
「アビガン」をめぐる闇~続・新型コロナウィルスは安倍政権の息の根を止めるのか…
昨日に引き続いて、新型コロナウィルスの問題について書いていくが、その問題というのがこちら。
あり得ない。抗HIV薬が効果があると言う話はあるようだが、アビガンは新型インフルエンザ対策で用意したが胎児への催奇性などの副作用で使えなくなっただけの代物。どさくさまぎれの在庫一掃など許してはならない。★新型コロナ治療にインフルエンザ薬「アビガン」検討 https://t.co/Tkhah0YkLQ
— 日本国黄帝 (@nihon_koutei) February 22, 2020
この私のツイートも多くの人々が見て頂いているようなので、この「アビガン」の問題についてもう少し詳しく説明させて貰いたい。
「アビガン」は、富山化学工業(現・富士フイルム富山化学)が富山大学との共同研究で作り上げたファビピラビルという薬剤を成分として 、2014年3月に日本国内での製造販売承認を取得した、日本生まれの抗インフルエンザ薬。
同じ抗イフルエンザ薬としておなじみの「タミフル」よりも強い効果があり、「ゾフルーザ」で問題になっている薬剤耐性を持ったウィルスを出現させるリスクも少ないことから注目を集めていたのだが、動物実験段階で投与すると胎児に奇形を生じさせる副作用、それも女性だけではなく男性の精液にまで移行して奇形を誘発するような強い催奇性が確認されてしまった。
当然、製品化は中止になるかと思われたのだが、当時、発生が懸念されていた新型インフルエンザの治療薬ということで国が特例として製造販売を承認。ただし、医師が自由に使ったり、一般に販売されるような薬品ではなく、国が認めた、あくまでも他の抗インルエンザ薬が効かないという止むを得ない場合にだけ使用が許可される特別な医薬品なのだ。
本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である。~「アビガン」添付文書~
※「アビガン」の詳しい副作用、注意事項などについては上の部分をクリックすると添付文書が見られます↑
「アビガン」はこうした経緯で誕生した訳で、企業から見れば開発して作ってはみたものの全く売れなかった医薬品、失敗作と言っていい代物だろう。
で、ここから話はさらに複雑になっていくのだが、
上の公示の通り、厚労省は2018年の3月に「アビガン」を新型インフルエンザの流行に備えるという目的で、金額は不明だが莫大な予算を使って、何と191万人分も購入し、備蓄をしたのだ。勿論、その後、新型インフルエンザの発生や流行は起きていない訳で、この備蓄された「アビガン」も全く使われていないし、メーカーでもほぼ製造もしていない筈。
その状況で起きたのが、今回の新型コロナウィルスの発生であり、大流行ということ。
この結果、中国では新型コロナウイルスに効果があるかも知れないということで、抗インフルエンザ薬、抗HIV薬、抗マラリア薬など様々な薬品が感染者や患者に投与されて実験が行われているが、この中の一つに、中国でライセンス生産もされている「アビガン(ファビピラビル)」も含まれているのだ。
そもそも「アビガン」はそのメカニズム(RNAポリメラーゼ阻害)からインフルエンザウィルス以外のRNAウィルス、鳥インフルエンザやエボラなどのウイルスにも効果があるのではないかと言われていて、エボラ出血熱の患者などにも試験的に投与されたことがあり、今回も中国で同じRNAウィルスである新型コロナウィルスの治療薬としても期待されたという訳なのだ。
ただ、現段階で言えば「アビガン」にも一定の効果は認められたものの、そもそもエボラ出血熱の治療薬として米国で開発された抗ウイルス薬「レムデシビル」の方が効果が高く、副作用がないということで中国ではより一歩進んだ臨床実験に進んでいると言われている。
さらに言えば、中国ではこういった「抗ウイルス薬」以上に、新型コロナウィルスに感染して治癒した人の血漿が効果が高く、全く副作用のない「抗体薬」として注目されている。
いずれにしても感染者や重症化した患者が溢れ返って、一刻も早い治療が必要とされている中国では、副作用がどうとか言っている場合ではないし、とにかく効きそうなものは何でも試す状況。
