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ニューヨークのネタについて語りたい

2020年のM-1でのニューヨークのネタが僕の心にぶっ刺さりましたので、胸が熱くなったところや、面白い・かっこいいと感じたところを語っていきたいと思います。

■「一年越しのリベンジや!」

2019年のM-1ではニューヨークのネタ順はトップ、順位は10位でした。
松本人志に「ツッコミが笑ってるのは好きじゃない」と言われ、それに対し「最悪や!!」という屋敷さんのリアクションがとても面白かったです。
その後何言われても二人はずっと不貞腐れてて、今田さんにマイクでほっぺグーンてされてる所とか本当に最高でした。
結果はよくなかったけれど、松本さん・今田さんとの絡みが生み出した笑いは、現場の緊張感をいい感じにほぐしていたのは確実でした。

そして今年、ネタ後のコメントで松本人志に「腹立つんですが、おもしろかったですね。」と言わせていました。
全力でガッツポーズし「一年越しのリベンジや!」と言っていた屋敷さんの表情は、見ているこっちまでスカッとして、胸が熱くなりました。

■最高の初速

「それでは、爆笑エピソードを2,3発ほど」というつかみが最高によかったので、ベッタベタに褒めます。

ボケの第一声がボケになっていて、ネタの本題への導入になっていて、フリにもなっている。この美しさが伝わりますでしょうか。

マリオカートのスタートダッシュ自分だけ成功した時みたいな爽快感。
"チート使わないで出せる最高の初速"を出してた感じがしました。

つかみを早くするために自己紹介でボケる手法をとっていたり、本題とは違う固定のつかみを入れているコンビがあったりしますよね。
それらに比べて、ニューヨークのつかみは自然に本題に入れる所が優れています。
何より、自己紹介をきっちりしたうえでボケてたのがネタのスタイルとしてかっこいい

そして、中盤の「さっきからエピソード全然おもんないやんけ!」というツッコミへのフリになっているという。
マリオカートでいう最初からキノコ持ってる状態で始まるみたいなボーナス付き。
マリオカート例えが思いのほかしっくり来て満足したのでこのくらいにしておきます。

■ブラックなネタ

キングオブコントやM-1などの賞レースでは、客が引くような下ネタやブラックなネタは敬遠されがちな傾向にあるような気がします。

客が引いても仕方がないと覚悟を決めてやるか、引かれない絶妙なラインを綱渡りすることになるため、リスクを冒してまでそのネタを選択する必要はないと考えるんだと思います。

ニューヨークが披露したのはコンプライアンス重視の風潮を利用した少しだけブラックなネタでした。
お客さんが引かない絶妙なラインをうまくついていた所がよかったです。

ニューヨークがあえてリスクのあるブラックなネタを選択した理由として、
2019年に審査員の中川家礼二さんから「屋敷の意地悪なツッコミがもっと見たかった」というコメントがあったからではないでしょうか。

キングオブコントでニューヨークはヤクザのネタをやっていました。
ネタの最後に子分役の屋敷が銃で撃たれるシーンがあり、かまいたちのキングオブコント考察では「お客さんに引かれる要素満載のネタ」というコメントを言われていました。

本人たちはネタ直後、「あそこがどうしてもやりたかったんです」と語っていました。
ニューヨーク自身も少し過激なシーンを含んだネタを人前でやることが好きなのではないかなと思います。

M-1もキングオブコントも
リスクに臆さず自分たちのやりたいネタを選択した所がバッチバチにかっこよかったです。
松本さんから「時代に逆行していた所がよかった。挑戦していた。」という評価をもらっていた所もアツかったですね。

技術面に関して、素人なりのコメントにはなるのですが、
お客さんに引かれないような絶妙なラインのボケとキャラ、針の穴を通すような絶妙な"間"で繰り出される繊細なツッコミでした。
ネタに真摯に向き合っていることがめちゃくちゃ伝わってきました。

■「ダークにリベンジ」

M-1公式のニューヨークの今年のキャッチフレーズは「ダークにリベンジ」でした。アッツアツですよね。
いい漫才を見させて頂き、ありがとうございました。

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