経済のコラプサー化/物理学からの予測
未来のことは経済学者より物理学者に聞こう
長沼伸一郎著『現代経済学の直感的方法』「第9章 資本主義の将来はどこへ向かう」の内容は、これからの世界経済の行く末を考える上で有用と感じる。
長沼さんは、理系学生なら知らぬ者の居ない「物理数学の直感的方法」の著者。数理物理の研究家といったところだろう。
門外漢とも言える経済学の領域に切り込んできたのは、「文系人間に任せていては日本がもたない」という著者なりの危機感のようだ。
エントロピー増大の法則
グローバル資本主義社会では、大企業が小さな企業を吸収して利益を生み出しており、これを生産性向上によるものとしてもてはやしている。
しかし、これは希少なものを壊してエネルギーを取り出しているにすぎないというのが著者の主張だ。
多種多様な中小企業が絶妙に連携しあって、複雑なエコシステムを形作っていた状態を希少性の高い状態であるとする。
大企業がこれを吸収して寡占状態を作り利益を上げていく姿は、実は石油を燃やしてエネルギーを生み出しているに等しいというのだ。石油はもとには戻らない。不可逆だ。
これは短期的には良さそうに見えるが、長期には破滅に向かっていることになる。
ビル・アトキンソンや竹中平蔵のやっていることは、我々の先祖が長きにわたり育ててきた日本文明を燃やして自分たちの利益に変えるような行為で、短期のことしか考えていない。
長期的な目標を追求できないなら民主主義であっても意味がない
「独裁か民主主義か?そんなことはどうでもよく、長期的な目標を追求できる体制か否かが人類にとっては重要である」
これが著者の言わんとすることだろう。
著者はここで政体循環論を持ち出す。民主主義は至高の政体ではないと言いたいのだろう。
そして参院選
グローバリズム。SDGsに代表されるような長期的目標を掲げているように見せながら、その実やっていることは超短期志向だ。
自民党はグローバリズ厶におもねり日本を危機に陥れている。
参院選でこれを止められるか否か?次の選挙は日本の将来を決める分岐点になるのかもしれない。
日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。