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一部で騒がれている「中国人が日本の土地を狙っている!」「土地(不動産・森林)買収侵略」について

昨今、雑誌・新聞で「外国資本による土地買収」が問題視されているのが、保守層では高い嫌中感情を煽るためか【中国人による北海道の土地買収侵略】と、チャンネル桜、虎ノ門ニュース等で元北海道議員の小野寺まさる(自民党帯広支部の常任顧問)、ジャーナリストの有本香等がネット番組内で言及したり、関連本を出版するなど、これが保守層の現状となっている。

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私自身、保守と自認しているが【中国人による土地買収侵略】には疑問が生じている、っというより、原野商法(詐欺)の片棒を担いでるのでは無いか?と危機感を抱いている。

外国資本(企業・個人)による投資や不動産購入は確かにあるのだが、いくら情報を漁っても【侵略】という実態が見つからなかった。

中国の国防動員法を「中国は有事の際に国内外の中国人が中国共産党の指示の元、戦闘行為をする」等と間違えてる保守層が非常に多い為に【侵略】というワードを付ける事により、想像が膨らみ危険だ!危ない!と恐怖心や危機感を煽る事ができる。

当然、注目度も浴びるし、講演会やら本の出版、番組出演、団体等のセミナー等の仕事も舞い込んでくるだろう。

香港国安法も同じで、内容を見れば事後法&域外適用なので危ないように見えるが、、いくら日本国内で日本人が「台湾独立!」「香港独立!」と言っても中国警察や香港警察、人民解放軍が日本に来て勝手に捕まえるなんて事は出来ないし、国際警察も受け付ける訳が無い。

事実、香港の民主化運動の羅冠聰(ネイサン・ロー)等は国安法が導入された直後、香港を発ちロンドンに滞在している。

未だに香港国安法で意味不明な煽りをして不安になっているのは、、、、。

香港国安法を見れば、あんたらが変な行動をする事で香港民主運動家の首が締まるのが分からないのか?馬鹿なのか?と私は思うし、そりゃ支持者や信者は香港国安法は怖いでしょうね。笑

さて、本題に戻そう。

外国資本(個人・企業)による土地(不動産)買収(購入)は有るか無いかで言うと有る、が中国人による土地買収侵略は無い。

下記は森野庁が公開している「外国資本による森林買収に関する調査の結果について」なのだが、中国全体で見ると件数は多いが、中国(香港)と中国で分けると中国が圧倒的に少ないのが分かる。また、買収面積についても非常に少ない。

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利用目的を見れば、とても【侵略】目的で買収してるとは言えないのだが、想像豊かな人や陰謀論者はチャイナマネーやら、素直に利用目的なんて書かない!と言うだろう。笑

ペーパーでは無く不動産会社

日本共産党の機関紙「赤旗」で気になる記事を見つけた。

夕張市が2017年2月、2億4000万円で中国人経営者の呉之平氏が社長を務める中国系企業「元大リアルエステート」に「マウントレースイスキー場」「ホテルマウントレースイ」「ホテルシューパロ」、「ファミリースクールひまわり」の四つの観光施設を売却しました。しかし、わずか2年後の今年3月末、香港系ファンドに約15億円で転売されました。直接売却していれば、夕張市は10億円以上も多く受け取ることができたはずでした。

左翼は証拠を捻じ曲げるが、証拠を探す力は凄いので良く証拠探しで活用するので皆さんも参考にして欲しい。

赤旗のツッコミ所がアホ丸出しそのものだが、夕張の施設を買ったのはペーパーカンパニーでは無いのが分かる。

外資から外資への転売は問題?

海外に居住する外国人が日本の不動産(土地)を購入した場合、外為法上で資本取引に該当するので、購入から20日以内に日銀を経由して財務大臣宛てに購入した人の氏名(名義人)、購入価格などを報告しなければならない「外為法による届出義務」が生じる。

ただ、以下の条件に当て嵌まるのは適用外となる。(非居住者とは海外に居住する者)

1. 非居住者本人または当該非居住者の親族若しくは使用人その他の従業員の居住用目的で取得した場合

2. 日本において非営利目的の業務を行う非居住者が、当該業務遂行のために取得した場合

3. 非居住者が本人の事務所用として取得した場合

4. 他の非居住者から不動産を取得した場合

上記の条件に当て嵌まらないケース(例えば人民解放軍との極秘通信基地)は全て、財務大臣へ外為法による届出義務が生じるので、財務省及び財務大臣が把握していないはずは無く、当然の事だが違反をすれば外為法違反となるのだが、そのようなニュース報道は私は見た事が無い。笑

しかし、外為法の不備は以前から指摘されているのだが、森野庁の資料にある利用目的が不明等になっている買収物件に関して調査をしているのだろうか。

なのに、財務大臣から外国資本による土地買収に関する外為法の不備がある!法改正するべき!という声が全く聞こえないのは何故なのか。

それでいて、安倍総理や北海道の鈴木知事を批判する麻生太郎支持者の渡邊哲也が出演してるチャンネル桜は分かりやすい。笑

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アリババに売りに出されてる?

