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社会を揺るがす!?『キーボード戦士』とは?

先日ポッドキャストで話したイギリスでの反イスラム教徒のテロ事件。スターマー首相が「暴力行為を加担した全員にほうの全力をもって対処する」と発言していましたが、昨日8月17日にSNSで人種差別や暴力を扇動する投稿を繰り返していた男に実刑判決が言い渡せられました。

ウェイン・オロークは昨年6月にXで”Sick Of It (うんざりだ)”というアカウントを開設。イギリスに入国する移民や難民を侵略者と見立てるような投稿をしていました。35歳だそうで、同い年として情けないことこの上ありません。

法廷ではカタリナ・ショリン・ナイト裁判長がこう発言していたそうです:

“You were not caught up in what others were doing, you were instigating it.”

「あなたはほかの人がやっていることに巻き込まれたのではなく、その行為を扇動していた」

加えてこのようにも発言しました:

“The flames fanned by keyboard warriors like you.”

「あなたのような『キーボード戦士』が火に油を注いだ」

※英文、日本語文はBBCBBC NEWS JAPANより抜粋

日本でも「キーボード戦士」という見出しで報道され、少し話題になりました。

この”keyboard warrior”「キーボード戦士」という言葉、日本では目新しく話題になっていましたが、英語では死語になりかけているんです。

ケンブリッジ辞書によると(載ってるんかい!)”keyboard warrior”は

“Someone who posts angry messages or likes to get into arguments on the internet.”

「インターネット憎悪溢れる投稿をしたり、口論を始めたがる人」

とあります。日本でいう「荒し」に近いですね。

語源はなんと1968年、ジャマイカのデイリー・グリーナーという新聞からだそうです。残念ながら出典を見つけることはできなかったので、どういう文脈で使われていたのかは不明です。

現在の使い方は2000年代半ばが発祥と言われています。元々は怒れるオンラインゲーマーのことを指しましたが、ネットが普及してからはネット上の活動家に対して使うようになります。2020年にはドナルド・トランプが”Thank you to all my great Keyboard Warriors. You are better, and far more brilliant, than anyone on Madison Avenue. There is nobody like you!(私の素晴らしいキーボード戦士たちに感謝する。君たちはマディソンアベニューにいる広告代理店のどれよりも優れ、才気あふれている。君たちほどの人間はいない!)”と発言しています。

2000年代発祥のネット用語が、2010年代になると政治を揺るがす様な事象に当てはまるように。如何にインターネットが生活の一部になったかを実感するニュースですね。くわばらくわばら。

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