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HUNTERXHUNTERについて





HUNTER×HUNTERについて

 20年くらい前まで読んでいて、今はヤフーで作者の冨樫義博先生がTwitterアカウントを立ち上げたり体が悪いというニュースを見るんですけど、こういうのはちょっと苦手です。


 何が苦手やねん、どの立場から物言うとんねん、アホかと思われるでしょうが、同じ思いの人、いると思うので聞いてほしい。


 冨樫義博さんというのは、週刊少年ジャンプという週間漫画雑誌に連載している人なんですけど、三年半以上休載している。


 それがなぜか最近アカウントを立ち上げたそのTwitterで、今日はなんコマ描いた・体がキツイというつぶやきをしているらしく、最早遅々として進まないの一言じゃ語れない状態なんですが、冨樫義博さんは、漫画家としてのスタンスとして、アシスタントに任せず自分で納得いくものを描きたいのですって。


 それを、古参ファンの熱量で応援する人と、白い目で見る人がいて、という構図になっています。なぜこれが苦手かというと、私としては、この人の描く漫画のファンといやファンなんですけど、あくまで10年以上経って、完結していない、どころか殆ど進んでもいない漫画、となると、どうでもいい。


 それに対して私は遅筆で有名の小野不由美先生の十二国記シリーズは続編を待ち続け、歓喜しました。



 週間漫画雑誌と小説家を少し近いものに考えるのには、新聞の小説掲載。あれは他の原稿と違い、8〜9割完成させてから連載する。その割合が低いこともあるのでしょう。見切り発車具合が少し似ている。けれど、やはり漫画は、人気が出れば引き伸ばし、逆もありうるため、小説より全体的に話の作りが雑だと、私は感じるので、漫画にドンバまりはしなくなりました。


 何が言いたいかというと、何より構成が大事というわけでなく(私はどうやらあらゆるコンテンツにおいて、話が面白いことを重要視する人間ですが)、漫画より小説の方が高尚というわけでなく、この状況は、ハンターハンターという未完の作品がどうという話じゃなくて、作者がどうこうという話ですよね。



 落語には、噺家の巧拙を揶揄するのに、演者が消えるか観客が消えるか、ということばがあります。もちろん、演者が消える噺家はうまく、観客が消える噺家はヘタクソなのです。 



 酷い話をするようですが、漫画家はアイドルとは違うのだし、今日何食べたとかどこに行ったとか、たとえ作品のファンでも、興味があるか無いか聞かれたら、一気に首を傾げる人が多くなるのではないのでしょうか。そうです、漫画家に必要なのは「原稿」だけで、冨樫義博さんについては、それが「3年半無い」状態で、何をニュースにすることがあるのか、と、私は意味が分からないんです。


 このタイミングはなにかの商業戦略のひとつなのかも知れないです。銀魂と鬼滅の刃が終わったから?けど、スパイファミリーと呪術廻戦、Dr.ストーンだったか、いろいろあるし、良いんじゃ無いかと思うけれど、ともかく諸々の事情、私のような「ただの漫画のファン」からすると、どうでもよいのです。


 続き描かないのか。

 なんかもう飽きちゃった。


 と、薄情ですが、それで終わるのもファンなのです。

 私が苦手なのは、真のファンならば作者を応援しゆっくり描ける環境を整えるべき、的な、ファンと作者の立場をひっくり返す(ファンの選ぶ立場を剥奪するかのような)妙な同調圧力を作り出すのが、今の漫画業界の経営戦略であることです。


 クリエイターの格、と言われると、分からないのですが・・・無理なスケジュールで原稿を一週二週落とすのはともかく、休載3年半は、本当に意味が分からない。

 フリーの漫画家なら全く疑問も無いのですけど、3年半「休載」となると、週刊少年ジャンプのほうで冨樫義博さんのネームバリューが必要、冨樫義博さんの方にもなんらかのメリットがあって、原稿不在で、弄ばれているのは読者・・・なんじゃないかなあ。


 私、冨樫義博さんはとても頭の良い人だと思うけれど、目の前にいない人を想うような、ヒューマニスト、人格者ではないと思う。これは批判ではないです。面白い漫画を描くために必要な要素なんだけれど、きっと読者が待つと言えば、待たせて当然だ、と思う人のような気がする。

 だから冨樫義博先生が嫌い、と言いたいのでなく、たぶん冨樫義博さんに、ファンの気持ちに応えようという気は無いんじゃないかと・・・

 生きているうちに作品をアウトプットし完成させたい、という気持ちはあるかもしれない。冨樫義博先生の天才性は、現状自己満足が読者の気持ちに応えることと一致している、というので証明されていると思うんですね。


 批判では無いです。

ただ待っても無駄だと思う。Twitterはジャンプ公式ではないそうです。けれど、ジャンプ側が冨樫義博さんに促したか、どちらから、かわからないとはいえ、待てど暮らせど原稿は出てこないし、話題性の維持という利害の一致でアカウントを作った可能性はあると思う。


 話題性の維持のために何かするなら「原稿」を吐き出すのがいちばんですが、Twitterのアカウントを開設するってことは、逆説的に、もうしばらく原稿はでない。3年半休載している漫画の「もうしばらく」って何年だ・・・?


 自分のことを気の長い方だとは思っていますが、ことハンターハンターという漫画については、待てる読者に感心します。「完璧オリジナル」な作品なんてこの世に存在しないし・・・ジョジョの奇妙な冒険の恐怖表現がスティーヴン・キングに影響受けていたり、ミュシャのポスター絵に影響を受けるプロイラストレーター・漫画家が多いように、自分を刺激してくれる、圧倒されるような作品はを作り出す人は、冨樫義博先生に限らないと思う。

 

 

 




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