ナイジェリアチンパン、饅頭怖い(外伝)
チンパンジーたちが竪穴住居の炉を囲いながらたわいのない会話をしています。それは「何が怖いか」です。
ヒガシチンパンジ-は言います。「マウイイワスナギンチャク」が怖い。
ニシチンパンジーは言います。「ライオン」が怖い。
チュウオウチンパンジーは言います。「突然変異」が怖い。
ナイジェリアチンパンは言います。「変なものばかり怖がっていますね。情けないと思います。マウイイワスナギンチャクなんか、私がボツリヌス菌を注入してやっつけて差し上げます。ライオンは自分にスカンクの臭いを付ければ食われる心配はありません。突然変異なんかクリスパーキャス9 でゲノム編集して元通りにしてあげますよ」
ナイジェリアチンパンの返答は周りを小馬鹿にした態度に見えたのか、それぞれのチンパンジーは一斉に質問をぶつけます
「じゃあ、ナイジェリアチンパンは一体何が怖いんだ」
ナイジェリアチンパンは、その質問に答えようとしません。全チンパンジーは納得がいきません。みんなを小馬鹿にした態度に納得していません。
「ナイジェリアチンパン、言いなさい。はい、言いなさい。言わないと東漢直駒を刺客として送りますよ」
ナイジェリアチンパンは仕方なく言います。
「馬鹿にしないで下さいよ。笑わないで下さいよ。私が怖いのは、ルサンチマン・バナナ・ゲルです」
チンパンジーたちは腹を抱えて笑います。
「ほら、だから言いたくなかったのです。絶対に笑うと思ったからです」
「だって、ルサンチマン・バナナ・ゲルってアフリカタンザニアにあるスターバックスマハレ山塊国立公園店限定商品のやつでしょ。飲み物が怖いって。なぁ、みんな」
「さんざん、俺等のこと馬鹿にした態度をとって、ナイジェリアチンパンの怖いものが飲み物って。笑っちゃうよ」
ナイジェリアチンパンはいじけて隣の部屋に入ってしまいました。
「おい、仕返しにさ、ナイジェリアチンパンが寝ている間に、あいつの周りにルサンチマン・バナナ・ゲルを置いておいて、起きてみたら…」
「そいつは面白そうだ。起きて怖いもので囲まれていたら絶叫するな」
3匹のチンパンジーはそれぞれ馬、ジャガー、闘牛に乗り、ルサンチマン・バナナ・ゲルを急いで買いに行きました。
「どうだ。ナイジェリアチンパン、寝ているか」
「ぐっすり寝ているよ」
「よし、今のうちにセッティングしようぜ」
(30分後)
「ぎゃー」
「ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ」
「あいつびびってやがるぜ」
「いい気味だ」
「ぎゃー、ルサンチマン・バナナ・ゲルこわいよ。(ごくごく)」
「おい、覗いてみようぜ」
「ん、あいつ、ぎゃーって言いながらルサンチマン・バナナ・ゲルを飲んでるよな」
「うん、怖いはずなのに飲んでるな」
「ルサンチマン・バナナ・ゲル、こわいよぉ~(ごくごく)」
3匹のチンパンジーは何か可笑しい雰囲気を感じ取りました。そして勢いよく部屋に乗り込みました。
「おい、ナイジェリアチンパン。何美味しそうに飲んでんだ。お前は一体何が怖いんだ」
「怖いものですか。今はブッシュ大統領のクリスマスが怖いです」
お後がよろしいようで。
※参考資料
「ルサンチマン・バナナ・ゲル」
「ブッシュ大統領のクリスマス」