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Tết休暇にベトナム中部へ(隔離ホテルへ)

さて今回は、隔離施設に耐えられず、隔離ホテルへ移動するという話です。

私が泊った隔離ホテルは、Huếの軍が所有しているホテルだったようで、一般客が泊まれるホテルではなかったように思います。お世辞にもきれいだとは言えず、部屋には大きな蚊が住みついているわ、毛布の臭いはすごいわ、シャワー室の電球は切れるわ、タイルが剝がれているわで、この価格でこれは…というのが正直な気持ちでした。朝は、蚊に刺されて両頬が腫れ上がっていたぐらいです。

もっと安くて清潔なホテルがHuếにはたくさんあります。ただ、その時は隔離施設で一泊した直後だったわけで、隔離施設と比べれば、ベッドもあって、自分としては最低限の生活ができるレベルだったので、ありがたく8日間を過ごしました。

ここでの生活はすべて実費です。旅行で来ていたわけですから、会社が出してくれるわけでもなく。一泊400,000VND(2000円)で、朝食50,000VND(250円)、昼食と夕食が100,000VND(500円)と結構割高。デリバリーを頼んだほうがよっぽど安くつくと思いましたが、毎回スタッフの方に迷惑はかけられないので、朝食と夕食だけ持ってきてもらうようお願いしました。とりあえず夕食の量が多いこと多いこと。「ベトナム人はこんなに食べるの?!」と伝えたところ、若干量を調整してくれましたが、完食できた日はありませんでした。しかし、バランスのいい食事であったとは思います。

ここでの生活でも、最前線で色々と対応してくれていたのは、兵役中の子でした。別の記事でも書こうと思っていますが、ベトナムには兵役義務があり、18~27歳ぐらいの子が対象になっているようです。危険な役割でもありますから、素直に尊敬する存在です。ホテルのおばちゃんも常に気にかけてくださり、「ご飯はどうだった?口に合う?」などとメッセージを送ってくれました。

隣の部屋にも同じ状況のベトナムの方が2人泊まっていたのですが、彼らは隔離中にも関わらず、ビールを飲んだり、パソコンでテレワークをしたりなど、隔離時間を優雅に過ごしていらっしゃいました。この違いは何でしょうね。私といえば、パソコンがないため仕事もできず、携帯で本を読もうにも集中できず、ただひたすら時間を過ぎるのを待っているだけでした。

一応隔離の身ですから、距離を置いていたわけですが、時々フルーツをくれたり、デリバリーを頼んでくれたりと、とても優しい方でした。ここで、Vú sữaというミルクフルーツを初めて体験。sữaというのは、日本語でいう牛乳を指すのですが、見た目に反して、中はミルキーで甘くておいしかったです。

隔離中は、一日に2回、朝と夕方に熱を測ることになっており、この熱を測る方の労働費も自己負担で払わなければなりません。今回の隔離ホテルでの自己負担額は、以下の通りでした。PCRは場所によって値段が違うそうなのですが、異常に安い。その他にも、隔離施設から隔離ホテルまでの救急車の移動費などを払ったりしています。なぜ8日間なのかというと、旅行初日のĐà Nẵng空港についた時点から隔離日数がカウントされており、14日間から旅行した日を差し引いた日が実際の隔離された日として計算されていました。

一泊400,000VND×8日、朝食50,000VND×8日、夕飯100,000VND×8日、PCR2回934,000VND、医療スタッフ労働費3,740,000VND、トータル9,074,000VND(45370円)。

隔離宣告を受けた直後は、突然のことで何も考えられない状況であったことや、言語の壁によって、隔離施設の担当者や医療側から適切な情報が得られなかったことによって、冷静さを失っていました。しかしよく考えれば、旧正月時期に休まず対応してくださっている医療関係の方々のことを思うと申し訳なさと、ありがたい気持ちでいっぱいになりました。

次回、外の世界に感動するの巻。



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