売り切れのキャラメルラテが教えてくれた、新しいお気に入り
私はカフェ巡りが好きですが、その中でも特にお気に入りの行きつけのカフェがあります。週に一度くらい、ちょっとした息抜きや考え事をしたいときに立ち寄るそのカフェは、私にとって小さなオアシスのような場所です。そして、いつも頼むのがキャラメルラテ。
甘さとほろ苦さのバランスが絶妙で、ふわっとしたミルクの泡にのせられたキャラメルソースの香りがたまりません。私のカフェタイムは、キャラメルラテがあるからこそ完成すると言っても過言ではありません。そんな定番の一杯が、この間、まさかの売り切れでした。
いつものがない、どうする?
その日もキャラメルラテを注文しようとレジでいつものように「キャラメルラテ、お願いします」と伝えたら、バリスタさんが少し申し訳なさそうな顔でこう言いました。
「すみません、キャラメルソースが売り切れちゃってて……」
えっ。そんなことあるの?と、内心ちょっとがっかりしていたのですが、すぐにバリスタさんが「代わりにカフェモカはどうですか?おすすめですよ」と笑顔で提案してくれました。
カフェモカ。これまであまり注文したことがありませんでした。甘すぎるイメージがあったからです。でも、バリスタさんの「きっと気に入ると思います」という一言に背中を押されて、試してみることにしました。
新しい発見の一杯
席に着いて待つこと数分。運ばれてきたカフェモカは、カカオの香りが漂う大人っぽい一杯でした。カップの縁にはチョコレートソースが少し垂れていて、まるでデザートのような見た目。それだけでも気分が上がりました。
ひと口飲んでみると、予想していた「甘すぎる」感じは全くなく、むしろビターなチョコレートと濃厚なエスプレッソが絶妙にマッチしていました。さらに、ホイップクリームが溶けるにつれて、口当たりが滑らかになり、味わいに深みが増していく。飲むたびに違う表情を見せてくれるこの一杯に、すっかり引き込まれてしまいました。
気づけば、最初のがっかり感はどこへやら。「これもいいかも」と素直に思えるくらい、そのカフェモカは美味しかったんです。
小さな冒険の喜び
普段、私はお気に入りのものを何度も繰り返すタイプです。キャラメルラテも、初めて飲んで「これだ!」と思ってから、ほぼ浮気なしで頼み続けていました。でも、今回の出来事で「たまには新しいものを試してみるのも悪くないな」と思えるようになりました。
いつもの安定感も素敵だけれど、ふとしたきっかけで挑戦した新しい選択肢が、思いがけず素敵な出会いをくれることもある。それを教えてくれたのが、この一杯のカフェモカでした。
それ以来、カフェに行くたびに「今日は何を飲もうかな?」とメニューをじっくり眺めるようになりました。キャラメルラテももちろん今でも大好きですが、次はあのカフェモカ、また頼んでみようかなと思っています。