あまりに怖くて席から立ちあがれなかった。「TALK TO ME(トーク・トゥー・ミー)」【ホラー映画紹介・感想】
TALK TO ME(トークトゥーミー)視聴。
今この瞬間も思い出すと身震いが止まらない。脚本・演出ともに完成度の高さににやけてしまうくらい、久しぶりに全身でホラーを食らった気がした。
あらすじ
母親を若くして亡くしたミア(主人公)は母親の追悼式へ行った帰りで寂しい思いをしていた。そんな中、仲間内で話題の「降霊術」パーティに参加することに。
方法は簡単。その「手」を握ってこれを唱える。
「Talk to me(私に話して)」「Let you in(私に入って)」
そこには恐ろしい光景が待っていた。真の恐怖は後ろにいるんじゃない。目の前で手を差し伸べているのだ。
個人的評価(★★★★★)
怖かった。本当に怖かった。
自分で見に行っておいて早く終われとずっと祈っていた。
エンドロールが流れ終わった後も、なぜか縛られたように椅子から離れられなかったし、無意識に自分の手を握って自分を守っていた。
恐怖の演出もスリリングかつ、怖い部分を見せそうで見せない恐怖があり、息継ぎができなかった。ホラーによくありがちな「そこは逃げろよ」とか「なんでそうなる…?」といったツッコミ要素が無く、主人公の動機が至極全うだったため、より感情移入できたし物語の展開を受け入れられた。ラストシーンも余白を残すようなモヤモヤは一切なく、誰かがラリって全員殺して終わり、なんていう安易なオチではなく、最後まで先の見えない三叉路に立たされて待っている気分を感じられてとても良かった。
今回は予告やあらすじを全く見ずに視聴したから冒頭から何が起こるか分からずに楽しめた。やはり気になる映画は事前に情報を入れない方がいい。
以下、ネタバレ注意
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ラストシーン
非常に良かった。ミアはライナーを救う選択肢として殺すしかないと思いついたが、最後の最後で自分が霊となり、悪夢と戦うことを選択した。あそこでライナーを殺していたらどこか一辺倒な作品になってしまっていたかもしれない。ミアは母親に褒められ英雄のように死んだ。ライナーが回復に向かったのは、ミアが向こうの土俵で戦ってくれて体を取り戻してくれたからなのだろう。だが、やはり向こうは寂しかった。暗くて寂しくて、誰も自分に目もくれない。そんな中、救いの光がミアを導く。ミアは手を差し伸べられ、ようやく人の手の温もりを感じる。そこで「Let you in」なんて言われたら、そりゃあ…。
要考察・分からなかったシーン
・母親の死んだ理由
・リア(母)が言った「マックス(父)は嘘をついている。」という言葉の意味
・リア「あとは私が守る」の意味
母親は自殺をしたが残された家族に対して書き遺した遺書の存在を打ち明けてくれた。2人を憎んで死んだわけじゃないと分かったが、母親はそれは真実ではないと言った。なぜ?
マックスがまだ何か隠していたのか?途中で生きているはずのマックスの霊が入ってきたところも少し不可解。
・憑依だけでなく、本人のリビドーを発現させていた?
ダニエル(ミアの元カレ)に最初に憑依したのは性的志向の強い霊だった。それはダニエルが敬虔なクリスチャンだったために、その内なる性的な衝動が姿を現わしてしまったのではないか。ミアがダニエルと一夜を過ごした時の悪夢でも、ミアはダニエルの足をなめる霊を見る。ダニエルの足を見て抑えきれなくなった性的興奮が悪夢で霊を呼び覚ましてしまったのでは。
・ライナーには膨大な霊が憑りついていたはずなのにラストは老婆の姿だったのはなぜか
単純に分からない。あの大群はあの老婆一人の怨念だとでもいうのだろうか。
・ライナーに取り憑いた霊はなぜ死のうとするのか?
ライナーに取り憑いた霊は何度も死のうと試みるが、なぜだろう。
憑依した身体が死んだらその霊の物になるという説明があったが、死んだ人間の体を手に入れてどうするつもりなのだろう。なぜ執拗に死のうとしたのか。
これに関しては少しモヤモヤする。
・手を握る度に毎回霊は違うのに、母親がすぐに出てきた理由
憑依した後に「いつもそこにいる(?)」などというセリフとともにライナー(?)の後ろを指さしたシーンがあったが、これは降霊術に参加した人物に関係のある霊が近くにいたからなのか。とすると向こうの世界でも、だれが手を握ることが出来て憑依のチャンスをものにできるかの争奪戦があるのだろうか。
にしてもミアに90秒越えで憑依したのは別の霊だったにも関わらず、母親が何度も出てくるのはなぜ?
以上
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