続いて「北海道の土地がアリババで売られてる」というネタなのだが、これは問題視される以前からアリババで掲載されている。何故、「掲載」という表現なのか、、、。

アリババに掲載されている物件は適正価格よりも高い値段(坪単価よりも高い価格設定)で掲載されていたり、購入希望はお問い合わせ下さい日本国籍のある人に売ります等と書かれており、売る気が全く見え無いし感じないし、中国人向けに売っているとは言えない。

ちなみにだが、北海道の土地以外も掲載されている事が確認できるので信じられない人は自分の目で確認して欲しい。

森野庁の資料を見ても海外資本(個人・企業)による買収はある、東京五輪の関係や日本人・外国向けのビジネス展開での不動産購入は増えている、そして下記の法務省の統計を見ると在留許可を得てる中国人の数は増えてはいる。

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しかし、中国人の増加数を見るとベトナムやインドネシアよりも全く多くは無いし、永住(移民・移住)よりも留学や技能実習等が圧倒的に多いのが分かる。

中国人の増加は一昨年(2018年)くらいから増えてはいるが、2017年まで減少傾向にあった。侵略というなら少しずつ右肩上がりで増えるものだが、どこをどう見れば侵略なのか。明らかに、東京五輪の影響、円安政策の影響、技能実習生の受け入れ増加だろう。

侵略の為に増えてる訳では無いが、増えているという事実につけ込み【侵略】というワードを付ければ、嫌中感情が高い人達や某カルト宗教、思考が桜祭の人達の想像力が掻き立てられ、実態の無いものと戦うという側から見れば異常に見える行動が完成する。

長々となってしまったが、外国資本の買収の例をご紹介しよう。

「外資による土地買収問題」(佐藤郁夫)

さて、もうひとつ我が国の対応が遅れているのがグ ローバル化の津波への対応である。古い制度が防波堤 となっている危うさがある。なかでも外資による本道の土地買収問題については、全国のマスコミ等を騒がせる話題である。ただ、外資による土地の買収は普通 に起こっているし、歴史的にみても珍しいことではない。何よりも外資による土地の売買は違法でない。石狩市内に欧州系の企業が進出したことがあるし、外資系企業の多くが道内を含める各地に土地を保有していた。そのことを例証するように、昨年2月には国有財産である瀬戸内海の無人島が国籍を問わない公開入札で売り出された。 最近の道内事例をみても、美瑛町のオーベルジュが台湾資本へと衣替えしている。また、アブダビの王族が出資するダーレージャパンが農業委員会の承認を経て次々と離農先(競走馬生産者)を買収しているし、農業生産法人でもある。また、西友がウォルマートに買収され、同社が保有していた土地は外資のものである。これらは経済のダイナミズムを反映、後継者不足など先行きに不安を感じた経営者の選択の結果であり、むしろ人助けに近い商行為もある。したがって、 マスコミが騒ぐたびに「 売りたい土地(森林)があるのだけど」という問い合わせが所管の部署に届いていると聞く。

これを見れば、外国資本が日本の土地や企業を買収しているのは以前からあり、マスコミが騒ぐ度に売りたい!と所有者が所管の部署に連絡が入ったというのが分かる。

一体どこのマスコミが?と思ったら、産経新聞社編集委員の宮本雅史が宣伝活動に勤しんでるのが分かる。

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上記の記事でも、宮本雅史が鈴木直道北海道知事の事に触れているので、某カルト宗教の人達が鈴木直道北海道知事を敵視するのは当然だろう。

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お仕事が増えて良かったですねー(呆)

ちなみに、産経の宮本雅史が中国が北海道の土地を狙っているのは間違い無いして記事を出したのかは、下記を見れば答えは分かってくるはずである。

虎ノ門ニュースで上念司が「原野商法の片棒を担ぐ」と言って触れる事を避けたのだが、正解だろうし、産経は幸福とも絡みがあるので全幅の信頼をするのは危険と言える。

小野寺まさるは他に「ジャガイモ農家に直接、中国人が訪れて高値で大量に買い付けてる」や、アイヌ問題(利権など)の事実を捻じ曲げている。

北海道民は怒るべきである。

最後に

安全保障の観点で見れば、自衛隊の駐屯地の近くの土地が買収され高層マンションが建設される、というのに危機感を感じる人も多いだろうが、北海道のみならず例えば、市ヶ谷駐屯地が見える高層マンションや大学がある。

元陸上自衛官だった私からすると、今更感が強いし見られて困る物は外には置かない、見えるようにはしないのだが「安全保障」の観点で言うのなら、私は文句は無いが実態が無いのに実態があるかのようにするのは完全に間違いだ。


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まっつん
日本国士を運営している松岡 石舟斎です。 ノートをご覧いただき誠にありがとうございます。 サポートをしていただけると幸いです。 宜しくお願いします。