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似顔絵の描き方【漫画のテクニックを使う】

漫画から学ぶ

日本の似顔絵の画風は、漫画やアニメの影響を受けています。
漫画風の似顔絵は日本独特のものです。
漫画の中には似顔絵に活かせるテクニックが多くあります。

似顔絵は紙に描いた平たくて動かないものです。
躍動感のある動きにしたり、描かれた人の感情を表現する方法として、漫画に使われているテクニックを参考にしてみましょう。

動きの表現

漫画で動きを表現するときには、動いた軌跡を線で描くことで表します。
例えば下のような似顔絵を描いたとします。

それぞれ動きがある絵ですが、どのように動いているかを更に伝えるために、動いた軌跡に線を描いてみます。

動く表現

このように空間に動いた軌跡を示すことで、人物がどのように動いたかを表現できます。

オノマトペ

似顔絵には音がありません。
どうしても伝えたい音があるときには、音を文字として描く必要があります。

実際に音として聞こえるものだけでなく、動きや状態を文字として表すこともあります。
人物が登場するときに「ジャーン!」と書いたり、ショックを受けたとき「ガーン!」と書いた漫画を見たことがあると思います。
これがオノマトペです。漫画の中には、実際に聞こえる音やオノマトペがたくさん出てきます。

オノマトペ

ひらがなやカタカナだけでなく、アルファベットのオノマトペを使うと、カッコイイ似顔絵になります。

英語のオノマトペ

これらの文字を効果的に入れることで、更に躍動感のある似顔絵にすることができます。
ただ、似顔絵は顔が主役であることが大前提。
画面上に文字が多すぎると、主役である顔のインパクトが薄れますし、説明的な絵になりがちです。
オノマトペは必要最低限に使った方が無難です。

ふきだしを入れる

喋らせたいときはふきだしを使う

似顔絵の人物に何か台詞を喋らせたいときは、漫画で使うふきだしを入れるとよいでしょう。

ふきだしを入れた似顔絵

ふきだしの種類

ふきだしには種類があります。
まずは普通に喋ったときのふきだしです。
雲のような形の中に喋った内容を書きます。
尖った部分を人物の口に向けて描いてください。

普通のふきだし

激しい内容の言葉や大きな声のときは、ふきだしがギザギザの形になります。
強めの言葉のときに使いましょう。

強い言葉のふきだし

口に出した言葉ではなく、心の中で思った言葉のときは、口に向かう部分が数個の小さな丸に変わります。

心で思ったときのふきだし

噴出しについてもオノマトペと同じく使いすぎないようにしてください。
必要最低限度に使った方が効果的です。

表情を表現する

顔の中で感情を表現することはある程度可能です。
漫画には、感情をより強くイメージさせる方法があります。
顔の周りにいろんな形のものを描くことで、感情を表現します。

感情表現

例えば何かが閃いたとき、頭の上に電球が描かれた漫画を見たことがあると思います。
人が何かを閃いたときに実際に電球が現れるわけではありませんが、漫画の中ではスタンダードな表現です。
このような漫画独特の表現方法の例を考えてみましょう。
下の顔にいろんなものを描き足して感情を表現してみます。

閃きの表現

閃き

電球が点いて明るくなることを閃きとして表現したものです。
ビックリマークを入れるとより閃いた感じがでます。

喜びの表現

喜び

ハートは愛情表現やウキウキ感を演出できます。
音符は鼻歌を歌っている感じでルンルンした感情を表現できます。

驚きの表現

驚き

漫画では驚いたときに頭の上にギザギザした模様が現れます。
汗を描き入れると焦った感じがでます。

怒りの表現

怒り

頭から湯気を出して怒りを表現します。
もう1つの記号のようなものは、実は血管を表しています。
怒りが増して血管が浮き出た様子を表しています。

困惑の表現

困惑

漫画では、困っていたり、不快な思いをしているときに頭の上にグシャグシャしたものが現れます。
モヤモヤした思いをこんがらがった線で表現しています。

眠りの表現

眠り

漫画で寝ている人の横に「ZZZZZ・・・」という文字が現れます。
これはアメリカの漫画の表現で、「ぐ~ぐ~」というイビキの音を表しています。
今では日本でもスタンダードの表現方法になっています。

これら漫画独特の表現方法を駆使して、感情豊かな似顔絵にしてください。

効果的な背景

ここでいう背景は、町の様子を描くような風景画のことではなく、線や模様で表した背景です。

迫力のある背景

迫力のある背景

この背景は、中央に人物を描くことで迫力のある絵になります。
人物を主人公として目立たせ、飛び出すような迫力のある背景です。
この背景を使った例を描いてみます。

この3人にそれぞれ背景を描き足してみます。
更に効果を上げるためにオノマトペも入れてみました。

このように迫力満点の絵になりました。
特に手を前に突き出したポーズだとより効果がでます。

ほのぼのとした背景

ほのぼのとした背景

この背景は、ほのぼのとした感情のときや、その人自体がほのぼのした性格の場合に用います。
少女漫画に多く使われる背景です。
この背景を使った例を描いてみます。

この3人に背景を描き足してみます。
オノマトペも加えてみました。

描く人の性格や、シチュエーションにあわせて効果的に使ってみてください。

オーバーなデフォルメ

漫画では、大きな感情の動きがあったときに大げさなデフォルメをすることがあります。
目が前に飛び出したり、口が大きく垂れ下がったり、かなり大げさな誇張がされます。

大げさなデフォルメ

その人がどんな感情なのか一目瞭然で分かります。
漫画では有効な表現方法ですが、これは似顔絵には向いていません。
ここまで大げさにデフォルメすると、顔の特徴が変わってしまうので似なくなってしまいます。

似顔絵は似てないと意味がありませんので、漫画ほど誇張が強すぎるデフォルメは適していません。
感情を表現するにしてもデフォルメはほどほどにしておきましょう。

漫画の良い部分だけを使う

漫画ならではの表現方法があることがお分かりいただけたと思います。
漫画には似顔絵に使えるテクニックがたくさんあります。
普段全く漫画を読まない方も、たまには読んでみてはいかがでしょうか。
漫画の中にある必要なテクニックだけを効果的に使ってください。

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