幸福の科学が「チュチェ(主体)思想」を広めていたのに、元信者が中国共産党による日本分断工作ネタにして支持層獲得&ビジネスしてる件
保守界隈で「チュチェ思想から国民を守る会」なるものが設立され、沖縄の琉球独立やアイヌ民族の先住民運動などが、チュチェ(主体)思想に染まった日本人左翼や在日朝鮮人が日本分断工作をしていて、その背後には中国共産党がいる…っという感じで人気を得ているが果たしてそうなのだろうか。
チュチェ(主体)思想とは
まず、チュチェ(主体)思想というのは、1950年代に起きた中ソ対立により自国への影響を懸念した金日成(金正恩の祖父)が、マルクス・レーニン主義をもとに独自の国家理念として唱え展開した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)及び朝鮮労働党の政治思想である。
人間は自己の運命の主人であり、大衆を革命・建設の主人公としながら、民族の自主性を維持するために人民は絶対的権威を持つ指導者に服従しなければならない。
もっと細かい内容があるが今回は割愛するとして、この政治思想を「チュチェ思想から国民を守る会」で活動する人物らは、ようは中国共産党が北朝鮮を背後から操り日本でチュチェ(主体)思想を浸透させ染まった日本人や在日朝鮮人を沖縄の琉球独立やアイヌ民族の先住民運動など日本分断工作を展開しているとしていて、理由としては戦時中も北朝鮮(朝鮮人)は中国共産党に操られていた(利用されていた)からだとしている。
普通の人からすると、そうか!そうだ!と思うかも知らないが、戦前から中ソ対立までの中国共産党はソ連による指導や指示で動いているので、元を辿れば朝鮮人を操っていたのはソ連であり、ソ連が直接、朝鮮人を利用していたケースもあるので、歴史に詳しい人からすると大間違いレベルである。
デタラメな理屈で展開
「チュチェ思想から国民を守る会」の人物らが、いかにデタラメを言っているのか説明しよう。
ソ連が朝鮮人を直接利用していたケースと言えば、チュチェ(主体)思想を唱えた金日成の経歴をWikipediaから抜粋するので参考にして欲しい。
ソ連に越境した金日成は、スパイの容疑を受けてソ連国境警備隊に一時監禁される。その後、東北抗日聯軍で金日成の上司だった中国人の周保中が彼の身元を保証して釈放される。1940年12月のハバロフスク会議を経て、金日成部隊は周保中を旅団長とするソ連極東戦線傘下の第88特別旅団に中国人残存部隊とともに編入され、金日成は第一大隊長(階級は大尉)となった。彼らはソ連ハバロフスク近郊の野営地で訓練・教育を受け、解放後には北朝鮮政府の中核となる。1945年8月、ソ連軍が北緯38度線以北の朝鮮半島北部を占領した。金日成は9月19日にウラジオストクからソ連の軍艦プガチョフに搭乗して元山港に上陸、ソ連軍第88特別旅団の一員として帰国を果たした。同年10月14日に平壌で開催された「ソ連解放軍歓迎平壌市民大会」において、金日成は初めて朝鮮民衆の前にその姿を現した。(引用 金日成Wikipedia)
どこに中国の影があるのか。笑
そもそも中国共産党には、中ソ対立や文化大革命の時に一般的に言われるマルクス・レーニン主義と区別して扱われ強烈に唱えられ、1982年制定の現中華人民共和国憲法に堅持すべき対象として記載されている、チュチェ(主体)思想のような政治思想「毛沢東思想」がある。
つまり、マルクス・レーニン主義をもとに創られた「チュチェ(主体)思想」と、マルクス・レーニン主義と区別されて唱えられた「毛沢東思想」なので、この時点で可笑しいと感じるだろう。
チュチェ(主体)思想を広めてたのは?
中国共産党がチュチェ(主体)思想に染まった人を工作で利用しているのなら当然の事ながら日本でチュチェ(主体)思想を密かに広めている(浸透)のも中国共産党(日本の共産主義者も)と考える人はいるだろうし、そう思ってる人はいるだろう。
チュチェ(主体)思想研究会なるものも存在するみたいなので、そういうものの存在が信憑性を高めていると思うが「チュチェ思想から国民を守る会」が如何にデタラメであり、ビジネス的に支持層獲得を狙っているのかを教えたい。
分かるだろうか?自称保守系宗教「幸福の科学」のホームページの記事に「日本こそ、主体思想を!」とあるのが。
過去に幸福の科学はエルカンターレ大川隆法の有り難い法話でチュチェ(主体)思想を広めていたのだ!
しかも、汚いことに私がこの件をTwitterで「チュチェ思想から国民を守る会」で活動する人物らやツイートで指摘をしたところ今現在、上記で検索ヒットする記事は幸福の科学のホームページから削除された。
ようは保守界隈で問題視されている、中国人土地買収侵略(デマ確定)や中国人食料買付(デマ確定)などの「中国日本侵略・分断工作」ネタに、こじ付けて保守層に根付いている嫌中感情を煽って支持層を獲得しようとしているのが分かる。