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森林の里親協定調印式を開催しました

森林は気候変動緩和に貢献するCo2の吸収源として、防災・減災など多様な社会課題解決への貢献や、健全な生態系基盤の構築など、公益的な機能を多面的に発揮すると言われています。

近年は管理がままならない森林も多い中、上田地域でも戦後植栽されたカラマツは成熟期を迎えており、今後、森林資源をどのように循環利用し、持続的に経営していくかは大きな課題です。

森林所有者だけでは解決が困難な持続的な森林経営に向けて、市町村や民間企業、団体、NPO、研究機関など様々な主体が連携して、森林整備や調査研究活動に取り組む「にぎやかな森プロジェクト」が令和3年度から上田地域でスタートしました。

従来、林業は経済の尺度で見ることが一般的ですが、上田地域ではSGEC認証森林※を舞台に、様々な皆様が連携して経済・環境・社会の三側面から森林・林業の課題に対する調査研究活動や森林整備などに取り組み、その成果の見える化を図ることで脱炭素社会の実現や生物多様性の保全に寄与する持続的な森林経営を目指すこととしています。
※…持続的な森林経営が行われる森林として国際的な基準により審査・認証された森林

前置きが少々小難しくなりました。このプロジェクトは、管内4市町村等で構成する「上小森林認証協議会」が中心となり「いきものや人でにぎわう 地球にいい森づくり」を目指しますが、今回新たに趣旨にご賛同いただいた地元企業2社にプロジェクトへご参加いただくための協定締結調印式を1月26日に上小森林センター(上田市)で開催しました。

協定は齋藤木材工業株式会社(長和町)、株式会社フジカーランド上田(上田市)、上小森林認証協議会の3者の間で締結され、上田地域振興局長が立会人を務めました。

協定期間は令和4年2月1日から令和7年1月31日の3年間で、この間、2社の企業にはプロジェクトにご参加いただくとともに活動資金の一部をご支援いただくこととなります。

写真:左から

上小森林認証協議会 羽田会長、齋藤木材工業(株) 齋藤代表取締役、(株)フジカーランド上田 羽田代表取締役、長野県上田地域振興局 永原局長

調印式では、協定を締結した2社の社長さんから、次のようなご挨拶と抱負をいただきました。

齋藤社長様

創業160年を迎え、SDGs長野県登録企業として「気候変動に具体的な取組を」「陸の豊かさを守ろう」を目標に、もっと地域貢献をしたいと考えてプロジェクトへの参加を決めた。

プロジェクトの調査研究活動は長期的に取り組むべきものであり、弊社がこのプロジェクトに参加することで、会社を長きに亘って支えていただいた地域への感謝を形として表し、良い森林を次の世代の皆さんへの良い贈り物としたい。


羽田(はねだ)社長様

上田で創業して60年、東信地域でお世話になってきたが、企業活動の継続にはお客様からいただいた利益を社会に還元して共存共栄を図ることが必要と考え、社内で社会貢献活動を検討した。会社では養護施設、若者の自立支援、地域の森林環境保全に寄付することと決定したが、支援活動を長く継続的に取り組むことで、仕事の原動力にしていきたい。プロジェクトの目的でもある、いきものが沢山いて、人が沢山利用してにぎわいのある森を目指し、地域の皆さんが幸せになるよう取り組みたい。


にぎやかな森プロジェクトでは、上小森林認証協議会に加盟する13団体が所有する約1万ヘクタールの森林を舞台として森林整備活動や様々な調査研究活動が展開される予定ですが、長野県としましては、林業関係者だけでなく様々な皆様とのパートナーシップを構築し、森林という地域資源を活かした脱炭素社会の実現に合わせ、真に豊かな森林づくり、地域づくりになるよう支援して行く予定です。

にぎやかな森プロジェクトホームページ


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