プリズム:百田尚樹(著) おススメ本【ネタバレ無。勝手に宣伝!】
まだ読んでいない貴方。既に読んだ貴方。
何か面白い本がないか探している貴方。
是非、お立ち寄りください。
※宜しければ小説家百田先生のことについて書いてあるのでこちらも参照ください。
こんな人にマッチするかも
・(大人の)恋愛ってどういう事か悩んでいる人
・普通ではない恋愛、家族や友達に相談できない恋愛、に対して何かが引っかかる人
・論理的に説明できない恋愛の悩みを抱えている人
※心情描写、人間模様の変化を没入しやすく描かれています。
※純粋なハッピーエンドを求めてる人には向かないかも。
ストーリー、構成、読みどころ
[文庫本裏表紙の内容紹介]
ある資産家の家に家庭教師として通う聡子。
彼女の前に屋敷の離れに住む青年が現れる。
ときに荒々しく怒鳴りつけ、ときに馴れ慣れしくキスを迫り、ときに紳士的に振る舞う態度に困惑しながらも、聡子は彼に惹かれていく。しかしある時、彼は衝撃の告白をする。「僕は、実際には存在しない男なんです」。感涙必至の、かつてない長編恋愛サスペンス。
[Amazonの宣伝の一部]
やがて、彼に隠された哀しい秘密を知った聡子はいつしか彼に惹かれはじめている自分に気づき、結ばれざる運命に翻弄される。
[帯の一部]
いま最も「泣かせる」作家が放つ、衝撃の恋愛サスペンス
主人公:聡子の視点での物語。
[異様なその男性に惹かれていく]というような紹介があるが、どのような異様か、なぜなのか、嘘なのか、変化の模様などは読みどころです。
非常に惹き込まれていきます。
サスペンスの要素があり、展開が読めなくなる。
「どうやって、結末を迎えるのだろう?」と思わせます。
序盤から色々と布石や伏線が散りばめられ、読者を翻弄させるのが上手い。また、所謂”ハローエフェクト(ハロー効果)”が使われています。
異様な姿(今回のテーマ)の医学的理解は専門知識が必要であるが、そこは文中に絶妙な流れで解説があり、読者を置いてけぼりにさせない。
また、お勉強タイムにさせない表現も上手い。
だが、読み進めていくとそれ以外のポイントに気が付いてくる。
それは悲恋、恋愛サスペンスとして、
「心理状態がどう描れているか」
「人間の性の表現」
違う言い方をすると、人間のブラックな面に興味が深まっていきます。人間の内面を抉っていく展開に自然と感情移入していきます。
また、文中に“プリズム”について書かれており、「なぜこのタイトルなのか」を推し量って読むのも一興。
「どうしてもこのラストシーンが書きたかった」
「今までにない終わりを書きたかった。」
とも百田先生は仰っている。
エピローグのタイミングも絶妙で、ラストシーンに重みをおき物語を上級に仕上げています。
儚くも賛同でき、切なさもある結末。
納得はしつつも、誰かと語ってみたくなる。
もしかしたら完読後、「どういう事が書きたかったんだろう?」「どこがだろう?」と思う人がいるかもしれない。
スラスラと最後まで読んでしまえるので分からなくも無いが、じっくり思い返してみると、ジワジワと味わえるであろう。2度読みたくなる。
人はなぜ人を愛するのか。一面を愛せたら他がダメでも愛せるのだろうか。
非現実に思えそうで、現実に思えます。
最後に
完読後、作者はどんな人なのか興味がでてくる。
男性なのによくぞここまで女性心理を書けるものだと、、感服してしまう。
また、巻末に参考資料があるが、その多さにも感嘆します。おそらくこれ以外にも取材や調査をしたはずで、インプット力の高さが伺えます。
巻末の”解説”が春日武彦さん(精神科医)であり、専門家の視点から色々と注釈しているのも物語のリアリズムを増しています。
[ご本人宣伝動画]
徳岡直樹さんyoutube:百田尚樹先生もコメントを寄せている。
幻冬舎文庫
文庫本 690円+税
2014/4(※単行本 2011/10/6)
[帯紹介]
『プリズム』と『モンスター』は、実はお互いが「対」になっている小説なんです。
まだ『モンスター』をお読みになっていない方は是非。
※物語が繋がっているわけではありません。両方を完読すると「対」の意味が分かってまた一興です。
※他の百田さん作品集、マガジンにしています。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
「完読後もまたこちらに訪れてもらえると嬉しいです。」
「友達に家族に勧める際に、今回の紹介が参考になると嬉しいです。」
Best of luck