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初心者のための似顔絵の描き方14

デフォルメ

デフォルメって何?

デフォルメとは、特徴を誇張、強調して簡略化・省略化した表現方法と解釈されています。
元はフランス語(déformer)ですが、フランス語のデフォルメは変形するという意味で、誇張や簡略という意味では使わないみたいです。
日本独自の解釈だそうですよ。

海外では誇張が激しい似顔絵が好まれています。
それに対し日本では、あまり誇張が強過ぎる似顔絵を好まない人もいるようです。
他の人と違う部分を見つけて誇張するのが似顔絵の基本。
しかし、人と違う部分はその人にとって気にしている部分かもしれません。
気にしている部分を激しく誇張されて気分を害する人もいるでしょう。
ここでは漫画やアニメに寄せた可愛い感じになるデフォルメをご紹介します。

可愛いデフォルメに

線を減らす

肖像画と似顔絵の差は、まさにデフォルメにあります。
肖像画にデフォルメしたものが似顔絵と言っていいかもしれません。

肖像画

大きな差は、線の数が圧倒的に違うということ。
日本の似顔絵は、漫画に影響を受けているため、スッキリしたイラスト調の絵にするためできるだけ線を減らします。
試しにデッサン画の線を減らしてみましょう。

デッサンの線を減らしてみたら

随分スッキリとした絵になりました。
これは単純に元のリアルな絵から線を減らしただけのもの。
これも立派なデフォルメですが、なんだかリアルな感じの似顔絵ですね。
デフォルメが上手くできないと思っている人の多くは、このへんで止まっているのではないでしょうか。

更に可愛くデフォルメを

ここからもう一手間かけてみましょう。
可愛くするコツは、目を少し大きめにして、小鼻を少し小さめにすることです。
前に描いた目、鼻、口、眉毛の描き方を思い出して修正してみてください。
更に鮮やかな色を塗るとより可愛く仕上がります。

可愛いデフォルメ

できるだけ線を減らす

このような手順でデフォルメをしていきますが、決め手はできるだけ線を減らすということです。
しかしここで大きな問題が出てきます。
線を減らしていくと、似せるのが難しくなってしまうのです。
線を増やせば似せやすくなりますが、線を増やすと今度は可愛さが減っていきます。

線を増やすか減らすか

似せるのをとるか、可愛さをとるか。前にも説明したジレンマがここでも登場しました。
なかなかうまくいかないものですね。
線を減らし更に可愛くするためには、いらない線は消し、必要な線は残すということです。どの線を消し、どの線を残すかをよく吟味してください。

漫画はデフォルメの参考書

日本の似顔絵は漫画に影響を受けているわけですから、漫画には似顔絵上達のヒントがたくさんあります。
漫画に出てくるキャラクターは、目が大き過ぎたり鼻が描かれていなかったりします。
似せるポイントが減ってしまうことになるので、そのままでは似顔絵としては不向きです。
漫画流のデフォルメの良いところだけを参考にしながら自分なりに何度も練り直してください。
そうすることで、自分が一番気に入ったデフォルメが完成します。

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