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すごい知財EXPO2025 事前セミナーに弊所代表加島が登壇:「審判実務者研究会報告書から学ぶ最新実務と活用法」

はじめに

すごい知財EXPOとは、知財業界最大級のオンラインイベント「知財業界における年に一度のお祭り」です。

4月にイベント当日が迫るすごい知財EXPO2025の事前セミナーに弊所代表加島が登壇しました。

セミナー詳細は下記をご確認ください。

日時:2025年2月5日 水曜日開催
スケジュール:



当日のセミナーの概要

本セミナーでは、弊所代表加島が参加している特許庁の審判実務者研究会の報告書を基に、最近の特許実務における重要なトピックを解説しました。
テーマは「審判実務者研究会報告書から学ぶ最新実務と活用法」とし、
特に、明細書作成のヒントが共有しました。

1. 審判実務者研究会とは

  • 特許庁審判部が2006年から毎年開催している研究会。

  • 当初は「進歩性研究会」として始まり、後に現在の名称に変更された。

  • 産業界の実務者(弁理士、弁護士)、裁判官、審判官など、異なる立場の専門家が一堂に会し、審決や判決について研究を行う。

  • 2016年度からは、知財高裁や東京地裁の裁判官がオブザーバーとして参加している。

  • 各年度の研究成果は報告書としてまとめられ、特許庁のウェブサイトで公開されている。

    審判実務者研究会報告書 特許庁


2. 研究会報告書から見る最近の実務のホットトピック

  • 過去4年間の報告書(2020年から2023年)を基に、各分野のトピックが紹介された。

  • 数値限定発明に関する議論が頻繁に行われており、特にサポート要件と進歩性判断が重要なテーマとなっている。

    • 2022年はサポート要件、2023年は進歩性判断が議論された。


  • 機械分野では、数値限定発明のサポート要件と進歩性判断が議論された。

  • 化学分野では、新規事項、明確性要件、サポート要件、進歩性判断に関する議論が繰り返された。

    • 特に医薬バイオ分野では、予測できない顕著な効果、内在的特性に関する議論がなされた。

  • 電気分野では、ビジネス方法やゲームのルールに関する進歩性判断ソフトウェア関連発明の進歩性判断が議論された。

    • ソフトウェア関連発明では、情報処理の技術的意義を示す必要性が強調された。

  • 意匠分野では、意匠の類否判断、創作性、商標法との境界などが議論された。

  • 商標分野では、識別力に関する議論が中心に行われた。



3. 報告書から得られる明細書作成のヒント

  • 数値限定発明では、数値限定の上限値、下限値がもたらす作用効果を明細書に明記することが重要である。

  • 技術的意義を明確に示すことで、設計的事項とみなされるのを防ぐことができる。

  • 実施例を充実させ、サポートされていない数値範囲については、課題解決の原理やメカニズムを記載することが望ましい。

  • ソフトウェア関連発明では、

    • 用語の曖昧さを避け、明確に記載する。

    • レイヤー構造を意識し、一貫性のある用語を使用する。

    • フローチャートやアルゴリズムの説明を詳細に記載する。

  • 明細書とクレームの整合性を確保する。


4. 参加者の立場の違いによる見解

  • 電気分野を例に、出願側(弁理士、企業知財担当者)と審査・審判側(審査官、審判官)の視点の違いが紹介された。

  • 出願側は、クレームの明確性実施例の充実明細書とクレームの整合性に注意する必要がある。

  • 審査・審判側は、クレームの解釈明確性の判断新規事項の追加に注意する必要がある。

  • 審査官は、引用発明の内容を正確に把握し、安易な周周知技術の認定を避けるべきである。

  • ビジネス上の観点からは、ソフトウェア特許の牽制力が強すぎると、企業の事業活動や資金調達に悪影響を及ぼす可能性が指摘された。


5. その他の重要なポイント

  • 研究会は、前半で一般的な論点、後半で個別事例について議論が行われる。

  • 様々な立場の参加者が自由に意見交換することで、多角的な視点を得ることができる。

  • 報告書を読むだけでも実務の勉強になる


セミナーまとめ

本セミナーでは、審判実務者研究会の報告書を深く掘り下げることで、特許実務における最新の動向や重要なポイントを紹介しました。特に、数値限定発明やソフトウェア関連発明に関する議論は、今後の実務において非常に役立つかと思います。また、参加者の立場の違いを理解することは、より効果的な権利化戦略を立てる上で不可欠です。

セミナー報告は以上です。ご覧いただきありがとうございました。


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