特にかってHIV、エイズの治療で幾つもの薬剤を組み合わせて使う「カクテル療法」が功を奏した事もあって、今回も一種類ではなく様々な薬剤を組み合わせた投与も行われているので、どの薬剤がどう効いたのかは実は訳が判らない状況と言っても過言ではない。
こんな混乱した状況の中国で投与され、一定の効果があったというだけでは、催奇性の強い「アビガン」を日本でも新型コロナウィルスの感染者に投与することが正しいとはとても思えないのは事実。
また、そもそも「アビガン」などの抗インフルエンザ薬、抗ウィルス薬はウィルスの増殖を抑えるのが役割であり、感染初期や発症してすぐならば重症化を防ぐ効果はあるものの、重症化した肺炎になってしまえば、こういった薬剤よりも人口呼吸器や人工心肺などによる呼吸管理が出来るICUといった病院の設備、ベットの数の方が患者の救命の為にはより重要になってくる。
更に言えば、今回の新型コロナウィルスは感染力は強いものの、毒性はさほど強くないと言われている以上、当然、重症化する感染者の割合も低くなる。それこそ重症化するリスクが低いのに、重症化する前の感染者に強い副作用がある薬を投与するのは賢明とは言えない筈だ。
また、この「アビガン」には全く違う問題点もある。
とても分かりやすい癒着構造ですね。
— toripy (憲法守ろう) (@t_toripy) February 23, 2020
晋和会政治資金収支報告書平成30年分より pic.twitter.com/LRjrPXGmrU
アビガンを販売する富士フイルムホールディングスは財界でNo.4の安倍友。加計学園は国民の生命までは奪わなかったがこのアビガンは劇薬指定だしヤバイぞ。 pic.twitter.com/Hm6aQO4U3O
— 森野熊三 (@morinokuma3) February 23, 2020
私の冒頭のツイートに対して寄せられた、このお二方のツイートを見れば一目瞭然なのだが、「アビガン」を販売している会社(親会社は富士フイルム)と政府、安倍政権との関係はやはり無視出来ないのだ。
冒頭にも書いたが、そもそも動物実験段階で胎児に奇形を生じさせる副作用、強い催奇性が確認された時点で医薬品としては失敗。どんなに巨額の開発費を注ぎ込んでいてもお蔵入りになるのが普通な訳で、それが新型インフルエンザ対策に限定するという特別な理由で製造承認されたことも、誰も使えないのに191万人分も政府が買い上げたのも異常というしかないだろう。
そして、今回の新型コロナウィルスの感染者への「アビガン」の投与には政府だけではなく、こんな事まで起きている。
これも富士フィルムの会長が安倍と親密だというのと構図は同じ。それこそ昔のバレーボールを知っている人間ならば富士フィルムと神奈川県の関係はすぐ判る筈だ。★神奈川県、抗インフル薬の投与承認を国に要望:日本経済新聞 https://t.co/dZQig7GAr3
— 日本国黄帝 (@nihon_koutei) February 23, 2020
この神奈川県の要望も富士フイルムとの関係を考えれば、あまりに判り易い構図というしかないが、いずれにしてもこの新型コロナウィルスの感染拡大に乗じて、使えなかった「アビガン」を使用しようという意図、構図が存在しているのは間違いない。
それこそ備蓄してある191万人分の在庫を一掃する為という意図かも知れないが、もしかしたらその在庫は古くなっているので廃棄。新たに製造販売をさせて富士フイルムを儲けさせるいうような意図まで、今の安倍政権では考えざるを得ないのだ。
勿論、どんなに強い催奇性があってもその薬剤で確実に効果がある、それでしか患者が救えないというのならば話は別。
だが、同じRNAウイルスだから効くだろう程度の理由で、新型コロナウィルスに対するちゃんとした動物実験や治験もないまま、そもそも「アビガン」は小児などへの投与試験もしていない訳で、それをいきなり使うのも、呼吸器専門のICUや他の薬剤など様々な救命手段がある中で使うのも、単なる人体実験であり、薬の在庫一掃に過ぎないのだ。
さらにそれが国民の生命を守る為ではなく、もし安倍と仲のよい財界人、企業を儲けさせる為だとしたら絶対に許すことが出来ないのは当たり前。
私たちはそんな薬の使用を止めさせ、今度こそ安倍政権の息の根を止めるしかないだろう。
※Photo image by 「アビガン」添付文書
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