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チンパン回覧実記(対峙2)⑦
[対峙2]
「感情の内の1つ、怒りを体内から召喚させてしまったことに関しては謝罪致します。しかし、私は制限速度内で走っておりましたので、ちんたらという言葉は相応しくないと存じます。私が主張したいことはこの法治国家の日本で道路交通法を守って走行していた状況において私たちに不備があるとは到底認められないと言うことです。いかがでしょうか。」霊長類たちは「うるせぇ」の一点張りです。致し方ありませんので、警察が来るまで待機することにしました。警察が来ることを相手方に伝えていない状況は憲法14条の法の下の平等に反しますので、その旨を伝えました。その直後、2人は捨て台詞を吐いて前方に静止させてあるトリケラトプスのような車に戻っていきました。車内後方には髪の毛をゴールドでコーティングした女性もいたようです。彼らは景気がいいなと再度頭をよぎりました。恐らくマルコ=ポーロも彼らのようなジャパニーズを見たことにより黄金の国ジパングと仰ったのでしょう。
「チンパン、度胸あるな。」
「いえいえ。言葉で霊長類と渡り合えるのか非常に心配しておりましたが、良い経験ができ嬉しく思います。」一息つくと運転を再開しました。
「イケイケな感じのやつだったけど怖くなかったの。」
「恐怖心ですか。そうですね、ホホジロザメと水泳をしたときほどではございませんでした。」友人は比較対象がよく分からないという感じで「そりゃ、そうだ」と笑っていました。
バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。