行くなら、適正な日本語学校へ!
東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
複数の大学で、日本語教育、キャリア支援、日本人のアカデミックライティングなども担当しています。
日本語学校の適正化は日本語教育分野の悲願
長らく、管理の手が届かなかった日本語教育業界に、規制が入ることになり、日本語学校の質がジャッジされるようになりました。朗報だと思います。日本語教育機関認定法により、文部科学省が日本語学校の教育内容などを審査し、要件を満たした学校のみを認定することになっており、「合格」すれば、適正な日本語学校だということになります。
今回の第1回審査の結果
は以下のようなものとなりました。
全国で873校
申請72校
認定22校
継続審査11校
申請取り下げ36校
不認定3校
約7割が教育課程の内容が不十分などとして「不合格」と判定されました。予想以上に厳しい結果ともいえますが、もしかしたら、日本語学校全体があまりにも野放図に増えていたともいえるでしょうか。
いい学校、いい教師とは何だろう
と思います。
検定試験に合格させる、大学に合格させることだけを目的とした日本語学校が多いように見受けます。学校が出口を気にするのは仕方のないことだとは思います。けれども、大学で学生を受け取る立場から言うなら、日本語の実力をつけることができているのか、そこを問題にしたいと切実に思います。必ず、いや、いい学校ですよ、うちの先生は生徒のことを一番に考えてくれています、という話が出るでしょう。けれども今回の審査は、経営者の良心や、先生の人柄を評価しているのではありません。
外国人労働者は確実に必要
です。実際には移民なのに「移民」という言葉を嫌う日本社会ですが、日本の労働人口が減少している以上、とっくに差し迫った問題となっていることは、火を見るより明らかです。当然、日本語学校の教育の質、教師の質はなおざりにできない問題なのです。
学校の教育内容が適切なものとなり、教師の質が向上することは、心ある日本語学校にとっても、留学生を大切に思う教師にとっても、共通の願いなのではないでしょうか。