用に供した場合に特別償却20%(令和5年4月1日以後に取得等をする対象設備は特別償却18%)が適用することができるようになります。
特別償却を実施することによって費用が上乗せすることが可能になり、決算上の利益を少なく計上することができるため、納税額の節約なります。よって、キャッシュフローに余裕が生まれる措置を生むことを期待できます。
• 中小企業防災・減災投資促進税制の運用に係る実施要領(PDF形式:170KB)(令和4年4月1日更新)
• 中小企業防災・減災投資促進税制の運用に係る実施要領新旧対照表(PDF形式:62KB)(令和4年4月1日更新)
▼ 補助金採択にあたっての加点措置
事業継続力強化計画の認定を受けた場合、補助金採択にあたっての加点措置を受けることができます。
中小企業にとって、補助金を利用することによって事業が推進しやすくなることは言わずもがなでしょうが、特にものづくり補助金は中小企業による新しい商品やサービスの開発をはじめ、新たな取り組みによって生じる設備投資などに向けた補助金で、額も大きいため魅力的な補助金です。
自社の事業を万が一の有事に向けて準備をするだけでなく、積極的に事業を推進しようとする上でも事業継続力強化計画を策定することによって一段階も二段階もギアを上げられる可能性が高くなるのです。
新潟エナジーは経済産業省の認定事業者
2022年11月、新潟エナジーは事業継続強化計画の策定において経済産業省の認定事業者となりました。
事業を守ることは地域の活力を維持すること。
新潟エナジー(新潟でんき)では、電気契約だけでなく消費電力の削減(省エネ)や再生可能エネルギーなどの普及推進によって脱炭素社会の実現にも寄与しています。
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