天が味方した戦争
日露戦争
圧倒的な差があり、勝つのが難しくても日本は勝利しました。
その勝利には運が7割以上左右されていたといわれます。
では「運が強かった」とはどういうことなのか。
幸運だったたたかいを2つ紹介します。
1904年2月、日露戦争が勃発。
日露戦争を勝利するうえで朝鮮の協力は欠かせなく、2月3日朝鮮と第一次日韓協約を結び、韓国の外交権を事実上掌握しました。
さあ、戦争では初戦が大事。
その初戦で戦争自体が左右されることも。
少しでも有利に戦争を進めるため宣戦布告の前に、朝鮮に停泊していたロシア艦隊をたたきます。(仁川沖海戦)
※宣戦布告の前に戦争をする行為は当時常識化していた。 宣戦布告なしに戦争をすることはずるいと位置付けたのは太平洋戦争が始 まったときのアメリカの大統領、ルーズベルトが日本を悪の帝国に位置付 けたいがために決めたことで、真珠湾攻撃は別にずるいわけでもなんでもなかった。
しかし、初戦は勝ったとはいえそれで勝ちとはならず、朝鮮に流れている鴨緑江にいつロシア軍をたたかなければならなかった。
ただ勝てということではなく、さらに追加の条件として
・日本とロシアの間には圧倒的な国力差があったため、短期決戦しかなかった。つまり、1日で勝利せよ
・イギリスで金を得るためにも、この戦いには必ず勝利しなければならなかった。
過酷すぎる・・・
しかし、勝たなければ滅ぼされる。
この時の司令官だった黒木 為禎は頭をフル回転します。
※この人はあまりにも優秀な人だったため、ヨーロッパではこんな優秀な人が日本人なわけないと、ポーランド系とかロシア系とか言われていました。
こうなったら鴨緑江に軍橋を建てて、ロシア軍の側面をつくしかない。
これしかありませんでした。
しかし、問題がありました・・・
側近「しかし、ロシア軍に見つかったらどうするんですか」
側近「今日は満月ですよ。それに雨が降る可能戦もありますし・・・」
黒木「無理だ無理だと諦めては何もできませんぞ。やるしかないんだ」
神に祈る気持ちで行動に移しました。
するとどうでしょう
天が味方したのか、暗雲が垂れこんできました。
そのうえ濃霧。
しかも、雨は降りませんでした。
黒木「天祐じゃ、神が味方をしておる」
本当に神が味方をしたかはどうかは知りませんですが、これを機に軍橋を建ててひっそりと渡りました。
するとどうでしょう
待ってましたとばかりに全軍が渡り切った後、雨が降りました。
まさに天祐。
この後ロシア軍の側面をつき勝利しました。
この難しい状況を勝利するとイギリスのマスコミはこのように報道しました。
イギリスのロンドンタイムズで
「今回の戦はヨーロッパの第一級陸軍をもっても容易な技にあらず、それを勝利に導いた日本の作戦と勇気とその完璧な組織には賞賛の言葉もなし」
まさしく大勝利でした。
次に奇跡の連発だった黄海会戦について解説します。
日本は1904年2月に開戦し、仁川沖海戦、鴨緑江の戦、南山の戦 et・・と連戦連勝。
対するロシアでは・・・・・連戦連敗。
これにいらだったロシア皇帝ニコライ2世は
ニコライ2世「旅順艦隊は何をやっている、さっさとウラジオストクに入港しろ」
ウラジオストクに入れられたら日本は一巻の終わりです。
旅順港から出てきた旅順艦隊を叩くため秋山 真之はT時戦法を使います。
しかし、変な動きをしたせいで失敗。
ロシア艦隊を逃してしまいます。
しかし、見逃せば滅亡の2文字。
全力を挙げて、ロシア艦隊を追います。
するとなんとロシア艦隊を見つけられました。
なぜ?
実はロシア艦隊も必死に逃げていたんですがその代償として2番艦隊がトラブル発生。
それにより速度を緩めていました。
さあ、追いついた日本艦隊は黄海でロシア艦隊を打ちます。
1904年8月、黄海海戦勃発。
このような陣形でした。
しかし、追いついたからといって勝てるわけではなく。
火力ではロシア艦隊が上回っていました。
日本絶体絶命のピンチ。
ところが、天が味方したのか日本艦隊が打った弾が1番艦隊にいる艦長以外の全員に当たりました。
弾が当たることなんてめったにない。
しかし、艦隊を指揮する権利を2番艦隊に送ればいいだけ。
艦長がその権利を送ろうとしていたところ・・・
またしても天祐が発生します。
また日本艦隊が打った弾が1番艦隊にいる艦長、イワノフに当たり艦隊を指揮するはずの1番艦隊にいる人が全員死亡というありえない状況になりました。
2番艦隊は動きが変だなとは思いつつも、まさか1番艦隊にいる人たちが全員死んでるとは思わず、1番艦隊に従った結果・・・
沈没:駆逐艦1
中立国抑留:戦艦1
防護巡洋艦2
駆逐艦5
の大損害。
またしても天が日本に味方し日本は勝利しました。
しかし、まだ勝ったとはならず旅順艦隊そのものを断つために日露戦争で最大の死傷者が出た旅順攻略へとつながっていきますが、後々話したいと思います。
この記事の引用元:世界史劇場 日清・日露戦争はこうして起こった(作者 神野正史) 発行:ベレ出版 http://sekaisi.com/
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