【報告レポ】新潟市エコハウスセミナー2ダイジェスト_レポート_5つの壁の突破!
新潟市エコハウス推進チームです。2023年2月6日「第2回 新潟市エコハウスセミナー」を終えることができました!
今回は、新潟市エコハウス推進チームより代表の小林紘大。ネイティブディメンションズ一級建築士事務所の鈴木淳氏とオーガニックスタジオ新潟の相模稔氏をお迎えし、「エコハウス5つの壁」のうちの4つ(低予算・付加断熱・第一種換気・気密施工)について、お話いただきました。
本記事では第1回と同様に、イベントの模様をダイジェストで紹介します。さっそく、見ていきましょう!
新潟市エコハウスセミナーとは
新潟市エコハウスセミナーとは、省エネ性能の高い住宅の供給促進・住宅市場全体の省エネ性能の向上を牽引するとともに、ユーザーがエコハウスを選択しやすい環境をつくるため「エコハウスの伝え方に関するスキル向上」を目的とした、事業者向けのセミナーイベントです。
エコハウスをユーザーに適切に伝えるための課題を、具体的な5つの壁に設定。2022年11月に実施した第1回目は「太陽光発電の壁」を、エコワークス株式会社・代表取締役社長の小山貴史氏に登壇していただき、特別講演を行いました。
第2回目は「太陽光」以外の残りの4つについて
第2回目となる今回は、残り4つのうち「低予算」「付加断熱」をネイティブディメンションズ一級建築士事務所の鈴木淳氏に、「第一種換気」「気密施工」を、オーガニックスタジオ新潟の相模稔氏に解説いただくといった内容です。当日は、会場参加19名、オンライン参加53名と多くの方にご参加いただきました。
事前に「5つのうち、どの項目が1番の壁だと感じますか?」とアンケートを実施したところ、以下のような結果に。
低予算:40票
気密施工:13票
太陽光:20票
第一種換気:15票
付加断熱:19票
最も多かったのは、2位の「太陽光」に2倍の差を付けた「低予算」でした。「太陽光」は20票、「付加断熱」19票、「第一種換気」は15票、気密施工は13票となっています。このアンケート結果は、みなさんならどのような印象をお持ちでしょうか。
新潟市環境政策課 ゼロ・カーボン推進室室長 斉藤氏からご挨拶
また、今回も新潟市との協働ということで、新潟市環境政策課 ゼロ・カーボン推進室室長の斉藤氏からもご挨拶をいただきました。
「世界全体で目標としている「脱炭素」も重要な課題ですが、住宅産業にとっては、そこで暮らす人の「快適な生活」も同じくらい大切です。人にも地球にもメリットのある家づくりにつながるようなイベントを、自治体と市民が一体となって目指していきたい」とコメント下さっています。
オープニングアクト:小林紘大による事例発表と「工務店が考えるべき立ち位置と伝え方」
スタートは、新潟市エコハウス推進チーム代表・小林紘大によるオープニングアクトです。「工務店が考えるべき立ち位置と伝え方」をテーマに話しています。
「改正建築物省エネ法」や「4号特例の廃止」といった住宅産業を取り巻く環境の変化、目指すべきエコハウスの性能は既存グレードでどのくらい?といった曖昧な疑問を整理し、参加者のみなさんと認識の共有や、解像度をはっきりとさせることが目的です。
ハウスメーカーと工務店の「ZEH目標達成率」や日本各地の自治体が採用している独自基準といった、具体的な実例も紹介し、新潟県の工務店が置かれている現状や目指すべき立ち位置も示しています。
今回紹介した各自治体の事例は以下を参照ください。
鳥取 NEST
長野 信州健康ゼロエネ住宅設計
糸魚川 ISSH
新潟県 雪国型ZEH
鈴木淳氏による「低予算の壁と付加断熱の壁」
ここからは、メイントークを紹介します。おひとり目は、ネイティブディメンションズ一級建築士事務所の鈴木淳氏による「低予算の壁と付加断熱の壁」です。
低予算と付加断熱はどちらも難しい課題で、現場でもコンフリクトしてしまう問題です。今回はそんな2つの課題をどうやって施主たちに伝えているのか?実際の資料などを交えてレクチャーいただきました。
材料費や建設費(人件費)などをZEHやHEAT20の各グレードで試算して比較したり、その上でローンと光熱費、それぞれを優先した場合の最終的な着地地点はどこか?といったところを、ユーザー目線でわかりやすくまとめていたりと、非常に勉強になる内容でした。
「『建設費は誰に払う?』『エネルギー代は誰に払う?』......ここまで説明できるといいよね」という締めの説明は、ぜひこれから家づくりをする施主たちにも伝えていきたいポイントですね。
相模稔氏による「第一種の壁と気密施工の壁」
メイントークおふたり目は、オーガニックスタジオ新潟株式会社 代表取締役の相模稔氏に登壇いただき、最後の2つ「第一種換気の壁と気密施工の壁」について、解説していただきました。
さて実際のところ、この2つはどちらが壁として大きな問題なのでしょうか……そんな問いを、世間の思い込みやこれまでの工法の流れ、施工事例といったさまざまな観点から明らかにしていきます。
実のところ、エコハウスが抱える課題の主戦場は「空調」に移りつつあるといったお話や、おすすめの著書なども紹介いただき、イベントが終わったあともしっかりと宿題を持って帰っていける、そんな内容に仕上げて下さいました。
トークセッション
最後は、ファシリテーターにまじラボの石本さんをお迎えし、小林紘大+鈴木淳氏と相模稔氏によるトークセッションです。メイントークの総括や、その上で「エコハウス5つの壁をどう乗り越えていくべきか?」についてざっくばらんに話していただきました。
後半では、イベント参加者さんたちも交えた質問コーナーも用意し、有意義な時間を過ごしてもらえたのではないかと感じています。
課題を明確にした上で自信をもって伝えていきたい
第2回 新潟市エコハウスセミナーの模様をダイジェストでお送りしました。実際にイベントを終えてみて感じたことは、説明する側が問題や課題をしっかりと明確にしなければならないこと。人に伝えるときは、さらに解像度を上げて理解していなければ、伝えるのは難しいという点です。
「難しいと思っていたものが、実はそこまで大きな問題ではなかった」「お客さんは、本当はどんなところが不安なんだろう?」
こういったポイントを曖昧にせず、しっかりと明確にしていければ、もっと「伝える力」が身につくのではないでしょうか。新潟県内の工務店のみなさんが、自信を持ってエコハウスの魅力を伝えらえるようになるため、これからも継続して活動していきたいと思います。
会場参加の皆さん、オンラインZOOMで参加の皆さん、ありがとうございました!
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