電力難民となる企業が続出で利用数が過去1年で100倍となった「最終保証供給」とは
過去1年で100倍に増えた「最終保障供給」件数
大手電力会社の契約受付停止や新電力会社の事業撤退などにより電気の契約先を失った企業は、大手電力会社へ申請し調整用の電力となる「最終保障供給」を受けることになります。
この最終保障供給を受ける企業数は2022年2月以降で急増し、2021年10月に445件だった契約数は2022年10月17日に45,309件と実に100倍を超えています。
最終保障供給とは、企業が冒頭に記載したような事由により電力小売会社の切り替えを余儀なくされた場合に、次の契約先が見つかるまで送配電会社が企業に電力を供給する制度。
いかなる事由であったとしても企業が送配電会社に申し込んで制度を利用することができるもので、電気を利用する上での最終防波堤となって機能しています。利用の期間は原則1年以内ですが申請することで延長が可能です。
次の契約先を早期に見つけるための割高料金
最終保障供給は電気事業法で約款を定められており、料金は電力大手の標準メニューより2割高い水準となります。
割高な価格にする理由は企業が早く次の契約先を見つけるための動機にすることが目的でしたが、ロシアによるウクライナ侵攻によるLNG(液化天然ガス)の輸入減少や原油価格の高騰により標準メニューの料金が高騰化し、いわゆる逆ザヤ減少が発生していました。
また、最終保障供給は1年以内の利用を想定した「セーフティーネット」としての意味合いが強く、送配電会社は需給調整用の電気を最終保障供給に振り向けています。
しかし、最終保障供給の利用企業が増え続けると調整用の電気が不足しかねません。電力は需要と供給を一致させないと周波数が乱れ大規模な停電につながることから、夏には需給バランスを整えるために予備率が3%を確保することを各種報道で話題になっていました。
地域別に差が出る新規契約先の確保
地域別に見ると、10月3日をピークに17日に公表された件数は関西電力の他に、北海道、東北、中部、北陸の4地域では減少が見られていますが、中国、四国、九州の3地域は件数を維持。東京電力ホールディングス管内では増加しています。
大手電力グループの電力小売が法人向けの暫定的な契約プランを提供し始めたところから、企業側は電力の調達をしやすくなりました。
しかし、いざ東京電力エナジーパートナーは10月下旬に法人向けの通常プランを他社からの切り替え受付を再開してみたものの、申込が殺到し再開3日で受付を止める事態に。
小売りで金額面での安さや各種ポイントサービスとの連携を売りにしていた新電力会社は燃料高や電気の調達費用が高騰した結果、撤退や事業縮小を決める会社が増え、2021年4月には706社あった新電力会社は2022年6月時点で15%の104社が事業の停止や撤退をしています。
電力難民が徐々に減少していく?
これによって最終保障供給を受けていた企業は、大手電力会社からは契約の切替を拒まれるだけでなく、新たな契約先を見つけることも困難な状況に追い込まれたことにより、契約先を見つけられない企業は「電力難民」と呼ばれていました。
沖縄電力を除く大手電力9社は2023年2月ごろまでに通常プランの受付を順次再開する予定のため、徐々に企業などは電力契約を結べるようになっていく見通しが立つことに。
新潟でんきでは大手電力会社が新規の受付を停止した時期より、低圧や高圧の新規や切替えの受付を行っており、これは複数の供給元を確保していたことが理由です。
また、政府が2022年度冬季の電力需給対策を発表したことにより、徐々にではあるものの産業界としても一定の道筋が立ったと見ても良さそうですが、根本的に日本は資源のない電源を外国からの輸入に頼っている現状は変わりません。
つまり、一時的には政府からの支援によって状況がよくなるかもしれませんが、電気をはじめとしたエネルギーとの付き合い方は長期的な視点に立って見据えていく必要があり、施設や企業で使用する電気設備の省エネ化や再生エネルギー導入による省電力化が必要になってくることは必然的だと言えるでしょう。
ぜひ、ご相談ください
新潟でんきでは、電気契約だけでなく消費電力の削減(省エネ)や再生可能エネルギーなどの普及推進によって脱炭素社会の実現にも寄与しています。
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