ルーデンドルフの無能で全てが失敗した、ミュンヘン一揆
第一次世界大戦。 賠償金を1320億マルクに設定され、植民地にもはく奪され、軍も縮小させ ドイツ人の誇りと栄光を何もかも奪われた戦争でした。
しかし、そんな状態を変えようとした若者がいました。 その若者の名もアドルフ・ヒトラー。 最初は非合法手段で政権を奪取しようとしていましたが、それも失敗。 その方法こそがあの有名なミュンヘン一揆です。
今回はミュンヘン一揆について書いていこうと思います。 それではどうぞ。
1924年、ドイツのバイエルン州は以下の3名で牛耳られていました。 ・州駐在陸軍司令官 ロッソウ少将 ・州警察長官 ザイサー ・バイエルン州総督 カール その頃のドイツはハイパーインフレーションの状態にありました。 ※お金の価値が下がり物価が上昇し続ける状態のこと
まさに地獄、この詳細はいつか話したいと思いますが、町は労働者であふれニートが蟻のようにいる時代でした。
こんな状態を打破しようと、さっき書いたバイエルン州を牛耳っている3人が立ち上がりました。 ムッソリーニがローマ進軍するのに便乗しベルリン進軍をすることでドイツから独立しバイエルン王家が当主の王国を創ろうと計画している所でした。
この進軍を積極的に支持していたのはロッソウ少将という人物でした。 しかし、彼らを推しているゼークト将軍がベルリン進軍に対してあまり乗り気ではなかったため、この計画は延期になりました。
計画は延期になりましたが、その善後策をビュルガーブロイケラーという居酒屋で練っていたところでした。 しかし、突如としてピストルが発砲する音が聞こえました。
ヒトラー「このエリアはナチスが制圧した。そこにいるバイエルン州権力者3人よ、私の作戦に参加してもらうぞ」
3人「なに、ヒトラー!?なぜ、ここに居るんだ!」
ヒトラー「問答無用。私が計画するミュンヘン一揆に貴殿らも参加しろ。もし、協力しなかったらどうなるか分かっているよな・・・・?」
3人「なんだと、死んでも絶対に参加しないぞ!」
ルーデンドルフ「彼の計画に協力してくれ」
3人「ルーデンドルフ閣下、何故ここに?いや、分かりました。彼の計画に協力をします」
まさに鶴の一声。 それもそのはず、ルーデンドルフはその頃のドイツとして知らぬ人とていない英雄なのですから。(正確には第一次世界大戦の英雄。しかし、ドイツを敗北に導いたのが彼張本人)
3人「・・・・」
従うとは言ったものの、心からはこの計画には賛同していませんでした。 お互い、中央政府を倒したいとは言え、自分たちの指導下での進軍。 彼らの目には反抗が光っていました。
ヒトラー(閣下のおかげで賛成にさせたとはいえ、反抗するかもしれない。しかし、私はちょっと前線に行かなければならないからどうしたものか)
ヒトラー「閣下、すみません。少し私は席を離れなければならなくなりました。ここをよろしくお願いします」
ルーデンドルフ「分かった、安心していってこい」
この3人の人質を監視するのをルーデンドルフに託しました。 しかし、後にこれが彼の命取りに。
3人「すみません、閣下。疲れたので帰ってもよろしいでしょうか?」
ルーデンドルフ「疲れたのか?なら、帰ってもいいぞ」
そうして、3人が帰った後・・・・
ヒトラー「おい、ここに居た人質はどうした!」
ルーデンドルフ「ああ、疲れたって言っていたから帰したあげたよ」
ヒトラー「なっ・・・・」
どこに人質を解放してあげようとする人がいるでしょうか。 彼は軍人としては優秀だったでしょうが、それ以外はまるでダメ。 ルーデンドルフの無能のせいで大失態を犯してしまいました。
ルーデンドルフ「だ、大丈夫。まさか軍が私を打つなんてことはありえないから」
ヒトラー「終わった・・・・」
もう計画が失敗したことを理解した瞬間でした。 しかし、それ以外希望が見えなかったためヒトラーは一抹の希望を抱いてみることにしました。
翌朝、バイエルン州3人は早速軍を動かしてきました。
ヒトラー「とまれ、バイエルン軍よ。ここにおわすのは、かの英雄ルーデンドルフであらせられされるぞ」
彼の声にも反するように、バイエルン軍はどんどん進撃してきました。 そして、ヒトラーが降参の意思表示を見せないとみると彼らは声を出しました。
バイエルン軍「打て!!」
ルーデンドルフが打てないと高をくくっていた軍は何のためらいもなく銃を発砲しました。 3000人が一斉に崩壊し19人くらいの死傷者が発生。
ルーデンドルフ、レームはその場で逮捕。 ヘス、ゲーリングはオーストリアに亡命。 ヒトラーは2日後に逮捕。
まさに失敗。 それもたった一人のルーデンドルフという無能のせいで失敗しました。 これでヒトラーも終わった・・・・ と思いがちですが、ここからヒトラーの勢力が拡大します。
この後、ヒトラーは裁判にかけられますが、見事彼の演説で回避します。 その展開については後程紹介したいと思います。
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