
似顔絵の描き方【何から描き始めるか】
似顔絵を描き始めるとき、あなたは何から描き始めますか。
輪郭?髪型?いっそ目や鼻などの顔のパーツから描いてみます?
慣れた人ならどこから描き始めても支障はないでしょう。
でも、初心者の人が適当なところから描き始めると失敗します。
例えば変なところに大きな余白ができたり、紙に収まりきれなくて絵がはみ出したりします。
どうせ描くなら、紙の中にきれいに収まるようにバランスよく描きたいものですね。

そのためには、何から描き始めるかが重要なのです。
輪郭でも髪型でも目や鼻でもなく、まずは○を描いてください。
この○は、輪郭ではありません。
今からこの○の中に顔を描いていくぞという範囲を示すものです。
あらかじめ描く範囲を決めることで、紙からはみだすことはありませんし、紙の中央にバランスよく絵を配置することができます。
変なところに余白ができることもないというわけです。

このとき○の上下左右に余裕をもって余白を残してください。
そうすることで、○から少々はみ出してしまっても、紙からははみ出さずにすみます。
○の下方には体を描くので、多めに余白をとってください。
正中線をひく
次に丸の中心に縦線を描きましょう。
これが正中線です。
顔の左右を対象に描くのは、意外と難しいものです。
輪郭の形が曲がったり、左右の目の高さがあわなかったりしがちです。
正中線は、顔の左右を見比べるためのガイドラインです。

正中線を目安として顔の左右をチェックする項目は
輪郭の形や面積の広さ
頬骨、エラ、顎の位置
眉や目の高さ
左右の目の離れ具合
鼻や口の左右の長さ
などがあります。
顔を左右対称に描く必要性
顔の左右は対象に描く必要があります。
そうしないと出来上がった絵を見た人に違和感を感じさせてしまいます。
厳密に言うと、人の顔は誰でも左右対称ではありません。
極端に非対称な顔であれば、そのように再現しなければ似せられないでしょうが、気にならない程度の非対称な部分は忠実に再現する必要はありません。
例えば、観察力をフルに発揮して、左右の頬骨の高さが少しだけ違っていることを発見したとします。
それを忠実に再現したところで、他の人が気づかない程度の違いだったとすると、単にデッサンが狂っていると思われてしまうかもしれません。
そんな些細な特徴よりも、もっと大きな特徴をみつけてデフォルメする方が重要と言うことです。
下書きはのびのびと
○も正中線も、バランスよく描くためのガイドラインにすぎません。
最終的には、ペン入れの後で消してしまう線です。
少しぐらい○からはみ出してしまっても構わないので、ガイドラインに囚われ過ぎず、のびのび下書きしてください。