Amazon 電子書籍・プリント本の出版事情

当サークルでは将棋本の電子書籍・プリント本をkindleで多数出版しています。趣味で楽しく副収入が得られるのは魅力的ですが、どのくらいの利益が出るのでしょうか。

kindle本の印税

kindle本の印税は35%か70%を選択できます。当然70%を選択しますが、70%にする条件には以下の条件があります。
・kindle独占販売
・本の価格は250円~1250円(税込み)
・kindle Unlimited(読み放題サービス)に本を登録する

といった条件が必要です。
この条件で、税込み1100円の本が1冊売れた場合
1100円(税込み)→1000円(税抜き)×70%=700円 の利益が得られます。消費税10%が痛いですね。

読み放題サービスで読まれた分も印税として入ってきますが、1ページ約0.5円です。
200ページ1100円の本を出したとして、読み放題で一冊読んでくれると約100円の売り上げになります。通常購入時の売り上げが700円なので、けっこうしょっぱいですね。

また、どんなに内容を充実させても1250円を超えると印税が半分になるのが痛い。300ページ超の本を書くなら分冊して販売した方が良いということになります。うちがめっちゃ分冊してるのはそれが理由です。

プリント本の印税

Amazonでは電子書籍だけでなく、インプレスR&Dという出版社の「ネクパブ」というサービスを介してプリント本も出版できます

通常の自費出版では数十万円の出費がかかるのに対し、AmazonではPOD(プリントオンデマンド)という、注文を受けてから印刷・製本する形式を採用しているので、在庫を持たずに済み著者の初期投資も0円で済む素晴らしいサービスです。

また、kindle本とプリント本を同じ商品ページに追加でき、販売の相乗効果が狙えます。ここで当サークル人気書籍の一つである「対石田流 相振り雁木 角交換編 Vol.1」の電子版とプリント版をみてみましょう。

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電子版:¥944(税込)
プリント版:¥2980(税込)

いやプリント本クソ高いな!?ぼったくりじゃねーか!電子版の3倍かよ!

当然プリント本は一冊も売れてません。ここで両者の利益をみてみましょう。

電子版1冊の印税:
944(税込)→858(税別)×70%
=601円
プリント版1冊の印税:
2980(税込)→2,709円(税別)ー1192(販売手数料)ー528(印刷費)
=989.0円

確かにプリント本の方が印税は高いですが、印税率は電子版70%に対してプリント版は36.5%と、およそ半分なのが分かります。

こんなに高いんじゃプリント本は売れない。ではプリント版の作成は意味がないのか?そうとも言い切れません。

プリント本作成の効果

たとえプリント本が売れなくても、一応以下の効果が期待できます。初期投資が0円がなので、狙ってみて損はありません。

・電子版のお得感が増し、権威付けができる
プリント版と電子版があって、金額に3倍も差がついていれば、電子版が割安に見え、電子版の販促につながる。
また、電子版だけでなく紙の本も出版していることで、うさん臭さが軽減される。

・著者優待サービスを利用できる
ネクパブに登録した書籍を、著者は印刷代だけで購入することができます。普通の印刷会社として利用できるということですね。これをイベントで売ったり、他の自家通販サイトで売れば、販売手数料を引かれない分、現実的な価格で利益を上げることができます。

ぶっちゃけいくらくらい稼げるの?

これは書籍のジャンルによると思います。将棋本は電子書籍の割合が割と低いのか、ランキング上位の本でも1日数冊売れている程度だと予測できます。うちの本は大体300円~1000円の本が多く、印税は1冊平均400円くらい、1日一冊売れたとして月の売り上げは12000円。これを多いとみるか少ないとみるか意見は分かれると思います。趣味で1万稼げるという意味では魅力的。副業としては物足りないのではないでしょうか。
電子書籍を出す目的は名刺代わりと、実績、ブランディングで、実際の利益はコンサルティングで稼ぐのが良いと紹介しているサイトもあります。

まとめ

Amazon電子本はジャンルにもよるが副業としてはやや物足りない。
Amazonプリント本は利益率が低く売れないが、うまく活用すれば電子版の販促や他サイトでの利益につながる。


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