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建設DXが進む理由とVRの活用例

こんにちは。日本XRセンター代表の小林大河です。本日は建設DXが進む理由とVRの活用例について解説します。

建設業界では、清水建設、大成建設、大林組などを中心にVRが導入されていますが、その背景を知る上でDXの考察は欠かせません。建設業界においてDXが進む背景には、いくつかの要因があります。

DXが進む要因① 生産性の低さ

これまでの建設手法では、多くが大人数による手作業で行われており、効率が悪く、エラーのリスクも高いという課題がありました。ここに対して自動化や遠隔ロボットが活用されています。

DXが進む要因② コストの増加

  • 資材費の高騰
    建設資材の価格の上昇と円安が重なり、効率的な資材管理が求められています。

  • プロジェクトの複雑化
    多くのステークホルダー、サプライヤーを巻き込んだコストとスケジュールの管理が難しくなっています。昨年には資材調達プラットフォームのBallasが11.6億円を調達し、成長を加速させています。

DXが進む要因③ 環境規制と持続可能性

環境への配慮のため、排出ガスの削減や廃棄物の管理、エネルギー効率の向上などへの対応が求められています。エコフレンドリーな材料の使用やエネルギー効率の高い建物の設計を実現するためには、DXが不可欠です。大阪万博においても脱炭素の推進を内閣府から進めています。

内閣府資料より

DXが進む要因④ 安全性の向上

  • 危険な現場環境
    昨年9月にも東京駅前の大規模工事現場で死亡事故が発生し、安全性への注目が高まっています。これを実現するためには高度な監視システムやリスク管理が必要です。

  • 安全管理の複雑化
    大規模プロジェクトでは、多数のサブコントラクターが関与するため、安全管理が複雑化しています。

DXが進む要因⑤ プロジェクト管理の効率化

  • リアルタイムのデータ管理
    プロジェクトの進捗状況やコスト、リソースの使用状況をリアルタイムで把握することが難しいという課題があります。近年ではファイナンスのDXも進んでいます。

  • コミュニケーションの円滑化
    多くのプロジェクトでは、複数のチームや業者が関与しており、コミュニケーションの複雑化が課題となっています。

アメリカの建設プロジェクトファイナンスBuilt Technologies

DXが進む要因⑥ 要求の多様化

  • カスタマイズの要求
    顧客の要求が多様化しており、カスタマイズや変更要求に対し迅速な対応が求められています。戸田建設はArentの設計DXツールを導入し、経験の浅い技術者でも高品質な設計ができるようにしています。

さらに人手不足は深刻で、以下のような課題が挙げられます。

人手不足の理由① 労働人口の高齢化

  • 熟練工の引退
    長年の経験を持つ熟練工が多数引退しています。彼らの技能や知識は簡単に継承できるものではなく、若手の人材育成が追いついていない状況です。

  • 若年層の参入不足
    若い労働者において肉体労働の多い建設業界は、他の職業に比べて魅力を感じにくいとされており、参入者が少ない状況です。

人手不足の理由② 労働条件の厳しさ

  • 労働環境の過酷さ
    建設現場は、天候や季節に左右される過酷な労働環境であり、これが人手不足を招いています。高温や低温、雨天時の作業は身体的な負担が大きく、長時間労働も一般的です。建機メーカー大手のコマツは建機遠隔操作システムをリリースしました。

  • 安全性の問題
    建設現場での労働は危険が伴うことが多く、事故や怪我のリスクがあります。このため、労働者は安全で安定した職場を求める傾向があります。清水建設などは、この問題解決のために、カメラと画像認識AIを使い、重機と人間が近づくとアラートを鳴らすシステムを開発しています。

人手不足の理由③ 求人とスキルのミスマッチ

建設業界では高い専門技能が求められることが多く、その技能を持つ労働者が不足しています。また、新しい技能や技術を学ぶ機会が限られており、必要なスキルを持つ労働者の供給が追いついていません。

