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タワマン購入者が陥る住宅ローンの罠、「自己責任」で片付けていいの?
「住宅ローンで買ったタワマンの貸し出しは契約違反 銀行の指摘相次ぐ」
住宅ローンで購入したタワーマンションの賃貸転用が契約違反だと、銀行が指摘し始めたそうです。ネット上では「騙された方が悪い」という声も見かけますが、それは違うと思います。
不動産業者は「自己居住用ローンで購入して、後から賃貸に出しても大丈夫ですよ」と説明。プロが断言するんです。一般の購入者が疑うのは難しいですよね。スルガ銀行の投資用マンション問題の時も、多くの人が「被害者が悪い」と言われましたが、それは間違いでした。
特に悪質なのは、「銀行も黙認していますから」という不動産業者の甘い言葉。専門家を名乗る人たちが、揃って「問題ない」と太鼓判を押すんです。こんな状況で「契約書をよく読むべきだった」なんて、あまりにも酷な話です。
銀行だって、賃貸転用が横行していることを知っているはず。でも、自己居住用の優遇金利で顧客を集め、問題が表面化したら「契約違反です」と責任転嫁。不動産業者は「賃貸OK」と偽って販売する。この構造的な問題を、なぜ購入者だけが負うべきなのでしょう。
こんな話を聞くと、不動産業界って本当に変わってないんだなって思います。スルガ銀行の教訓は何も活かされていない。むしろ、より巧妙な手口で一般市民を騙し続けているだけ。そして、またしても「自己責任」の名の下に、被害者が非難される。
今週、みずほ銀行の不正取引やフジテレビのスキャンダルなど、大手企業の不祥事が続いていますが、このタワマン問題も同根です。問題の本質は、弱い立場の人々を騙しておきながら、その責任を転嫁する企業体質にあるのではないでしょうか。
金融庁も今後、監視を強化するかもしれません。でも、それまでに被害に遭う人が出ないよう、これは「個人の問題」ではなく「業界の構造的な問題」として、しっかり議論すべきだと思います。
こういう悲しい目に合う人が少しでも減りますように。
https://si-hd.org/voice/news20211001.html