企業が可変性を失う理由-停滞の第二創業期-
会社が変わらない理由は往々にして役員~管理職にある。
こんにちわ。私はこれまで様々な企業に出入りして組織を客観的に眺めてきました。
今回はよく言われる第二創業期がうまくいかない組織に見られる可変性を失ってしまうという問題を解説していきたいと思います。
共通のマネジメントスタイルが原因?
この問題の背後には、共通のマネジメントスタイルが原因であるケースが多々あります。
例えば、「それは社員に考えさせる」とか「ケイパビリティが低い」という言葉が頻繁に聞かれます。
第二創業期の会社組織にはこうした言葉が仕組みを作るミーティングなどで頻繁に発生しますがこれらには大きな問題があります。
「考えさせる要素」の分散
仕組みを作るうえで「考えさせる要素」が分散することは組織の柔軟性を奪っている要因です。
本来、均一なサービスを提供すべきなのに要所で「考える」ということが発生するためサービスの提供方法に属人性が生まれるためです。
新規事業のサービス提供事例
例えば、新規事業のサービス提供においても「課題の認識を社員がしておくべき」ということで、サービスの導入・提供のすべてを一般社員任せにするケースがあります。
しかし、教育や考える時間を与えないままでは、その役割を社員が果たせるでしょうか?
自分で学べという方針は、教育施策として機能しないのではないでしょうか。
自分がそうしてきたことを一般職に求めるのは、果たして適切なマネジメントでしょうか。
そもそも会社としてのスタンダードな納品とは何でしょうか。
工数や必要なスキルなどを計算せずに価格設定をしているのでしょうか。
サービスリリース後に最適化の努力はしているのでしょうか。
安直なマネジメントがブラックボックスを生み出し、組織の可変性を失っていくのです。
工数の見積もり
上記の事例は実体験でもあるのですがサービスの導入支援や運用支援でかかる工数を見積もったところ、多く見積もっても23時間程度で、そのうち顧客事情に配慮が必要で担当する社員がこなすべき仕事は6時間程度でした。
それであれば新規事業を立ち上げたチームですべての工数を処理することが適切だと考えられます。
サービスの適正化をしていくという観点でも適切だと考えられます。
このような小さな事例でも、ボトムアップを求め、考えることを放棄している経営層と、不適切なマネジメント育成の問題が浮き彫りになります。
ケイパビリティの誤認
また、「ケイパビリティが低い」という課題も誤認が多いと感じます。そもそも低いから何なのかという本質的な問題を捉えず、ただの言い訳にしている可能性があります。
結論
これらの固定概念を壊さない限り、組織の可変性は取り戻せません。共に考え、改善を目指していくことが必要です。組織が持続可能で柔軟な環境を築くためには、マネジメントスタイルを見直し、社員に真の考える力を与えることが重要です。