日本語ができない労働者とその家族が増加したら…?
日本留学・日本就職を支援する日本語のタネ代表の糸川優です。
今日は、日本語ゼロで日本で働く外国人の問題を考えてみたいと思います。
新宿あたりで、家族連れの外国人
をよく見かけますが、常々、不思議に思っていたことがあります。
ベビーカーでおチビさんを連れている家族を見ていて、この人たちは、服装や持ち物からして、旅行者には見えない、でも、もちろん、学生ではない(大学院生とか研究者という可能性はあるけど、そう大勢はいないだろう)。どう見ても、生活者なんです。だけど、日本語ができて日本に慣れている人には見えません。どういう資格、ビザで日本にいるのかなあと思っていたわけです。
私が日本就職を支援しているのは、留学生
です。日本の学校を卒業して、仕事を得る人たちです。
昨今、技能実習や特定技能の、あまり日本語ができない人たちが増えているのはあちこちで目にします。あちこちといっても、主に、地域にいる、という感じでしょうか。
今の技能実習が育成就労に変わると、家族を呼べるようになるようですが、今、いかにも日本に馴染んでいない家族連れがいるのは、どのような人たちなのだろうと不思議に思っていました。
日本語がゼロでも、日本で働いている
人たちがいる、しかも、家族を帯同することが可能だということをつい最近知りました。
それは、IT関連の仕事をしている人たちです。
彼らは、自国の、もしくは日本のエージェントを経由して日本に来るようです。
つまり、日本語ゼロでも、日本で働けるのです。さらに、高度人材や技人国のビザならば、家族とともに日本に移住が可能なのです。
派遣という身分
で来ることが多いようです。
IT業界は人材不足なので、広く人材を求めているのでしょう。
そして、彼らは、派遣だと3年という上限がありますから、気に入った職場ならば、直接契約に変更するとか、日本で正規労働者になる道を探すことになるようです。
そうなると、日本語がゼロいうわけにはいかないはずですが、そのような人の多くは、30代、40代なので、そこから新たな語学を学ぶのは結構厳しいということでした。
日本語がゼロの人
が、同様に、日本語がゼロの家族と日本で暮らしている、増加の一途を辿るのではないかということを思った時、少し気が遠くなりました。
定住するならば、やはり言語ができた方がいいわけですが、きちんと支援が受けられているのだろうかということです。
日常生活に支障はないの?学校どうするの?外国ルーツの子供の高校中退率が問題になっていますが、なかなか支援の手が届かない状態です。
日本に移住する以上は、孤立することなく、ともに日本社会を担ってほしいと考えますが、どうやら、思った以上に、現実は進行しているようでした。