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受験、校則、内申点
高校受験は概ね中3の4月開始、もしくは部活終了から開始(6月や8月)となります。受験勉強期間は1年間とどんぶり勘定されますが、期間はそれ以下です。そしてなぜか生徒の間では中3から開始すれば受験は間に合うという伝聞情報が垣間見れます。この伝聞がなかなか厄介なものでして、真理という鎧を纏っています。伝言ゲームのように事実が歪曲して伝わっているかもしれないという疑心をなぜか持ちません。その理由として考えられるのは、伝聞にとどまらず、経験の空中保存が働いているからです。どういうことかと申しますと、受験の知識がふわふわと空中、脳内、会話により生まれた存在としてホモ・サピエンスの心を鷲掴みにするのです。Aという事実があるからこうしようという単純な論理が簡単に使えてしまうのです。そしてそのAは先代による経験なので机上の空論となりません。机上で行う勉強なのにも関わらず、面白いものです。
公立か私立かの選択でお金の面、科目数の面、通学距離の面など様々な視点で生徒は考えますが、内申点ありきの選択です。この内申点は日頃の積み重ねで中3で挽回するには骨が折れます。複雑骨折をすればなんとかギリギリ滑り込めそうですが、修復に時間がかかり、いつの間にか次の大学受験になってしまっていることもあります。内申点を上げるためにはこつこつ勉強をして、数字を意識し、清く正しく生活をします。真面目くん、真面目さんに有利なシステムに聞こえますが、実は不真面目な生徒のほうがより有利なのです、という逆転発想はなかなか難しいので、宝くじが当たりそうという自分だけは!に似た感覚を持ってはいけません。
社会生活のために規律を重んじる学校生活、全ては生徒のためとありますが、より深い部分のマントル部分を見てみたいと思います。社会は相互補助関係の上に成り立っています。しかし、これは実は厄介なもので、個々として独立したホモ・サピエンスありきの社会システムになっているのです。極論を述べてしまえば、個々として独立していればイレギュラーは起こらず、日々平和な生活が過ごせるシステムなのです。では、個々として独立していなかった場合はどうなるのでしょうか?
エントロピー増大の法則があります。存在しているものは無秩序になっていくというものです。車は放っておくと鉄のガラクタになります。機能しなくなる感じです。部屋を掃除しなければどんどん汚れていきます。これは大変面白いもので、生物、機械、システムなどにも当てはまります。無秩序に憧れているのでしょうか?
このことを踏まえると、地球上に存在しているものは、言葉を選ばずに言えば、自滅に進む運命なのです。これが個体レベルの話です。生き様や死に様という言葉がありますが、生物はすべて死に向かう死に様です。死のために何かをやる。しかし、死は、生きるエネルギーを伝書鳩並みの速度で吸収します。これでは生まれて天上天下、唯我独尊と言う前に死んでしまうかもしれません。空気に触れた瞬間に死んでしまっては生きているのか死んでいるのかよくわかりませんので、生き様という考えも持ってあらゆる生物は生まれてくるのです。
それでは、個体レベルではなく、もう少し広く見るとどうなるのでしょうか?
この自滅生命体であるホモ・サピエンスが作った社会システムは自滅社会システムに決まっています。放っておくと無秩序、混沌状態になります。そこで、このエントロピー増大の法則に抗うために考えました。まず、ホモ・サピエンス自身がきちんとした規律を持つ。次に社会システムを規律で運用する。法治主義と徳治主義、どちらがいいのかですが、理想は人徳で世の中を回す、しかし、エントロピー増大は必須ですので人徳だけでは混沌を招いてしまう。よって、法治国家を作り上げるのです。末法思想でもあるように、初めは意識高いけれど、月日が経つうちにどんどんその信念は薄らいでしまい、最終的にはその意識はなくなり、混沌を導き出します。
さて、学校生活ですが、なぜこうも校則(規律)にうるさいのかがわかってくると思います。無駄な校則、時代錯誤の校則など度々取り上げられていますが、根本にはエントロピー増大に抗うためのシステムなのです。今の生活に必要な校則かどうかの前のレベルで、エントロピーを増大させる要因ホモ・サピエンスにならないための訓練なのです。暴力を振るう生徒はエントロピーそのもので、秩序を保っているエントロピー(問題を起こさない生徒)を攻撃してきます。群雄割拠の学校生活では、武人エントロピー、鬼神エントロピー、軍師エントロピーなど様々存在しています。このエントロピータンパク質さんをエントロピー増大に抗っている先生やシステムが訓練させないといけないのです。これが内申点です。
生徒はリアリストが多いと思いますので、反抗したくなるのも分かります。しかし、自分がエントロピー増大原因タンパク質にならないための練習だと思ってもらえればと思います。ホモ・サピエンスは自分の体を分解して、常にアップデートをしています。アップデートをしなければ体がさびついてせっかくの生き様割合が高い状態なのに死に様割合が体を侵食してしまいます。このように自分の体は神の見えざる手によりいじられています。しかし、この神の見えざる手は、存在にしか干渉してきません。ホモ・サピエンスの集団間関係にはフルシカトをしてきます。だからこそ学校が必要なのです。
受験での内申点は、ある意味、学校生活での清く正しく生活を送ることができたご褒美と見られがちですが、もっと根本的な見方をしてもらいたいです。エントロピー増大原因物質に抗った、生命体としての努力賞なのです。
学校の先生は地球環境を整える善玉菌です。エントロピー増大は普遍です。しかし、増大を遅くできます。受験勉強はなんと壮大な訓練なのでしょうか。
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