サービス残業が競争力に及ぼす悪影響
様々な企業が働き方改革に取り組む中でサービス残業が文化になってしまっている会社は多くあります。
そういった会社の多くは競争力が下がっている現実に気づくことができず業績を上げようとしてさらにサービス残業が増えるという悪循環を繰り返しています。
サービス残業が企業の競争力に及ぼす悪影響について、いくつかの重要なポイントを紹介します。
生産性の低下
サービス残業が恒常化すると、従業員の疲労が蓄積し、生産性が低下します。疲れた状態での仕事はミスが増え、結果として品質が低下します。これが顧客満足度の低下につながり、競争力を損なう要因となります。
イノベーションの阻害
長時間労働が続くと、従業員が新しいアイデアを考える余裕がなくなります。クリエイティブな発想や新しい技術の導入が遅れ、競合他社に遅れを取るリスクが高まります。
社員のモチベーション低下
過度な残業が続くと、社員のモチベーションが低下します。モチベーションが低い状態では、優れたパフォーマンスを発揮することが難しくなり、結果として組織全体のパフォーマンスも低下します。
適正工数が測れないことの問題
サービス残業が恒常化すると、実際の労働時間が見えにくくなり、適正な工数の測定が困難になります。この問題は、企業の競争力に次のような影響を及ぼします。
適正価格を誤って判断してしまう
サービス提供の工数をもとに適正価格を判断することが通常ですがブラックボックス化している工数については価格の算出根拠から漏れてしまうため本来、価値提供するうえでいただくべき適正価格ではなくなってしまいます。
時代の変化に合わせてサービスも変わっていく中で価格を誤って判断してしまうことは事業競争の観点で非常に不利な影響を及ぼす可能性があります。
プロジェクトの正確なコスト管理が難しくなる
サービス残業を含む実際の工数が把握できないため、プロジェクトのコスト管理が曖昧になります。これにより、コスト超過や無駄な支出が発生しやすくなります。
計画の信頼性が低下する
正確な工数が分からないと、プロジェクトのスケジュールやリソース計画が正確に立てられません。これにより、計画通りにプロジェクトを進めることが難しくなり、納期遅延や品質低下のリスクが増します。
社員の評価が公平に行えない
実際の工数が見えないと、従業員のパフォーマンス評価が公平に行えません。これが社員の不満を招き、離職率の増加やモチベーションの低下を引き起こします。
結論
サービス残業は、企業の競争力に対して重大な悪影響を及ぼします。
特に適正工数が測れないことは、コスト管理の不透明化、計画の信頼性低下、社員評価の不公平といった問題を引き起こし、結果として企業全体の競争力を著しく損ないます。企業はサービス残業の実態を見直し、適正な工数管理を徹底することで、持続可能な競争力を維持することが求められます。