人手不足の理由④ 経済的要因

建設業界では、他の産業に比べて雇用が不安定な場合が多く、これが人手不足の一因となっています。労働者はより安定的な職を求めて他の産業へ移る傾向があります。

人手不足の理由⑤ 都市の需要増加と地方の過疎化

都市部では建設需要が高く人手不足が深刻ですが、地方では逆に過疎化が進み労働力が不足しています。地域間での労働力の偏在が問題となっています。地方の建設会社90社が人材不足競争のために協業するコミュニティも生まれています。

人手不足の理由⑥ 2024年問題と働き方改革

「2024年問題」は、働き方改革関連法の施行により、2024年4月から時間外労働の上限規制が厳格に適用されることです。これにより、労働時間の上限が年間960時間に制限されることになり、長時間労働が常態化している業界に大きな影響を与えます。

人手不足に対応するため、外国人、リモートワーク、未経験など様々な人たちが業界に入ってくる中で、彼らの即戦力化が求められています。それを解決するためにもVRが導入されています。

VRの事例①建設プロジェクトの可視化と設計確認
BIMをもとに現場環境の3D化を行い、VRで体験することができます。これにより、レイアウトや設計の問題を特定し、修正します。

当社でもインドのKKM社向けに開発したコラボレーションツールがあります。自社内だけだはなく、顧客や他のステークホルダーとも共有し、フィードバックの受け渡しが可能です。

VR事例② 安全トレーニング
現場での安全な作業手順をトレーニングしたり、潜在的な危険やリスクをシミュレーションすることができます。これにより、作業員や管理者が安全意識を高め、事故や負傷のリスクを軽減することができます。

VR事例③ 教育とトレーニング
新人に対して、VRを使用した研修プログラムを提供できます。これまでは未経験者が現場で研修を行うリスクや、現場の稼働の停止など生産性低下につながっており、これらの課題を解決します。また、地方拠点や熟練工に対してもスキルの把握や技能のデータ化による承継といったさまざまなメリットがあります。
大林組では、VR専用の訓練施設を設置しています。以下、リリースより。

  • 建設業界初のマルチプレイを活用した玉掛け共同作業を実現

  • 5人同時に、クレーンオペレーターを含めた異なる役割の体験が可能

  • 決まったシナリオではなく、物理シミュレーションを駆使した自由な玉掛け作業により、実際に近い体験が可能

  • すべての行動を保存し、行動履歴を再現する、振り返り確認が可能

飛島建設は、3次元の建築物データを現場でリアルタイムに投影し、状況を確認しながら議論を進めるツールを活用しています。

小柳建設は、マイクロソフトのHololens 2を使い、直感的な操作で建造物の3Dモデルや現場のデジタルデータを活用し、プロジェクトの進行状況をリアルタイムで確認できるツールをリリースしました。

当社(日本XRセンター)の事例でも、清水建設さま向けに危険な工事現場における運転ルールのトレーニングを開発いたしました。

以上が建設DXとVRの活用事例でしたが、VRが果たせる役割はまだまだあると考えられています。

VRを使った共創や、VRを使ったDXにご興味のある方は、ぜひこちらまでお問い合わせください(thomas@vrarri.com)。

建設業界のVR事例や当社資料はこちら
https://shorturl.at/SjLWI

日本XRセンターについて

  • サンフランシスコ、インド、日本を拠点にVRコンテンツを開発(高いクオリティと圧倒的なコストパフォーマンス)

  • 日本を代表するVC、エンジェル投資家、金融機関より1.4億円の資金調達済み

  • 清水建設、大手スーパー、ホテルチェーン、大手医療機器メーカー、大手自動車教習所、著名テーマパークなど実績多数

  • CEO:小林大河

  • 本社: 150-0031 東京都渋谷区桜丘町16-13 桜丘フロントII 3F

  • Youtube: https://www.youtube.com/@vrarri

  • Website: https://www.vrarri.com/

  • お問い合わせ:thomas@vrarri.com

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