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チンパン回覧実記(いざ竹藪へ)14
[いざ竹藪へ]
お昼ご飯の休憩もしましたので胃腸には負担がかからないでしょう。太陽が出ておりますのでとても清々しい空模様です。玄関を出まして少し行ったところに小さな池がございました。かつてはここに鯉がいたそうでその面影を感じます。その池前方には傾斜となっておりまして、そこには犬の基地が転々とありました。全てビーグル犬だそうで狩猟もされているとのことです。合計で5頭ほどいました。小屋もあれば檻もあります。近づきますとどの犬も警戒心はなく尻尾を振ってくれています。異種混合座談会は何のトラブルもなく達成されました。
「はじめまして、ナイジェリアチンパンです。私の言葉はわかりますか。以後お見知りおきを。」
(ワンワン)
この傾斜の傍に竹藪へと続く橋があります。橋と言いましても用水路をまたいで脚立が横向きで掛けられているだけです。私にとっては何ともありませんが霊長類やその他大型類人猿は慎重に渡らなければ落ちてしまいそうです。早く竹藪に行きたいのですが、おじい様がまだお戻りになっておりませんので我慢します。
(ぶぶぶぶぶ)
車の音がします。どうやらおじい様がご帰宅なさったようです。軽トラックを車庫へと入れ、そのまま私たちと合流をしました。
「待たせたな。よし、行くか。」
「レッツゴー。」
ひょこひょこ進む私の姿を見て「おぉー」とお二人は感心しておりました。
「早っ。もうてっぺんまで上がっちゃったよ。」
「チンパンジーはすげぇな。」
少しばかりひょこひょこと竹間を渡り歩きましたので満足致しました。
「どうだったよ。久しぶりの自然闊歩は。」
「寄木造のように私の心にかっちりとはまりました。つまり、最高だったということです。」
「良かったね、チンパン。俺は竹で何か作ろうかな。じいちゃん、竹切ってくれない。」
「任せな。」
おじい様は腰に装着しておりましたナタで竹を切りました。綿織物を着ておりますが筋肉隆々に見えます。下手をすると私よりも握力があるかも知れません。
バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。