カエルの楽園、カエルの楽園2020:百田尚樹(著) おススメ本【勝手に宣伝!】
百田さんは作家になる際、「続編は書かない」と決めていたが、この作品はそれを破る事となった。そこまでして書きたかった作品。
「日本の将来をどう見据えていくべきか」に興味がある方は是非一読を。2015年、2020年、日本の政治に何が起こっていたかを基に、架空のシチュエーション(カエルの国)で繰り広げられる物語。作者の考え・想いが如実に表現され、警鐘を鳴らしています。(ただし著者の百田先生は題材が"日本"とは明言していません^^;)
※百田先生についてはこちらも参照ください。
こんな人にマッチするかも
・百田尚樹の日本の政治に対する想いを知りたい。
・日本に危機が起きた時、何もしないでいるとどうなるか興味がある方
・上記を寓話として触れたい方。
ストーリー、構成、読みどころ
是非、2冊続けて読んでもらいたい作品です。
[カエルの楽園:文庫本裏表紙の内容紹介]
国を追われた二匹のアマガエルは、辛い放浪の末に夢の楽園にたどり着く。その国は「三戒」と呼ばれる戒律と、「謝りソング」という奇妙な歌によって守られていた。だが、南の沼に棲む凶暴なウシガエルの魔の手が迫り、楽園の本当の姿が明らかになる・・・。単行本刊行後、物語の内容を思わせる出来事が現実に起こり、一部では「予言書」とも言われた現代の寓話にして、国家の意味を問う警世の書。
「カエルの楽園2020」は、2020年5月6〜11日(一回目の緊急事態宣言下)にネットで無料公開したものを修正・加筆をして発売された。
[カエルの楽園2020:文庫本裏表紙の内容紹介]
二匹のアマガエルがたどり着いた夢の楽園は悲劇的な末路を迎えたはずだったが、悪夢の翌朝、二匹はなぜか再び平和な地にいた。今度の世界では、ウシガエルの国で「新しい病気」が流行っていたが、楽園のカエルたちは根拠なき楽観視を続ける。しかし、やがて楽園でも病気が広がり始め・・・。国難を前に迷走する政治やメディアの愚かさを浮き彫りにし、三通りの結末を提示する、警告と希望の書。
アマガエルが主人公で、ツチガエルやヌマガエル、ウシガエルが出てきます。それらが何を指しているかはここでは控えますが、何を指しているか想像しながら読み進めるのは一興です。(登場人物の名前の由来も同様)
実際の現実を我々は知っているだけに想像しやすいので、百田先生のセンスに感嘆したり、微笑むでしょう^^
※参考までに、実際のカエルの姿形はこちらです。
寓話がベースになっている事もあり読みやすく、両本とも日本のあり方について書かれています。2015年の平和安全法制(安保法制)や憲法9条改正、2020年の流行り病(武漢で発生したウィルス)について見識があればより読み応えがでます。
また、主人公が第三者の立場なので、重要な政治事案の「賛成派」や「反対派」の立場が俯瞰して描かれており理解しやすいです。
百田さんの考えとは違う意見・心理もリアルで(これまでいわゆる左寄りの人たちと数多く議論をしてきたからであろう)、マスコミ報道の一端(いわゆる「情報の刷り込み」)のやり方も描かれていて、読みどころは多い。でもやはり、政府やマスコミの対応に疑問や怒りを覚えるでしょう。
「なぜカエルが同じカエルを食べるんだ??」
「歴史書にかいてある。」
「たぶんその歴史書は強いカエルが書いたものだろうよ。」
「デイブレイクの意見に賛成多数かと思ったら、参加者は多いが、実は黙っているひとが多く、ただたんに声が大きい人が何人かいるだけってことがわかってきた。」
「あいつらには信念がないんだ。自分が元老でいられるなら、ウンコだって食べるようなやつらだ。」
その他、少子高齢化まで言い淀んでいたり、エンエンの国(韓国?)から感染症(MERS?)が日本にくるのを防いだ一文があったり、消費増税についても言及している点は、「そこまで現実世界と重ね合わせているのか」と少し笑ってしまいますが、全てを同じにしている訳ではない点も重要です。それらは最後まで読み進めていくと分かってきます。
ハンドレット(百田先生?)の最後はどうなるか等も注目ですが、個人的には巻末の定型文が、こんなにもメッセージ性があるように思えたのは初めてです^^;
「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。」
百田作品を知っている人にとっては、「カエルの楽園2020」での最後の最後に「幸福な生活」(別作品)のような締めになっているのは唸るポイントかと思います。
将来、再度「カエルの楽園○○」という作品が出ないような日本であって欲しいと強く願いたくなります。
※「カエルの楽園」の解説:櫻井よしこさんは必読
※「カエルの楽園2020」は、あとがき、として百田先生が記載
[カエルの楽園]2017/9/1(2016年2月単行本刊行)
[カエルの楽園2020]2020/6/10(文庫オリジナル作品)
新潮新書 520円+税 ※両本とも同価格
※カエルの楽園:30万部
※カエルの楽園の書評をしたのは産経のみ。30万部売れている作品なのにどのメディアも掲載しなかった。とはいえ、その産経に書評が掲載されたのも偶然だったそう。当時、百田尚樹さんと産経の社長とが何かのパーティーで会って、その時に産経も他メディアも取り上げていない事を知った社長が鶴の一声で掲載を指示したとの事。(発売から4ヵ月後)
「護憲派が一切とりあげない本」という名目で。でも百田さんからすると、産経新聞も4カ月とりあげなかったじゃん笑、、とツッコミをいれたくなった模様。
※下記作品とのセット読みもお勧めします。(百田さんと石平さんの「カエルの楽園」に関する対談本)
「カエルの楽園」が地獄と化す日
(単行本2016/11/25、電子版2016/12/31、文庫本2020/3/26)
※他の百田さん作品集についてはマガジンにしています。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
「完読後もまたこちらに訪れてもらえると嬉しいです。」
「友達に家族に勧める際に、今回の紹介が参考になると嬉しいです。」