卒業涙
いつぶりだろう、卒業で涙を流すのは。
高校の卒業式では泣かなかったし、
そんな思い入れもなかった。
中学の卒業式でも泣かなかった。
部活では、泣いた。毎回の試合後の悔し泣きから卒部会での涙まで。たくさん泣いた。
この時ぶりだ。
中学の部活ぶりに、泣き泣き期が来ている。
今は、将来について考えると大体泣いているし、バイト先でも泣いてしまった。映画でも泣いた。なんと深刻な泣き泣き期に入ってしまったのだろうか。
しかし、中学の頃とは違う。
テニスの試合で負けた、悔しい。
しかなかった。
今は、自分に絶望したり、人の温かさに感動したりすると出る涙だ。
今回、何の卒業で涙を流したのかというと、
バイトの卒業だ。
と言っても、チェーン店で働き始めた私は、
もともとオープニングスタッフとして新店舗で働くため、それまでの間、卒業した店でトレーニングを積んでいた。
初めは何もできない自分に悲しくなったり、
そんな自分を責めたりした。
そんな中、
なんと優しくしてくれるのだろう、
叱ってくれるのだろう、
可愛がってくれるのだろうという思いが溢れ、
人の優しさに触れ、涙が出るようになった。
もちろん新店舗も楽しみであるが、
どうしても卒業した店舗への寂しい、恋しい気持ちが溢れてくる。
誰かをこんなに恋しいと思ったことは、未だない。
今回、恋しい気持ちを初めて感じたが、
それが従業員、いわばチームに対してだと言うのは不思議だ。
でも、嬉しい。
誰かを恋しい、この人たちと一緒にいたい
なんて感情初めてだから。
恋愛してみたい私には、ちょうどいいスタートなのかもしれない。
ここから、しっかりと恋愛したい。好き♡に発展したい。
まずは、バイトに慣れてから。