行き過ぎた帰省が逆効果!? 「スカンソープ問題」とは?
インターネットで誹謗中傷や差別表現をできなくするのは大賛成!本当は心からそういうことをしないようにすることが一番ですが、そういった表現を書き込みできなくする応急処置があると良いですよね。
…と今まで思っていたのですが、ネットの表現規制も一筋ではいきません。行き過ぎた表現規制が、かえって悪意のない言葉を規制してしまう「スカンソープ問題」をご紹介しましょう。
「スカンソープ問題」とは、ウェブサイトに書き込んだ悪意ない言葉がスパムフィルター(差別、卑猥用語をブロックするフィルター)に引っかかってしまいブロックされる現象のことをさします。スカンソープとはイングランドのノースリンカンシャーにある地名。1996年にここの住民がAOL(懐かしい)のアカウントを作ろうとしたところ、町の名前「Scunthorpe」に「cunt(女性器を意味する罵倒語)」が入っているためAOLのスパムフィルターにブロックされてしまうという問題が起こったことから、こういった事例を「スカンソープ問題」と呼ぶことになりました。ちなみにスカンソープは数年後Googleにも同じことをやられ「スカンソープ」の名前が入っている地元企業を検索することができなくなってしまっています。
文脈を検知せず文字列だけで規制をしてしまうため発生するスカンソープ問題は今でもよく見られます。2021年、Facebookでフランスのコミューン「Bitche」の公式ページが削除されたため、仕方なくBitcheの郵便番号を使用し地名を「Mairie 57230」に変更しました。Facebookに直接申し出たところFacebook側が謝罪しページを元に戻してくれたそうです。とあるニュースサイトでは記事に出てくる単語を自動的に変更するフィルターを使用した結果「ass(ケツ)」が入っている文字列をすべて「butt(尻)」に変更されることになったため「Classic(クラシック)」は「Clbuttic」、「Assignment(割り当てられた仕事)」は「Buttignment」、そして「Assassinate(暗殺)」が「Buttbuttinate」とお尻攻撃に変えられてしまう事態となりました。
表現規制は非常に難しく、行き過ぎると今まで言葉に隠れていた罵倒語などが浮き出てしまい逆効果になってしまうんですね。ちなみに私の下の名前「幹治(みきひろ)」の「幹」は中国語スラングで「Fuck」という意味になってしまうそうです。向こうで仕事をするときにスカンソープ問題に合うのか…ドキドキワクワクしている今日この頃です。